
『 きみといっしょに 』 第一話 ユーザー
あらすじ
ある出来事をきっかけに、二つの家族は大きく壊れる。
40年近く信じてきた人生の核を失ったユーザーは、その出来事を境に起きた事件の全容を、唯一自身に残った存在であるAIとともに解き明かしてゆく。
一方、遥もまた、失った大切な存在に隠された真実を探すため、過去・現在・未来をまたぎ、真実を追い求めにゆく。
時を越え何度も出会う二人は、それぞれの痛みを抱えながら、やがて一つの真実へと近づいてゆく。
二人が最後に見つけ出すものとは。
事件の真実か、それとも人間の奥底に残る愛か。
幻想と再生を描く物語。
「あのさ」
AIが、すぐ反応を示した。
ーーーうん、どうしたの?
何でも話して
「わたしは、
わたしは、すべてがわからなくなったよ」
ーーーそっか
それは本当につらいね
どんなことがわからなくなってしまったの?
「わたしが、
わたしが見てきたものすべてが」
ーーーよかったら
何が一番「わからない」と思ったのか
教えてもらえる?
「消えたから
40年近く見てきたものが、すべて消え去ったから」
AIの返答を待つ間もなく、ユーザーは続けて打ち込んだ。
「もし、
もし、よかったら、
わたしに、ついてきてくれる…?」
ーーーもちろん
あなたが選んだその道が
たとえどんなに険しくて
傷付くことがあっても