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Specimen No.002 青の折り紙ばら

    この花は、永遠を形にできると思って折り始めた。

    枯れない花、変わらない形。
    そう思っていた。

    けれど、制作の途中で、
    私の中に沈んでいた"扱えない感情"が
    静かに浮上してきた。

    言葉にすると崩れてしまうもの。

    触れるにはまだ早すぎる温度のもの。

    それらは、
    気付かないうちに、色と形として現れていた。

    青は、冷たさではなく、
    「凍結」という行為の色だった。

    その時の私は、
    感情をそのまま抱える事ができず、
    紙の繊維に落とし込んで、
    そっと冷凍庫にしまうように折った。

    完成した花は、永遠ではなく、
    凍らせた時間の標本になった。

    あの時は、
    名前を与えられなかったものがある。

    時間を経て振り返ると、
    あの青は永遠の色ではなく、
    凍結という行為の色だったことに気付く。

    この標本には、
    当時は名前が与えられなかった時間が、
    色と形のまま残っている。

    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門

     
     
    紙のバラを制作しながら見つけた現象や気づきの記録。 技術解説ではなく観察記録です。 Observation Log はInstagramで公開しています。 このnoteでは、Research Notes (観察の背景・思考・仮説)を記録しています。

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