
第5章 愛と記憶を繋ぐ歌〜GLAYと私とあなたとおはなちゃん〜
GLAYは、
私の人生そのものだった。
嬉しいときも、悲しいときも、
私より先に、私の気持ちを歌ってくれていた。
獣医になる夢を追いかけて、迷って、挫けた学生時代。
GLAYと一緒に仕事をしたくて、がむしゃらだった社会人生活。
好きな人に振り向いてほしくて走り続けた8年間も、
コロナ禍で不安と孤独に沈んだ時期も⸻
GLAYから、
泣いたり笑ったり元気をもらって、
前に進む勇気をもらってきた。
おはなと過ごした、最後の夜。
陣痛で眠れなかった私は、愛の歌が詰まったアルバム【WHITE ROAD】をBGMに選んだ。
愛の歌と一緒なら、
出産の瞬間も乗り越えられると思ったから。
あの時、
きっとおはなにも届いていたと思う。
おはなが生まれて、同時に空へ帰った後。
産後の身体を休めているあいだも、私はずっとGLAYの曲を聴いていた。
言葉にならない気持ちを、GLAYの歌詞の中に探していたのかもしれない。
あの頃の私に、響いた言葉たち。
「すべては美しくある為に」
「失ったものを数えるな」
「人はたくさんの涙に囲まれて独り天国へいくけれど、どうか微笑んで今は泣かないでいて」
特に未発表曲の【真実】は、何度も何度も聴き返した。
もともとリクエストするくらい好きだったけど、あの頃の私の気持ちがそのまま歌になっているようで、歌詞もメロディーも、全部が静かに心に重なっていった。
「忘れることで人はきっと
忘れ得ぬ悲しみと供に生きている」
この一行があったから、この小説を書いている途中で、おはなの記憶が少しずつ薄れていくことに気づいたときも、私は冷静な気持ちを保つことができたんだと思う。
ちょうど30周年のアニバーサリーイヤー。
産後7ヶ月目、旦那さんの人生初ライブを、ツアー初日・大阪公演で一緒に体感した。
【さよならはやさしく】の途中、旦那さんが私の手をぎゅっと握ってくれた。
「ひとりでは分からない
ふたりではなお分からない
でも苦しまなくていいよ」
⸻旦那さんの愛を感じた瞬間だった。
地元・福岡公演では、GLAY仲間である大好きな母とも一緒にライブに行けた。
【Beautiful like you】のラストで、TERUさんがアレンジして歌ってくれた。
「私はいつでもあなたの
(あなただけの)そばにいる」
その時の照明は真っ白い光。
幻想的にステージを照らしていて、まるでおはなが私に言ってくれてるみたいで、胸がぎゅっとなった。
おはなをより日常生活に感じるようになったのは、あのライブがきっかけだったかもしれない。
娘が旅立ったあの日から、今も、
私のそばには、GLAYの歌とおはなが一緒にいてくれている。
これからの毎日も、私は
GLAYの歌と、
おはなの記憶と、
一緒に歩いていく。
※歌詞の一部はGLAYの楽曲より引用させていただいています。