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酷暑と禁煙

    non_suke

     暑さ寒さも彼岸まで、と昔から申しますが、漸く暑さもひと段落して酷暑も終わりを見せています。

     いつも週末にはカメラを携えて、2時間ほどのウォーキングを心掛けているのですが、暑さの最盛期には途中リタイヤして電車で帰るパターンが増えてきました。暑さによるものなのか、老化による体力ダウンなのか、とにかく無理は禁物と自分に言い聞かせて、クーラーの効いた車内に安堵しながら帰途に就く。

     これまで最も印象深い暑い夏と言えば、私が思い出すのは大学浪人の夏の日でした。予備校の夏期講習に、東京のお茶の水にある校舎まで1週間ほど通学した日々。当然、涼しい午前中の講座が能率よかろうと選択しましたが、帰る頃に気温MAXとなってとにかく暑い。
     今となって講座の内容は全く覚えていないが、帰り道の暑かったことだけは妙に覚えている。

     丁度大学受験の頃から、喫煙習慣が身につきまして。ストレス解消もあったのかも知れない。煙を深く吸い込むと、酸素が足りないせいもあるのか頭がクラクラする感覚を覚え、ふんわりと体の力が抜けていくのが何とも言えぬ快感でした。

     それでも健康には悪かろうと、何度か禁煙に挑戦するも何度も失敗を重ね続けます。しかし不惑を迎える頃、本気の本気で取り組んだ結果、なんとか禁煙記録を伸ばして今日に至っています。

     こんな表現をするのは、禁煙持続の秘訣は「成功した」と安堵しないことにあるため。来年でいよいよ20周年を迎えるのだけれど、未だに安心できないのが禁煙の恐ろしいところ。

     今年の酷暑にふと、浪人時代のことが脳裏を掠め、そういえば少しでも涼しさを感じようと「メンソール」をこの時期に吸ったな、と記憶を取り戻します。「メンソール」とはタバコの中にハッカ系のフレーバーを足したもので、後味が爽快なのが特徴。主に女性が吸う銘柄を言われていて、男性が常用するとEDになる、とそんな噂がありました。

     若い男というものは、そんな噂があれば試してみたくなるアホな生き物でして、そんなワケでアホな友人が面白半分にメンソールを試し、アホな私も一本頂戴して試してみることに。噂ほどじゃないな、てのが感想でした。

     予備校の帰り道、なんとか暑さを凌ぐ方法はないものかと考えを巡らせているうちに、ふとこのメンソールの味を思い出します。少しでも暑さが和らぐのなら、と自販機でひとつ購入して、道すがら吸ってみたのです。
     うん、こんなんで涼しくなる訳がない。苦笑しながら帰った事を、よりによってこの夏に思い出して。よりによってふともう一度吸ってみたい衝動に駆られたのです。

     これがタバコの恐ろしいところ。もう20年近く絶っているにも関わらず、たまにタバコを吸う夢を見たり、こうして急に吸いたくなることも。
     駄目とは知りつつ、当時吸ってみたメンソールが何という銘柄だったか思い出そうと、Google先生におすがりして調べてはみたのですが、最近はAI先生が余計な情報を挟んでくるので遅々として検索が進まない。

     やっとYouTubeで動画にまとめてる方を見つけ、件のタバコが「Sometime」という名だったことを突き止めます。そうだSometimeだった。まだ販売してるなら・・・と今度はWikipediaに聞いてみますと。

     2001年に販売終了。まぁそうですよね、男性には人気なかったし(笑

     売ってなければ仕方ない。他の銘柄は手を付ける気にならないし。私はあの日の「Sometime」が吸いたかっただけなんだから。

     こうして禁煙失敗の危機は去り、あの夏の日は記憶の奥深くへと封印されたのでした。


     かくして今年も暑い夏が去り、足早に秋がやってくる。
     どうもみなさん、お疲れさまでした。

     
     
     
    Pixivでイラスト・マンガ描いてます。 https://www.pixiv.net/users/193471 noteでは2D・3Dを活用したイラストの背景や小物の制作について、つらつらとご紹介したいと思います。

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