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4 俺様クローンで大儲け計画

    近頃は、簡単にクローン人間を作ることができるようになった。

    完全なクローンを作るのはまだお高いけれど、アンドロイド基本形モデルを購入して、高機能3Dプリンターで造形を俺様に似せる、そして、脳に当たるCPUに、俺の考え方や性格をインストールすれば、「格安・俺様クローン」の完成だ!

    俺は、なんとか給料を貯めて資金を作り、自動運転車を買うのを諦めて、アンドロイド基本形モデルを購入した。

    高機能3Dプリンターは、仲良くなったお隣さんが持っているので、プリンターのインク代(これは結構高い)と、お礼の高級仕出し弁当で使わせてもらうことにした。

    「今日は、よろしく頼むよ。」

    俺は、弁当とインク代を差し出して頭を下げた。

    「ああ、いいっすよ。買ったものの、まだ、人型は2人、ペットは1匹しかプリントしてないっすからね。」

    「にゃー、にゃー」

    ちょっとアニメキャラっぽいネコが俺にすり寄ってくる。

    「かわいいねぇ。」

    頭を撫でながら、ココロにもないお世辞を言う。

    ジー、チッチッチッ、ジー、カラカラ…

    アンドロイド基本形は、俺そっくりにプリントされていく。
    これで、俺も資本家だ!
    この俺様クローンに仕事をさせて、俺は趣味のゲームやアニメ三昧だ!
    うちのような小さな事業所はまだ手作業が多い。
    そこにこいつを投入すれば、俺は働かずに給料だけもらえる算段だ。

    俺様そっくりに完成したアンドロイドを見てホレボレしていると、お隣さんは、

    「それじゃ、性格インストール機器も貸しましょうか?」

    と言ってくれた。

    (しめしめ、思ったとおりだ。これで機器を買わずに済む)

    心の中でVサインをする。

    「ありがとうございます。助かりましたよー。」

    手はVサインじゃなく揉み手気味である。

    俺は結構、こういう要領がいい。

    だから俺のクローンは、かなりよい働きをするに違いない。
    …ただ、俺にはちと怠けぐせがあって、そこまで似たら問題だ。
    よし、性格設定をいじって「超真面目タイプ」に変更だ!

    俺様アンドロイドは、無事完成した。

    やはり想定通りのよい働きをする。
    今までの倍の作業をこなしたのだ。

    しかし、予想外の出来事が起きた。
    倍の働きだから、2倍のはずが、なんと、収入は、3倍になったのだ。

    というのは、俺様も一緒に働くハメになったのだ。

    同じ顔をした二人が黙々と働いている。

    なぜか、というと、俺様アンドロイドは真面目過ぎて俺が働かないことが許せないようだった。

    毎日毎日、説教を垂れる。

    そして、あの馬鹿力で俺を無理やり引きずって職場へ連れて行くのであった。

    お金はすごく貯まったものの、全然余裕時間が増えない。

    俺様のゲームも、アニメも、なかなか進まない。

    性格を調整しようか?と思ってお隣さんに相談しようと思った。

    「あのー、また性格インストール機器貸してもらえませんかね?」

    俺が言うと、隣人は答えた。

    「もういらないなら、早めにリサイクルショップに売ったほうがいいよ、って教えてくれたじゃないですか?」

    「いや、そんな覚えは…」

    すると、後をつけてきたクローンアンドロイドがニヤリと笑った。

    「ああ、それ俺ですよ。要領よく立ち回れって、インストールされたもんでね」
    当分、俺は労働を続けるしかないようだ。

    #創作大賞2026 #オールカテゴリー部門   #SF小説  
    #SF #ショートショート #ブラックユーモア #アンドロイド #クローン

     
     
    60代主婦。日々のこと、子育ての思い出、ちょっとした気づきや過去の記憶をエッセイに。 小説や短歌などの創作も楽しんでいます。 株式投資では一喜一憂しながら勉強中。 AIとあれこれ話しながら、今日も楽しく書いています。

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