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【フフン賞】#毎週ショートショートnote

    五条咲夜(北海道reamer)

    町内会に、奇妙な賞がある。
    その名も「フフン賞」。

    由来は不明だが、毎年一人だけ表彰される。
    表彰状にはこう書かれている。

    ――「なんとなく鼻で笑いたくなる功績をたたえて」。

    今年の候補者は三人だった。

    一人目は、町内の自販機の当たりを三回連続で引いた男。
    二人目は、カラスに三ヶ月間ずっと帽子を狙われ続けた主婦。
    三人目は、リモコンを探していたら冷蔵庫から見つけた会社員。

    どれも微妙だが、確かに「フフン」と言いたくなる。

    審査の結果、受賞したのは三人目の会社員だった。
    会場からは、控えめな拍手と、ちょっとした鼻笑い。

    壇上に上がった彼は、誇らしげに表彰状を受け取った。

    「正直、もっとすごい賞を狙ってましたが……」

    そして一度、鼻で笑った。

    「フフン」

    その瞬間、会長がマイクを握った。

    「おめでとうございます。今のが決め手です」

    実はこの賞、功績ではなく――
    一番うまく「フフン」と言えた人に贈られるのだった。 

    (391字)

    たはらかにさんの企画「#毎週ショートショートnote」に参加させていただきました!


     
     
     
    音楽も物語も、すべては“好き”からはじまる。 北の空の下から届けます。 ——雑食系クリエイティブブログ、はじまります。

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