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第1章 マタニティライフ後編②【検索魔になった日々と、揺れる想い】

    きっかけは、お客さまからの何気ないひと言だった。

    「“コウノドリ”ってドラマ、知ってる?」

    私は漫画派だったから、原作を32巻まで一気に読んだ。

    おはなが来てくれて嬉しい
    ⸻でも、心の奥底にあった“不安”が、輪郭を持ち始めた。

    調べれば調べるほど、スマホはさらに深い情報を運んでくる。

    魚鱗癬、
    頭蓋顔面奇形、
    医療的ケア児

    ⸻知らなかった世界が一気に押し寄せてきた。

    「生まれてくるって、奇跡なんだ」
    そう思ったと同時に、
    「もしこの子に何かあったら…」
    という不安が、静かに大きくなっていった。

    夜になると、スマホを片手に検索が止まらなくなった。

    “妊娠 赤ちゃん 障害 原因”
    “胎動 感じない 臨月”
    “逆子 帝王切開 確率”

    安心したくて調べているのに、
    調べれば調べるほど、
    不安が膨らんでいく⸻。

    そのうち、自分でも怖くなるくらい、ワードが鋭くなっていった。


    おはなが空へ還ったとき、思ってしまった。

    「もしかして、私が不安ばかり検索してたから⸻おはなにも、不安を伝染させてしまったんじゃないか」

    そんなこと、ありえないってわかってても、
    思わずにはいられなかった。

    おはなを産んだあと、聞こえてきた
    「15分間、息をしていなかった」
    という事実。

    「障害が残るかもしれない」
    そう不安になってしまった自分がいた。

    全力で応援するべきだったのに、
    信じるべきだったのに。

    私には、親としての覚悟が足りなかった。

    悔しさと、
    情けなさと、
    罪悪感。

    その全部を、
    今もなお、静かに抱えている。

    でも、私は忘れない。

    おはなが、教えてくれた。
    命と向き合うって、
    きっと、こういうことなんだって。


     
     

    heteru

     
     
    死産を経験し、おはなとの物語を書いた先で、 私自身がどう生きていきたいのかを模索しています。 家族との時間も、社会とのつながりも、 自分の表現も。 どれも諦めずに生きていく、 その途中を綴っています。 娘・おはなとの物語 「私とあなたとおはなちゃん」も公開中。

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