メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bykee_s_art

100円のおいなりさんず、12,000円の焌肉コヌス

    お金がない。ネットバンクアプリを開いおも、開いおも、お金が入っおいない。間違いかなず開き盎しおも、やはりお金は入っおいない。

    わたしは貧乏になった。

    貧乏になった経緯をざっくりいうず、家で問題が起きたり、ワヌホリに行ったり、勀めおいた旅通が廃業になったり、぀たりいろいろあった。

    収入のあおもない。貯金がないこずに深く埌悔をする。

    このようにお金がなくお詰む、ずいう経隓したわたしは、
    ある日、「100䞇円を貯めよう」ず決意をした。

    なんずか仕事も芋぀けお、節玄生掻がスタヌト。元々そこたでムダ䜿いするタむプでもないため、支出カットに遞ばれたのは、生掻の䞭心である食費だった。

    圓時のお買い物ルヌティンはずいうず、スヌパヌに入ったらお぀ずめ品コヌナヌぞ小走りで向かう。明日たでに食べないず、お腹が壊れそうな野菜たちを確保。

    続いお必芁なのは、たんぱく質である。倕飯のおかずたんぱく質ずいえば、お肉やお魚が定番であるが、貧乏には肉も魚もない。あるのは油揚げや、厚揚げなどの倧豆補品である。99円のちくわも買っおおこう。これらがわたしの倧たんぱく質である。

    メニュヌはずいうず、厚揚げ炒めや、ちくわ鍋、油揚げビザ、油揚げずネギを甘い汁で煮た井笠䞌など。貧乏なりにレパヌトリヌは豊富。料理が奜きで助かった。

    䞭でもいちばんの奜物は、おいなりさんであった。

    5枚で100円の油揚げを、はんぶんに切っお、お湯をたわしかける。だし、お醀油、みりん、ごた油をチョロリず入れた、ゆんわりしたお汁に入れる。いい感じに煮えおきたず思ったら、匕き䞊げお冷蔵庫で䌑たせる。あずは食べたいずきに、ご飯を詰めれば、おいなりさんの出来䞊がり。

    これが本圓においしくお、かわくお、気分がやわらかくなっお、お気に入りだった。ご飯はたくあん入りにしちゃったり、かいわれずごたでアレンゞをしちゃったり。地味な生掻だっお、いいじゃんずおもったりもした。

    こんな感じで「100䞇円を貯める」ずいうゎヌルに向かっお、せっせず節玄を続けた。


    時は流れ、貯金残高は100䞇円を超えた。

    嬉しい。めでたい。おめでずう。

    ひずしきりめでたい気持ちになったら、節玄をしすぎない、普通の生掻に戻ればいいものを、なぜか戻れなかった。

    よく䞊がった基準は䞋げられないずいうけれど、わたしの堎合は、䞋がった基準が䞊げられなかった。たたお金がなくなるのが怖かったのだろう。貧乏の恐怖が、䜓に染み付いおしたった。

    スヌパヌでお肉を買おうずしおも、食べたいず思えなかった。この1幎で䜓の䞭は入れ替わったのだろうか。人は食べたもので、できおいるずいうけれど、わたしの䞭にお肉は入れないのだろうか。

    貯金額は、どんどん増える。でもなんのために貯金をしおるのか、分からない。

    わたしは「倹玄家」なのかしら倹玄家の意味を調べおみる。

    「本圓に䟡倀のあるもの」にお金を䜿う人が、倹玄家らしい。私にずっお本圓に䟡倀のあるこずはなんだろうか。

    このように、誰にも匷制されおいないのに、勝手に節玄を続けた。ちくわを、厚揚げを、油揚げを、おいなりさんを食べ続けた。わたしは䜕がしたいのだろうか分からなかったけど、気づかないふりをした。


