
【トビタテ高校生】今度は兄が挑戦する番|きょうだいで連続合格したトビタテのバトン
前回の記事では、長女のトビタテ留学と、帰国後のエヴァンジェリスト活動について書きました。
帰国した娘は、それまで以上に積極的に挑戦するようになり、やりたいと思ったことを自分で行動に移す力を身につけていきました。
その姿を、一番近くで見ていた人がいます。
それが長男でした。
でも実は、最初から「自分も挑戦したい」と思っていたわけではありませんでした。
「僕は行かない」
長女が留学から帰国して間もない頃。
私は何気なく長男に聞きました。
「トビタテ、受けてみる?」
返ってきた答えは意外なものでした。
「僕は行かない。」
理由を聞くと、
「だって、トビタテに合格するなんて絶対無理だから。」
そう答えました。
私はその言葉を聞いて、留学に興味がないのではなく、「自分には無理」と思い込んでいるのだと感じました。
だから私は、こんなふうに聞き返しました。
「受かるかどうかじゃなくて、留学したいの?」
長男は少し考え込みました。
すぐには答えは出ませんでした。
だから私は、
「今すぐ決めなくて大丈夫。ゆっくり考えてみたら?」
それだけ伝えました。
子どもの気持ちを知りたい
私は昔から、子どもたちに何かを勧めることはあっても、無理にやらせることはしたくありませんでした。
長女と長男がまだ小さかった頃、二人を夏休みのスイミング短期教室へ通わせたことがあります。
私は当然、そのまま習い始めるものだと思っていました。
でも教室が終わったあとに聞くと、長女はきっぱりと言いました。
「やりたくない。」
正直、少し驚きました。
あんなに楽しそうに泳いでいたのに。
でも、その言葉が長女の本当の気持ちでした。
だから私は、
「そっか。じゃあ、やめよう。」
そう答えました。
その後も何度か聞いてみましたが、答えは変わりませんでした。
その時、私は気づいたのです。
小さな子どもでも、自分の意思をちゃんと持っている。
だったら、その気持ちを尊重してあげたい。
それ以来、私は子どもたちに「こうすれば?」と答えを与えるよりも、
「あなたはどう思う?」
と聞くようになりました。
子どもたちに何を考え、何を感じているのかを話してもらう時間が、私にとって何より大切になっていったのです。
だから長男にも、合格できるかではなく、
「本当は行ってみたいの?」
その気持ちを大切にしたいと思いました。
少しずつ変わり始めた長男
それから時間が過ぎました。
長男の学校には帰国子女やインターナショナルスクール出身の生徒も多く、海外留学へ行く友達や、海外の大学へ進学する先輩、海外へ転校する同級生もいました。
そんな環境の中で、長男の中にも少しずつ変化が生まれていきました。
海外は特別な世界ではなく、
「自分も挑戦できるかもしれない世界」
へと変わっていったのです。
そして中学3年生の夏。
長男がぽつりとつぶやきました。
「俺もトビタテ受けてみようかな。」
でも、そのあとに続いた言葉は、
「絶対落ちると思うけど。」
でした。
思わず笑ってしまいました。
確かに、トビタテ留学JAPANは年々倍率が上がり、とても狭き門です。
私も簡単ではないことは十分わかっていました。
それでも私は、
「受けるのは誰でもできるんだから、挑戦してみたら?」
そう伝えました。
合格するかどうかは、その先の話。
挑戦するかどうかは、自分で決めること。
その日から、長男のトビタテへの挑戦が始まりました。
母として思うこと
長女は、
「行きたい!」
という強い思いで挑戦しました。
長男は、
「受からないかもしれない。」
という不安を抱えながら、一歩を踏み出しました。
同じ留学でも、始まり方はまったく違います。
でも私は思います。
挑戦は、自信がついてからするものではありません。
不安があっても、自分で「やってみたい」と決めたその瞬間から始まるものなのだと思います。
だから私は、子どもたちの人生を決める親ではなく、
子どもたち自身が自分で選び、自分で歩いていけるように寄り添う親でありたい。
それが、私の子育てで一番大切にしてきたことです。
おわりに
こうして始まった長男のトビタテへの挑戦。
でも、本当のスタートはここからでした。
留学計画書の作成。
探究テーマとの向き合い方。
そして避けては通れない面接。
長男は、この「狭き門」をどのように乗り越えていったのでしょうか。
次回は、合格までの道のりについて書いていきたいと思います。