メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byalinco_life

【第527回】 Marketing Cloud Next : Salesforce レコードデータプロバイダー

    Nobuyuki Watanabe

    Marketing Cloud Next Growth & Advanced Editions の Summer '26 新機能リリースでは、「Salesforce レコード」という新しいデータソースを利用した差し込み項目が追加されました。

    ※ Record Data Provider(レコードデータプロバイダー)と呼ばれます。

    画像

    こちらの機能ですが、実際に、セグメントフロー、リストフロー、レコードクエリフローなどで検証してみたところ、当初想像していたものとは少し異なる挙動をしていたため、共有しておきたいと思います。


    最初に抱いたイメージ

    私が最初にこの機能を見たときは、「Salesforce のレコードを利用して、自由自在に顧客ごとのパーソナライズができる強力なデータソースが登場した」と思いました。

    しかし、実際に利用してみると、そのイメージは大きく変わりました。


    実際の挙動を検証してみる

    この機能は、Salesforce レコード内の特定項目について 「最終更新日時が最も新しいレコードの値」 を取得する仕組みになっています。

    そして、その値は送信対象者ごとではなく、全員に対して共通で表示されます。

    例えば、一旦、Lead オブジェクトの First Name を差し込み項目として利用してみます。

    • 1 つ以上の検索条件を設定する必要があります。

    • 複数の条件を設定する場合は、AND 条件のみです。

    画像
    画像

    もし最後に更新されたリードの First Name が「Nobuyuki」であれば、メールの送信先が誰であっても、全員のメールに「Nobuyuki」と表示されてしまいます。

    画像
    画像
    全員が First Name = Nobuyuki で届きます

    顧客ごとのパーソナライズには利用できない

    使い方を誤ると、誤った顧客名を全員に表示してしまう危険性があります。

    そのため、顧客ごとのパーソナライズを行いたい場合は、従来どおり以下の方法を利用する必要があります。

    • データグラフ

    • コンテンツ変数

    • Apex


    この機能を活用できるケース

    では、この機能はどのような用途で活用できるのでしょうか。

    私が考えたユースケースの一つは、CRM 上で 1 レコードだけ管理している共通情報をメールへ差し込むケースです。

    例えば、システムメンテナンスのお知らせ日時です。

    • メンテナンス開始日時:2026 年 7 月 1 日 22:00

    • メンテナンス終了日時:2026 年 7 月 2 日 5:00

    • お知らせのタイトル:システムメンテナンスのお知らせ

    画像

    通常であれば、メンテナンス日時が変更されるたびにメールコンテンツを修正しなければなりません。

    しかし、この情報を CRM のレコードとして管理しておけば、CRM 側の項目を更新するだけでメール側へ反映できます。

    画像
    画像

    いわば、AMPscript の Lookup 関数のような使い方 です。

    画像

    CRM のデータを入れ替えます。

    画像

    メールの内容が簡単に切り替わります。

    画像

    「最新レコード」とは限らない点に注意

    ただし、この用途でも注意が必要です。

    例えば、「最新セミナー開催日」のような情報を複数レコードで管理している場合、この機能にはフィルター項目こそありますが、特定項目でのソート機能がありません。

    そのため、本来は過去のセミナー情報であっても、誰かがそのレコードを更新してしまうと、そのレコードの最終更新日時が最新となり、メールには古いセミナー情報が表示されてしまう可能性があります。

    つまり、この機能は、

    「最新のレコードを取得する機能」ではありません。
    「最後に更新されたレコードを取得する機能」です。

    この違いは非常に重要です。


    いかがでしたでしょうか。

    正直なところ、現時点では活用方法がかなり限定される印象を受けました。

    ただし、

    • 全員共通で利用する値を管理したい

    • メールコンテンツを編集せず CRM 側で管理したい

    • 単一レコードの設定情報を参照したい

    といった用途には活用できる可能性があります。

    今後、この機能ならではの優れたユースケースが見つかったら、改めてご紹介したいと思います。

    今回は以上です。


    次の記事はこちら

    前回の記事はこちら

    私の note のトップページはこちら

     
     
     
    Salesforce Marketing Cloud、Agentforce、Data Cloud、Salesforce 認定資格に関する実践的な情報を発信しています。これらの記事が、皆さまの学習や日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。