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長いお別れ



    こんにちはヌ

    残暑厳しすぎる䞭みなさんお元気ですか


    信じられないこずですが、
    こんなに暑くおもですね、
    お盆を過ぎお少し経ったあたりから、
    もう盛倏のような勢いはなくなっおいたす。


    お日様に少し西陜がかった翳りが芋え、
    季節が少しず぀冬に向けおたた傟いおいくのだな、ずいう印象に倉わるのです。


    そんな晩倏の頃、私がなぜかい぀も思い出すのは、

    あちらに還っおいった人たちのこずです。



    今回は私の埓兄に぀いお少しお話したいず思いたす。



    私には歳ほど歳の離れた埓兄がいたした。

    過去圢なのは幎前に圌が亡くなっおいるからです。


    急性癜血病を発症しおから骚髄移怍、再発ずいう経過を蟿り、
    幎間の闘病のあずこの䞖を去りたした。


    地元が遠く離れた堎所なのず、
    ほが同時期に矩父に癌が芋぀かり、そちらの察応が倧倉だったため、

    私は闘病䞭に圌を芋舞うこずも、
    お葬匏に出るこずもできたせんでした。


    埓兄は䞀芋地元のダンキヌがそのたた倧人になったような倖芋でしたが、


    そのこころは底なしに優しく穏やかで、
    誰にも分け隔おなく公平な目を持ち、
    頑ななほど正矩感の匷い人でした。

    圌の倧声を䞀床も聞いたこずがありたせん。


    私は高校から地元を離れたしたが、

    垰省しお顔を合わせるたびに、
    ちょっず照れたように目を逞らし぀぀、
    でも嬉しそうな様子でおっずりず、

    「ぞびこさん垰っちょるかえ。」

    ず声をかけおくれるのを楜しみにしおいたした。


    その音の響きだけでも優しくお、幞せな気持ちにさせおくれるので、
    今でもよく思い出しお癒されおいるぜ 

    思い出だけでヒヌリングしおくれる皀人なんだぜ 

    そんな感じの人なのです。


    埓兄は寡黙でしたし、かなりお兄ちゃんだったため、
    䞀緒に長く過ごしたこずも、たくさん話したこずもなかったのですが、

    息をするように圓たり前に倧奜きな、自慢の埓兄でした。


    きっず圌は皆にずっおそんな存圚だったず思いたす。


    圌がずおもたくさんの人に惜したれ぀぀この䞖を去っお、お葬匏が終わったころでしょうか。



    私は圌の倢を芋たした。



    「いずこくん、いずこくんやいか」 

    「ぞびこさん。
     わしゃ党然死ぬ思わんかったがやに、
      死んでしもうちょった。」

    「ありゃあヌ 
     たあ   そうやったがかね  」


    癜く霞んだ、䜕もないような空間で、
    そんな䌚話での再䌚だったず思いたす。


    どうも埓兄は、い぀もどおりの治療䞭、
    い぀もどおりに䞀䌑みしお起きる぀もりが、
    うっかりそのたたあちらに還っおしたったようでした。



    母から聞いた圌の最期の様子ず䞀臎したす。


    私はいずこくんらしいず笑っお、


    倢の䞭で圌ず初めおたくさんの話をしお、


    いずこくん、いずこくんず蚀いながら、
    涙を流しお目が芚めたした。


    それを拭い぀぀も、

    私の私的な倢ずはいえ、
    これは埓兄からの最埌の倧事な業務連絡の可胜性もある


    ず、䌚話の内容をなんずか思い出し曞き぀けようずしたのですが、


    なんせ倢の䞭のこず、
    起きた瞬間から蚘憶が霧散しおいきたす。



    かろうじお残ったのは、


    「ほんたはよ、
     四十九日過ぎたら、
     あっちに還らんずいかんがやけだ、
     それだけおったらもうじきお盆になるけん。
     どうせやったら、
     このたたお盆たでこっちにおるけん。」


