
Vol.41 『職業理解』が対話の鍵!
キャリアコンサルティングにおける「職業理解」と「職業情報」は、相談者が自分に合った職業を選ぶための基盤となる重要な要素です。以下に詳しく説明します。
🔹 1. 「職業理解」とは?
● 定義:
職業理解とは、さまざまな職業の内容・働き方・求められる能力・就業条件などについて、正しく知ることを指します。
● 主な内容:
仕事内容(例:設計、販売、介護など)
必要なスキルや資格
職場環境(勤務時間、勤務形態、人間関係など)
将来性・成長性
給与水準・待遇
社会的役割・価値
🔹 2. 「職業情報」とは?
● 定義:
職業情報とは、上記のような職業理解を深めるための具体的なデータや情報源のことです。
● 主な情報源(日本国内):
job tag(日本版O-NET)
職業の仕事内容・必要なスキル・適性・価値観・教育背景・求人動向などを網羅した職業データベース。自己診断ツールも充実。
ハローワークインターネットサービス
求人情報に加えて、職業訓練、キャリアアップ支援情報を掲載。
厚生労働省「職業分類」
政府統計などで使われる、職業を体系的に分類したもの(例:販売従事者、専門的・技術的職業など)。
労働市場分析レポート
人材サービス会社や厚労省が公表する、業界・職種ごとの求人倍率や将来性に関する資料。
🔹 3. なぜ重要か?
✅ キャリア選択における納得感を高めるため
→ 自分の興味・価値観・能力と職業とのマッチングに気づける
✅ 進路や学習選択の根拠になる
→ 資格やスキル取得の目的が明確になる(例:医療事務資格 → 医療系の安定職)
✅ 誤ったイメージによるミスマッチを防ぐ
→「やりたいと思っていたけど、実は…」というミスマッチによる早期離職を防ぐ
🔹 4. 支援の実際例
● 相談者:「営業職は人と話すのが好きなら向いてるんですよね?」
● コンサルタント:「営業にも提案型・ルート営業・インサイドセールスなど色々な種類があります。まずは、どのようなタイプの営業があるか一緒に見てみましょうか?」
→ このように「思い込み」に気づかせ、正確な情報に基づく理解を促す。
💡 補足:職業理解支援に使えるツール
「job tag」:職業検索と自己診断が可能
「職業興味検査」や「価値観検査」:職業選択のヒントを得られる
「職場見学」「職業体験」:実地での理解を深める
日本標準職業分類(にほんひょうじゅんしょくぎょうぶんるい)は、日本国内のあらゆる職業を体系的に整理・分類するための基準です。統計調査や行政手続、労働政策、キャリア支援の現場でも幅広く活用されています。
🔹 日本標準職業分類の概要
制定主体
総務省統計局
最新版
2022年版(改定は約10年ごと)
目的
統計の整合性確保、職業の実態把握、労働政策や教育訓練政策への反映など
構成
大分類(12)、中分類、小分類、細分類といった階層構造
🔹 分類構造(例)
大分類G:販売従事者
中分類61:商品販売従事者
小分類611:小売店販売員
細分類6111:スーパー店員、書店店員 など
🔹 大分類一覧(全12分類)
A管理的職業従事者(例:部長、経営幹部)
B専門的・技術的職業従事者(例:医師、教員、エンジニア)
C事務従事者(例:一般事務、経理)
D販売従事者(例:営業職、接客業)
Eサービス職業従事者(例:介護、調理師)
F保安職業従事者(例:警察官、自衛官)
G農林漁業従事者(例:農業、林業)
H生産工程従事者(例:機械オペレーター)
I輸送・機械運転従事者(例:運転手)
J建設・採掘従事者(例:大工、建設作業員)
K運搬・清掃・包装等従事者(例:清掃員)
L分類不能の職業
🔹 活用場面
統計調査
国勢調査、労働力調査、就業構造基本調査、厚生労働省編職業分類など
職業情報サイト
「job tag」や「ハローワーク求人票」の分類基準として使用
キャリア教育
職業群ごとの理解促進、キャリアマップ作成
行政手続
労働政策や教育訓練給付制度での対象職業の特定など
🔹 近年の改定ポイント(2022年版)
IT・デジタル系職種の充実(例:AIエンジニア、データサイエンティスト)
ジェンダー配慮表現の導入(例:従来の「保母」→「保育士」)
職業の多様化に対応した新設・統合(例:YoutuberやSNSマーケターに相当する職も)
🔹 補足:分類とキャリアコンサルティングの関係
キャリアコンサルタントはこの分類を活用することで、相談者に以下のような支援が可能です:
興味・適性に応じた職業群の提案
転職や再就職の方向性を分類ベースで整理
自己理解・職業理解の補助教材としての使用