
【スリランカを走る】#11 人と出逢い、別れてゆく
こんにちは。
Norith(のりす)です。記事を手にとってくださり、ありがとうございます。
スリランカを折り畳み自転車で一周した旅の記録を連載中。現地で書いた日記をお届けします。
春、早めの桜も咲き、暖かくなってきましたね。
なのに、全く旅記事の更新が続いてない。
あぁ、大学が始まる。オワッタ☆
えぇい、どうにでもなってしまえ。
そうぼやき、渋々キーをカタカタと打つ。
<Norithってどんなnoter?>
旅×UL×ミニマルの発信者
“軽さ”は僕らを豊かにする。 バックパック一つだけで、どこへだって行ける。どこでだって生きていける。
そんな、軽やかに地球を旅する遊牧民
-Ultra Light Nomad-になろうとする19歳、青二才のnote。
2026年2月。折り畳み自転車でスリランカを一周

東海岸を走る
11日目:キリノッチ→プルモッディ
朝、かなり心地よく目覚める。
喉もマスクのおかげか痛くないし、鼻水も全然大丈夫。おぉーよしよし。
民間療法をぎょうさん試しすぎてどの効果なのかわからない。
しかしこれで前に進めるのだ。それだけが嬉しいのだ。
音楽で目を覚ましつつ、荷物を整える。
階下へ行くと、受付のお兄ちゃんはフロントのソファで気持ち良さそうに寝ている。僕は真夏のサンタクロースになったつもりでそろりそろりと近づく。声をかけると、ガバッと起きてすぐにネックピローを外し、臨戦態勢のスマイル。惚れるぜ、そのプロフェッショナル。
感謝を伝えて、朝焼け染まるキリノッチへと出陣。

南のバスターミナルへ行き、おばあちゃんとしばし並走。若いお姉ちゃんがよかった、と言ったら殺されてた。
バスターミナルの人(なんと若いお姉ちゃん)にプルモッディ行きのバスを尋ねると、道路向かいに行ってみろと言う。ウハウハとしながらそこに行くと、ただのバスの停留所で、やはり先ほどのバスターミナルへ行けと言われる。僕は彼女に平手打ちを喰らって立ち尽くすクズ男の気分になった。
ターミナルに戻り、聞けば7時45分に目的地へと向かうバスが来るらしい。今が6時40分。よし、腹ごしらえだ。孤独のグルメを脳内再生しながら、ターミナル近くの売店でロールスを2つ食べる。トマトソースがうまい。デザートに、あの甘いもちもち。どんだけ調べても名前が分からない。
君の名は。
さらに隣の店でチャイを注文。
出てきたあったかいチャイを、松葉杖おじさんの隣ですする。このおじさんも、紛争で戦ったのだろうか。とか思いながら、ずずっとすする。
朝って感じがして気持ちがいい。 小銭が足りないと言えば少しまけてくれた。みんな小銭は貰いたがらない。


7時を回った。
そろそろ動かねば。自転車を折りたたみ、輪行袋に入れる。おじさんが近づいてきて、最初はスリかと身構えていた。彼の視線や手の動きを凝視しながら、ノールックフォールディングをやり遂げる。いったい何が目的だこの男…と緊張していたら、ガクッと車体が傾く。すると男は、バランスを崩した自転車を支え続けてくれて、ビクトリノックスのナイフが落ちたらすぐ拾って渡してくれた。握手してお別れ。ええやつやないか。
輪行を終え、教えてもらった場所でバスを待つ。
学校へ行く15、16歳ぐらいの女の子たちがこっちを見てニコニコしているので、見返したらパーッと顔が明るくなり、はにかんで笑ってくれる。
来たぜ俺の時代。
写真まで撮られる。ピースやキュンのポーズを要求される。 お返しに撮ろうとすると恥ずかしそうに顔を隠す。あどけないなあ。私は日本人、ひいては東アジア人を代表して、モテた。
ともあれ、モテ期到来のままバスが来る。
人生で初めて、後ろ髪引かれる思いを体験する。
別のバスが作物の袋を踏みつぶしてしまい、場が一時騒然とする。素早くチャリを担いで最後尾に乗り、女の子たちに手を振ってお別れ。 初めは空いていたバスも徐々に人が増え、ぎゅうぎゅうに。





