
威厳のある人
久々に出会ってしまった人がいる
懐かしさが滲み出す
忘れていた父のこと
私は父が怖かった
何かあったらすぐ不機嫌になる
それでも心の内では父を尊敬していた
やさしい母と厳しい父
母も父が大好きだった
いつも父を求めていた
今はただ父を求めていた母の愛しみを私も感じている
父がいなくなってから
私は頭の上の重しが取れた気がした
何でもお見通しな父だから
ふと気がついた
それはお師匠さんのご主人であるタツ先生
お茶のお稽古はやさしく教えてくださるが
生き方の間合いが滲み出る厳しさを持っている
包み込むように教えられてるはずなのに
ピリリと痺れる男らしさ
あゝ、これだ
父と同じ雰囲気を
そうか父も威厳のある人だったんだ
そのことに思い至ってから私は父の遺影をみて
いつもいつも「威厳のある人」とつぶやいている
男の威厳
分からぬものを感じている