
みょうががうまい。
「大人になったら美味しくなるんだってコレが〜!」
と言われたのは新卒時代だったか、もはや時効の大学1年生のときだったか。
それからもうすぐ20年経とうとしている今でも、私にビールは美味しくない。
去年、初めてみょうがを買った。
6月から信じられないくらい暑い日、さっぱりした梅味を望むのと同じように自然とみょうがを手に取った。
実家でわんさか持て余しまくっていたあれを、たった3つだけぽっちに200円も払う日が来るなんて。
大人になったなあ。
刻んで鰹節と醤油と和えただけのものを見て「美味しそう」と思える自分にしみじみする。
ああ、大人になったなあ。
目に見えたものを反射的に口にする夫が食卓をみて「お、みょうが」と言う。
「食べたくて」とニマとする私。
いただきますをして、新しいメニューに最初に箸を出してくれる夫は優しい人だと思う。
「うまい〜!みょうがだ〜!」
とむしゃむしゃする夫に続けて私もむしゃむしゃして、顔を見合わせて
「「みょうがを美味しいとかいってる!」」
とニヤつく。
「「おとなに、なったねえ〜。」」
家買っちゃった!
車買っちゃった!!
娘さんの習い事の発表会〜!?
「ねえウチら今めっちゃ大人じゃない?!」なイベントを迎えるたびにヒィィ!とニマニマする、私たち2人だけのムーブ。
みょうがだって!
おっとな〜!
今年の6月は暑さが緩やかでも、夏に向けて身体や口や舌がさっぱり夏の味を求め始める。
数時間後の「大人になったね〜」を想像してニマニマしながら、私はみょうがを刻む。