
お猿はセットで
むっちゃんが
「お茶のお稽古はいつですか」
とラインでしっかり頻繁にお師匠さんに聞いている
お稽古をしたいのか、それともお師匠さん家まで玄米を運びたいだけなのか分からない
その玄米は華さんに頼まれたもの
華さんのお店で特別なお客さんに使うもの
お師匠さんの家から華さんのお店は近いから、むっちゃんはそこまで届ければ良いと思っていた
でもマグロのようなお師匠さんは忙しい
華さんのお店で特別なお客さんにお出しすることになると玄米は炊く三日前からお水に浸けて置く
私の予測ではおそらくそれまでにはお稽古は出来ないだろう
そうしたらやっぱりその通り…
仕方がないとむっちゃんは華さんのお店まで玄米を届けにゆくことになる
お師匠さんのお稽古が出来る日とむっちゃんの都合が合わない
そこで何故かとってもお暇な私にだけお声掛けがある
「かなちゃんだけでもお稽古しましょう…」
「えっ、私一人ですか…」
それはそれでうれしいけれど
あのむっちゃんがいないお稽古はちょっとさみしい
「個性が強い」と言うと
「弱い弱いむつこなのに」と咄嗟に返って来る
私には何が弱いのか分からない
弱くない、やさしさだ
やさしさは強さでもある
当人には全く自覚はないらしいが
甘え上手なむっちゃんだ
美味しいおかずもいっぱい作る
今は蒟蒻の糠漬けにハマっている
相変わらずむっちゃんだ
やっぱりお猿はセットでなければ…