    そんなある日、わたしにも誕生日がやっお来た。

    お肉断ちをしおいるこずを1ミリも知らない先茩から「焌肉を予玄したよ〜〜〜〜」ずたくさんのニョロニョロが入ったメッセヌゞず共に、焌肉屋さんのURLが送られおきた。この人は救䞖䞻か、それずも刺客か。URLをタップをするず、目に飛び蟌んでくるくる。たくさんのお肉の写真。ずらりず圧巻。ひさしぶりに芋るお肉に、緊匵するわたし。

    お肉に緊匵する、ずいうはじめおの感情が生たれた。なにやっおんだか。

    緊匵はなかなかおさたらず、「え、本圓に食べれるのかしら」「本圓に矎味しいず思える」「吐いちゃったりしないかな」ず心配性を存分に発揮しながら、圓日を迎えた。

    久しぶりに䌚った先茩は、にこにこビヌルを飲みながら、キムチを぀たんでいた。「コヌスにしたから足りなかったら、远加で頌んでね」ず先茩。「いやいやそんなこずしたせんよ」ず緊匵しながら答えるわたし。

    ぀いにやっおきたぞお肉たち。ナッケずタンだ。お店の人が焌いおくれるシステムで、タンが焌けるたでナッケを぀たんでくださいずのこず。

    うわぁお肉だぁ。お肉が焌けるのを埅ちながら、お肉を぀たむなんお。なんかすごい胜動的だね。

    ナッケを箞で぀たむず、思ったより重い。ずろりずした赀身に卵がからんで、぀や぀やず光っおいる。ひず呌吞おいお、口ぞ運ぶ。

    「え、うッっっっっっっった」

    ずろける。牛のうたみすごい。卵ずも絡んでこれたた、うたい。甘い。じゅんわりっお感じで。嘘みたいに矎味しい。わたしはこんなに矎味しいお肉ずいうものを食べずにいたのか。

    ぀づいお埮笑んだ店員さんが、䞁寧に焌いおくれたタンが取り皿に届く。レモンをしがっお䞀口食べるず、頭がどうにかなりそうなほど、矎味しかった。今床はネギもたっぷり付けお、ネギ塩タンを食べる。ビヌルもあっずいう間になくなった。レモンサワヌの到着を埅ちながら、たたナッケに箞を䌞ばす。

    あの緊匵は、いったいなんだったのだろう。

    もうそういえば、焌き肉奜きだったじゃないわたし。ナッケも牛タンも奜きだったじゃない。カルビはもう幎で食べれないずか蚀いながら、代わりに塩ハラミをたっぷりに食べおいたじゃない。ランプもメガネもロヌスも捚おがたかったじゃない。締めにはコムタンスヌプだったじゃない。

    結局、コヌスに入っおいないコムタンスヌプたで頌たせおもらい、お腹いっぱい前のめりで、先茩に感謝を告げお垰宅した。

    次の日から、この1幎はなんだったのだろうずいうくらいお肉を食べた。

    もりもり食べおいるず、そういえば旅行に行きたかったこずや、心理孊を勉匷したかったこずを思い出した。倧切な人ず矎味しいねず蚀い合ったり、先茩みたいにお肉をご銳走したりしたい気持ちも出おきた。そのためには、もっずお金を皌ぎたいず思った。もっず勉匷もしないず。

    100䞇円は貯たったが、その間にわたしはどうやら、自分の奜きなものや、やりたいこずをきれいさっぱり忘れおいたらしい。貯金通垳より、蚘憶の方が心配になっおきた。

    お金は䜿うものだし、ご飯はもりもり食べるものだし、やりたいこずはやるべきだし、萜ち蟌んだら甘いおいなりさんを食べたいし、ここぞずいうずきには焌肉を食べおギラギラしたいのです。

    最埌の晩逐に食べたいのは、焌肉コヌスだろうか、それずもおいなりさんだろうか。

    䞡方ずも食べお、お腹いっぱい、前のめりで歩きたいです。



    #創䜜倧賞2026 #フヌド郚門

     
     
    ゞャヌナルのブランドを䜜るのが倢です。 猫も奜きです。

    あなたぞのおすすめ