290Rsを払い、バスの兄ちゃん車掌2人、乗客4,5人らと仲良くなり、僕のことをダッドリ--友達--と言ってくれた。一人の英語を話せるおっちゃんが通訳して、みんなに話し、みんながドッと笑顔になる。一人一人と降りてゆき、握手やグーサインをしてお別れする。みんないい人たちだ。生き方がカッコいい。
バスでは、子持ちの女性や老人を見ると、何も言わずに席を立つ。日本ではその前に「どうぞ」とか「座りますか?」が入るが、ここでは無言。むしろ彼らが乗る前に立って開けておく。かっこいい優しさだ。次々と乗客が入れ替わる中、ずっと一人最後尾で座ったり、たまに譲って立ったり。 おじさんに席を開けたら、「ナンッリ-ありがとう-」って言ってもらった。
外を見つめながら、ようやっと北東の街ムッライティーヴにたどり着いた。 バスの兄ちゃんと別れを告げ、日陰に入ってチャリを組み立てる。バス待ちおじさんや、トゥクトゥクおじさんの 注目を集めながら、マグロの解体ショーならぬチャリの合体ショーを進める。 完成したら、みんな笑顔に。



そして、満を持して、プルモッディへ出発。
追い風に乗っているから、体と脚と心が軽い。しかし調子に乗って進みすぎ、内陸に入りすぎた。 少し戻って、また南下を進める。 ジャフナよりも人々が笑ってくれるようになった気がする。
こちらが笑えば、あちらも笑ってくれる。 紛争のど真ん中だったこの土地で、人々は今も生き続ける。笑顔で、熱く、燃えている。 ここには恐怖などどこにもなかった。
湿地帯が多く、湖や池が豊かに点在し、鳥類保護区にもされている。 道にはフォンバという作物が片道に広がっていて、農家さんらが乾かしているのだと思う。 足やくわで伸ばし、日光に当たる面積を増やす。 しっかし、なかなか途方もない作業に同情してしまう。 農村の人々は必ずと言っていいほど元気に挨拶をしてくれる。 そしてそれが力になる。しばらく漕ぎ続ける。



太陽の熱光線が最高潮に達し、シャツに真っ白な塩が噴き始める。
分岐点にたどり着き、軍人の人にプルモッディへ行くのはどっちかと聞く。 当初予定していた内陸からのアプローチは必要なく、船で行けるよと教えてくれたので、そのまま海沿いを走る。
漁村に着き、知らない道端の家族とともに立ち往生。
同じくラグーンを渡りたいバイクの二人組がやってきて、ついてこいと言われ、細いビーチの道を走る。 やがて船が来て、バイク、自転車、男三人が乗船。船はマングローブ、林に囲まれたラグーンを抜けて行き、すぐに対岸へたどり着く。上陸後、500Rsと言われ、興奮そのままに支払う。
そうして一人になり、考えた。
チャリ、バイク、三人の男。 そういえばあの2人がお金を出すシーンが全くと言っていいほどなかった。これはやられたと思った。 船の上で話していたことは、もしかすると、僕にすべてお金を払わせる算段を話していたのかもしれない。
悔しくて、それ以上に悲しかった。
現地語で話せば、僕にはわからない。船の上でどんな会話をしていたか、想像するだけで、悲しくてやりきれない。





もやもやしたままチャリを漕ぎ、プルモッディに着いた。マンゴー農園チックな宿はおきれいで、天井も高く、エアコンもあって最高だ。
外を歩き、学校の青年と仲良くなり、写真を撮る。
シャム君は17歳なのにひげが立派だ。息子が日本で働いていているというおじさんに話しかけられ、そのおじさんを経由に息子さんと電話をする。息子さんの 日本語が下手すぎてコミュニケーションできなかった。おじさんは上機嫌にチョコミルクをおごってくれた。サンキュー。


快活な若者。ワシもか…



ガソリンスタンドの兄ちゃんが声をかけてきて、写真を撮る。
パン屋でエッグパンとシュガーパン、オレンジジュースとロールスを買って、部屋で豪華なジャンクフード祭り。お腹いっぱいになったぜ。背徳だぜ。太るぜ。早死にだせ☆
宿のオーナーさんの兄弟が日本で飲食店をやっていて、日本語も上手だった。
いろいろな人と出会って、別れていく。
高い天井を見つめながら、家族と、大切な人、記憶を遡る。
窓に雨粒が激しく当たり始めていた。

次回予告
「#12 地元漁師とのフィッシュBBQとライチ酒38%」
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
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今後もしばらく、スリランカ旅の記事を連載します。
人と出逢い、別れてゆく。時には複雑な思いを抱きながら。
でも、そんな刹那々々が、今の僕だけの宝かなと。
次回もお楽しみに。
優しすぎる漁師と、獲れたての魚でBBQしちゃいます。
そんじゃまた、世界のどこかで。