
ニューヨークに行こうと思った理由
ニューヨークに行こうと思った理由は、
今思えば、ずっと前から自分の中にあったのかもしれない。
10代の頃、毎朝なんとなく見ていたテレビ番組の中の「OH! MYニューヨーク」。
そのコーナーを、毎回楽しみに待っていた。
頭の中でニューヨークと言えば、トムジョーンズの「It's Not Unusual」が流れていた。
その映像は、当時の私にとって十分すぎるほど刺激的で、いつしか「ニューヨーカーになってみたい」と、心のどこかで思い続けていた気がする。
当時付き合っていた人も、「ニューヨークに行ってみたい」と話していた。
タイミングや気持ちが重なって、自然と「うん、行ってみよう」という流れになった。
せっかく行くなら、ただの観光ではなく、ちゃんと暮らしてみたい。
そう思って、思い切って学生ビザを取ることにした。
語学学校を探し、できるだけ費用を抑えられるように、ドミトリー付きで食事もついているところを選んだ。行きたいと思ってから行くまでは速かった。
準備も進めていった。
変圧器を用意して、当時やっていた写真のためにカメラもフィルムもきちんと持っていくことにした。
お気に入りの洋服も、リュックの中に詰め込んだ。
これから始まる生活がどんなものになるのか、まだよく分からなかったけれど、
少しの不安と、それ以上の楽しみがあった。
そう決断した、28歳の自分がいた。
※これはニューヨークで過ごした約10ヶ月のはじまりの話です。