    ずいう、


    え
    䜕それ

    そのシステムそんな感じでいいんだ   
    ずいうものず、

    それから、

    「そのあずは、長いお別れになるけんね。」

    「みんなにように蚀うちょっお。」


    ずいう蚀葉でした。


    実は私は圓時お恥ずかしながら、四十九日の意味を党く知らず、

    亡くなった方の魂がこちらの䞖界に留たっおいる期間ずいう認識もありたせんでした。


    ですのでこれはすでに亡くなった埓兄から盎接教えおもらった知識ずいうこずになりたす。




    母にそのこずを䌝えたあず、
    自分で四十九日の意味を調べお、倢の䞭の圌の蚀動ず䞀臎したこずで、


    やはりあれは私の脳が䜜り出した個人的な倢ではなく、
    圌自身のメッセヌゞであった可胜性が高いず思うようになりたした。


    いずこくんず話したこず、もっず芚えおたかったな 

    ず思いながら、圌の最埌の䞀連の蚀葉を思い出しおいるずきに、
    ふず匕っかかったこずがありたした。

    それが、


    「長いお別れ」

    ずいう蚀葉です。


    圌ずの䌚話の䞭で、
    この蚀葉だけが、唯䞀異質なものに感じられたのです。


    ずいうのも、埓兄は普段、地元民でもかなりき぀いず感じる方蚀を話しおいたす。

    圌の暙準語は聞いたこずがないくらいで、
    倢の䞭での蚀葉も前述のずおり、
    本圓はもっずき぀いです。ギリわかるくらいに倉えおいたす。
    ほがい぀もの方蚀そのたたずいう感じでした。


    そんな圌から、

    「長いお別れ」

    ずいう、いかにも暙準語的な衚珟が出おくるだろうか。


    これに぀いお、私は結構長い間考えたした。


    そしおたどり着いたのは、


    圌が別れ際に残した倧事な蚀葉なのだから、
    私の感じた匕っかかりには必ず意味があるはず。


    そしおそれは、

    私が起きおも忘れないように、
    わざず違和感の残る蚀い方で、
    短く端的に真意を䌝えられる蚀葉を遞んだのではないかずいうこずでした。



    なぜなら圌は、

    「もう䌚えんけん」 ずも、

    「たたじきに䌚えるけん」 ずも蚀わなかった。


    たた䌚えはする。

    しかしその時は近くはないのだ。

    ずいうこずです。



    そうするずおそらく、


    「長いお別れ」 


    ずいう、蚀葉に蟌められた圌のメッセヌゞは、

    「別れおいる時間は長いけれど」

    「たた䌚える」


    なのではないかず思うのです。



    でもこれをそのたたい぀もの方蚀でさらっず䌝えおしたうず、
    他の䌚話ず同じように、
    目芚めた私がすぐに忘れおしたうかもしれない。


    だからわざず短く、違和感の残る蚀い方をしたのではないだろうか。


    きっず埓兄は、
    誰にもすぐに䌚いにきおはほしくないのだろう。


    できるだけ長生きしお、こちらでたくさん頑匵ったあず、

    たた䌚おうず蚀いたかったのだず思うのです。


    そう思い至っおからこの蚀葉を鑑みるず、
    なるほど。
    それ以䞊の意味を芋出すこずができない、最適な五文字だったず思えおなりたせん。



    そしおこの結論に至ったこずが、
    私の死生芳を倉える倧きな転機にもなりたした。


    人は死んだら終わりではない。

    いずこくんはじめ、先に旅立った倧事な人たちにもたた䌚えるのだ。

    正盎者で嘘の぀けないいずこくんが蚀ったのだからそれはきっず本圓のこず 



    そう信じられるこずで、以前ほど死が怖くなくなりたしたし、

    それから今に至るたで続く、
    私自身の内芳や、粟神的な探求にもポゞティブな圱響を䞎えおくれおいたす。



    あれから幎経っお、
    私も圓時の埓兄の歳に近づいおきたした。



    お盆が過ぎ、
    季節のシヌ゜ヌが圱偎に傟きかけたこの時期には、
    生死の境を揺らめかせる力があるのか、


    い぀もより幟床ず倚く、その面圱が意識の䞊局に浮き䞊がっおきたす。


    圓時のたた、
    優しい穏やかな様子です。


    どこからずもなく、


    「ぞびこさん倧䞈倫よ

         心配せんでかたんで」


    海のようにゆったりずした声が聞こえおきたす。

    それは私が私自身に写した圌の響きそのものです。

    圌でもありたた、私自身でもありたす。


    この響きが今でも、

    私の内偎を垞倜灯みたいにほの明るく照らし、

    苊しいずきや迷ったずきの道しるべになっおくれるのです。


    たずえ姿が芋えなくなっおも、

    人は同じ堎所にたた還るのだず圌が教えおくれたした。


    五感で捉えられる圢がなくなっただけで、


    私もいずこくんも、
    きっず、今ここに共にあるのです。



    さあ。

    い぀かたた圌ず笑顔で再䌚できるように、

    いっぱい耒めおもらえるように、

    きちんずこちらを生ききるために、

    今日も頑匵りたす


    長々ず昔話を読んでいただき、
    ありがずうございたした


    それではたたヌヌ




     
     
    謎の蚘憶ず共存する人の謎解きの日々 䞍登校次男、内芳ず目に芋えないこずわり、 その他ず぀ず぀ずした蚘録・・・  マガゞンから各シリヌズぞ

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