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木魚感想文 #毎週ショートショートnote

    五条咲夜(北海道reamer)

    「ポク、ポク、ポク…」
    木魚の音が、彼女の心をそっと叩いているように感じた。
    「お寺、行ってみない?」 放課後、彼女がそう言ったのは突然だった。
    理由を聞くと、少しだけ迷ってから答えてくれた。
    「おばあちゃんが好きだったの。木魚の音、落ち着くって。」
    彼女のおばあちゃんは、春に亡くなったという。
    その話をする彼女の声は、風に揺れる鈴みたいにかすかだった。
    本堂の隅に並んで座り、読経が始まると、彼女は目を閉じた。
    僕は木魚の音に耳を澄ませながら、彼女の横顔を見つめた。
    静かな時間が流れる。
    「ねえ、木魚って、心の奥に届くよね」 帰り道、彼女はそう言った。
    僕はうなずいたけど、心の中では別の音が鳴っていた。
    彼女の言葉、彼女の沈黙、そして僕の言えなかった「好きだ」という一言。
    彼女はその数日後、転校した。置き手紙には「ありがとう」とだけ書かれていた。
    夏休みの宿題、「印象に残った音について書きなさい」
    僕は木魚を選んだ。
    「木魚の音は、誰かを思い出す音だ。
    静かで、優しくて、少しだけ切ない。僕はその音に、言えなかった気持ちを重ねた。」

    先生には、ただの音の感想文。でも僕にとっては、心の感想文だった。

    (488字)

    #毎週ショートショートnote
    #木魚感想文
    #左右研究

    たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました!


     
     
     
    音楽も物語も、すべては“好き”からはじまる。 北の空の下から届けます。 ——雑食系クリエイティブブログ、はじまります。

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