
Specimen No.002 青の折り紙ばら
この花は、永遠を形にできると思って折り始めた。
枯れない花、変わらない形。
そう思っていた。
けれど、制作の途中で、
私の中に沈んでいた"扱えない感情"が
静かに浮上してきた。
言葉にすると崩れてしまうもの。
触れるにはまだ早すぎる温度のもの。
それらは、
気付かないうちに、色と形として現れていた。
青は、冷たさではなく、
「凍結」という行為の色だった。
その時の私は、
感情をそのまま抱える事ができず、
紙の繊維に落とし込んで、
そっと冷凍庫にしまうように折った。
完成した花は、永遠ではなく、
凍らせた時間の標本になった。
あの時は、
名前を与えられなかったものがある。
時間を経て振り返ると、
あの青は永遠の色ではなく、
凍結という行為の色だったことに気付く。
この標本には、
当時は名前が与えられなかった時間が、
色と形のまま残っている。