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空が広い街

    2年前、千葉に引っ越しをするまでは東京の東側、空が広く水辺の多い街に住んでいた。

    その物件を選んだ決め手は、ドアの前に広がる空の広さと遠くに見える高層マンション群の景色、涼しい風の肌触りだった。

    久しぶりに昔の写真の整理をしていたら扉の前の景色が幾度となく出てきて、懐かしさに浸っていた。

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    昔はよかったと口にすることはほぼない私とは逆に、母はよく口にする。気持ちは分からなくもないけれど、戻れるわけではないから言っても無意味、と割り切ってしまう。

    それに、母からその言葉を聞くと「今が良くない」という憶測を勝手に抱いて責められている気分にもなってしまうから好きではないようにも思う。

    でも、昔の話をしている母の顔はとてもにこやかで、決して今の不満の鬱憤を晴らすため(そういう場合もあるけれど)話しているわけではないと考えたら、私もただ楽しかった昔の話を思い出し、昔はよかったと思える一つは、以前住んでいた場所から見えたこの空だ。

     
     
    若い頃に身近な人の死別を経験、自殺防止・死別による悲嘆を経験した方のサポート活動、SNS相談員、産業カウンセラー。 「グリーフケアを身近に わかち合いを手元に」をモットーにポッドキャスト「喪失感は、突然に」を配信中。

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