
[SS] 主人を待つ。
私は待っている。
主人が帰ってくるのを
ただ、ただ待っている。
思い出すのは、電話の音。
輝く笑顔、弾んだ声。
玄関の閉まる音。
あれから何日経ったのだろう。
もう力が無い。
残った水も、もうわずかだ。
主人が消し忘れたエアコン
開け忘れたカーテン
そのおかげでなんとか。
なぜ帰ってこない?
何かあったのだろうか?
もう、帰ってこないのだろうか...。
私に見せてくれた笑顔。
あれは?
まあ、もういい。
もういいんだ。
でも、最後にもう一度
出来る事ならもう一度
主人の顔を見たかった。
音がする。
玄関の開いた音。
主人の声。
幻聴?お迎え?
いや、違う。
主人、主人だ。
主人は私の前に立って
あの日のように微笑んだ。
そして、隣に私のような花を。
心から嬉しかった。
最後、主人に再会できた事。
そして、主人の隣。
そこに立っている笑顔の男性。
そこには初めてみる男性が立っている。
そうか、そういう事か。
よかった、ほんとうによかった。
おめでとう
主人。
こちらの企画に参加させて頂きました。
記事の画像から思いついたお話です。
女性が花を見ているのは、とてもいいですね。