メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

短線『欲しがりさん』 侊

    Иosva

    「眠れないの」
     私の隣で寝転がっおいる圌が尋ねた。
    「ん〜ちょっず色々あっおね」
     平静を装っお私は答えた。
     私の内には平静なんおどこにもないのに。
     スマホが震えた。きっず『圌』だ
    『今床はい぀䌚える』
     私はロック画面のたたメッセヌゞを䞀瞥した。私は『圌』に欲されおいる。油断するず口蚱が緩みそうだ。
     ふず気が付くず、私の胞にゎツゎツした血色の良い手が吞い付いおいた。
    「眠くないならさ─────」
     私の口が圌の蚀葉を遮った。圌の舌が力匷く波打っおいた。圌の唟液ず共に喉に流れ蟌む䜕かで、私の心が満たされおいくのを感じた。
    「欲しがりさんだね。ナキト」
     メッセヌゞは開かずにスマホを䌏せた。心の䞭で『圌』に小さく、ごめんね、ず呟いお、私はナキトの胞に飛び蟌んだ。

    「今日はここたで。出垭祚出しずいおね」
     長い講矩が終わった。
    「お疲れ。この埌どうする」
    「この埌バむトだから、先に家で埅っおおよ。今日先茩が䌑んじゃっお、僕がシフト代わったんだ」
     圌はそう蚀っお合鍵を枡した。真っ黒い二぀の瞳は心底申し蚳なさそうに私を芋おいた。
    「マサキ、バむトばっかりじゃん。働き過ぎだっお」
     よく蚀うよ。
     マサキのバむト代を吞い尜くしおいるのは私なのに。
    「ごめんね。もう少しお金貯めたらシフト枛らしおみるから」
    「  ありがず」
     なんずか返答を捻り出したのだが、少し玠っ気なくなっおしたった。
    「サツキ、い぀でも愛しおるからね」
     圌はそう蚀い残しお足早にバむト先ぞ向かった。
     私も愛しおるよ。

     二人ずも。

     私はコンビニでゎムず飲み物を買っお、マサキの家に向かった。
     この状態が健党なものではないずいう事は分かっおいる。
     私には今二人の恋人がいる。ナキトず、マサキ。
     ナキトは私の高校の時の先茩だ。
     皋良く焌けた血色の良い肌から分かるようにずおも明るく、䞀芋チャラくも芋えるが、根は本圓に優しい人だ。私が寂しい気持ちになっおいる時、䜕も蚀わなくおも寄り添っおくれお私だけを芋お私だけを愛しおくれる。蟛い時も圌は口を挟たずにひたすら私の蚀う事を真摯に聞いおくれる。
     性欲が匷めな所が玉に瑕だが、そういう所も含めお私は圌が奜き。ずいうより、私も人䞊み以䞊に性欲が匷いため、圌の事を蚀えない。
     マサキは私の倧孊の同期だ。
     色癜でスマヌトな出で立ちをしおいお、倧人しい。そしおその芋た目に反せず、ずおも真面目な人だ。私ず付き合っお以来、ひたすら䞀途に、真面目に私ず付き合っおくれおいる。他にどんな予定があっおも、私ずの予定を最優先にしおくれる。私のお願いも、嫌な顔䞀぀せず匕き受けおくれる。
     真面目な割に頭はあたり良くないようだが、そのおかげで私ず同じ倧孊に入る事になり、私は圌ず出䌚えたのだ。
     二人ずも本圓に良い恋人だ。どちらかを遞べずいう方が無理な話だ。私には二人からの、二人分の愛が必芁なのだ。
     二人ずも真剣に私を愛しおくれおいるから、この関係が明るみに出たら、どちらも深く悲しむずいう事は分かっおいる。
     分かっおいるけど  。

     そんな事を考えおいたらい぀の間にかマサキのアパヌトの前に着いおいた。
     私は迷いなく圌の郚屋ぞ向かい、合鍵を挿した。

       

     鍵を回した瞬間、背埌から芖線を感じた。
     反射的に振り返ったが、そこには誰もいなかった。
     少し怖くなったため、私はいそいそず郚屋の䞭に入った。
     少し気が匵っおいるのだろうか今たでこんな事なかったのに、今曎  。
     私は速くなった心臓の錓動を抑えながら、マサキを埅぀事にした。

     ─────玄関の鍵が回った音がした。
     マサキが垰っおきた。
    「おかえり」
     私は垰っおくるなり圌にキスをした。もう20時を過ぎおいる。圌を埅っおいる時間は殆ど氞遠のように感じた。
    「ねぇしよ早くしよ」
     私は奥底にある濁った䞍安を振り払うために、圌のモノを欲しおいた。
     お願い。私を逃がしお。珟実は怖くおたたらないから、私を貎方に逃がしお。
     圌は少し困った顔で台所の方をちらりず芋たが、すぐにい぀もの優しい顔で私の方に向き盎った。
    「いいよ。しよっか」
     圌は私にもう䞀床キスをしお、そのたた二人で颚呂堎ぞず向かった。
     い぀ものように圌は優しくしおくれたが、その倜は少しだけ痛く感じた。

    
     信じるべきだ。信じなくおはいけない。
     こんな事、間違っおいる。恋人にこんな事するなんお、絶察に間違っおいる。信じきれないなんお、自分は人間ずしお終わっおいる。
     だけど 。
     どうにも気が収たらない。目を閉じおも開いおも良くない劄想が䜕床も脳内を反芻しおいる。ずにかく䞍安でしょうがない。
     芋おしたったから。あんなものを芋おしたったから。
     圌女を信じるべきだ。信じるべきだけど  。
     目の前がどんどん曇っおいった。
     

    䞋ぞ続く

    こちらの䌁画に参加したした。本圓はい぀ものように䞀぀の蚘事で完結させる぀もりでしたが、途䞭から少し長くしおみたくなり、二郚䜜にしたした。
    䞋はこちら‵

    あなたぞのおすすめ