
【エッセイ】詩の構造を考える。だらだらと
詩をかくとき、その詩が構造として破綻していないことは、とても大切だと思います。
僕が言っている構造とは、形式がどうこうとか、韻が踏めていて整っているとか、そういう事ではありません。がんばって、詳しく説明しますね。
前提として、詩の種類を復習
詩には色んな種類があります。ほんとにざっくり説明すると…
言葉の使い方で分類すると、
・口語詩(話し言葉でかかれたもの)
・文語詩(昔の書き言葉でかかれたもの)
形式で分類すると、
・自由詩(特に音数や行数に決まりがない)
・定型詩(音数や行数に決まりがあるもの、俳句や短歌等)
・散文詩(文章を書くときと同じように書かれたもの)
と言ったふうに分類されますよね。小学校や中学校で習ったと思います。
この中でも、僕が今回語りたいのは、口語自由詩、または口語散文詩についてです。まず、これだけハッキリさせてください。
ルールが無いと、共感しづらい
これらの詩は、他と比べてとても自由です。しかも、小説や論文では無いですから、起承転結とか、序論本論結論とか、そういう制約(?)も現代ではもはや、ほとんどありません。
ルールが無いということは、それだけ共感してもらいにくいということです。読み手の感性に委ねる部分がとても多くなるので、万人にウケる名作というのは、まず産まれないのでは無いのでしょうか。ただ、その分誰かにとっては、ルールに縛られたものよりもより深く共感して貰えるものであることも確かです。
だからこそ、僕は詩をかくときに、自分でこれは良い、とか、これはダメだ、とか、そういう判断基準を必ず作っています。それは、誰かがそれに従ってかく訳でもなく、自分だけのものなので、一般化する必要はありません。
実際にかいてみる
例えば、
消息を絶った赤とんぼ
夕日に消えて
私の血潮は燃えて
そのかわいいぷくっとしたほっぺたを紅くして
怒った
という詩を書いてみたとします。
そして、振り返る時に、判断基準をつくります。今回は、
・リズムが良いか
・調子が単調でないか
・見えてくる色が美しいか
とします。どれも感覚的すぎてどう評価すればいいかわからないと思いますが、誰かがこのルールに従って作る訳でもないので、これでいいのです。自分さえ分かってればいいのです。
決めたら、それぞれについて評価していきます。
まず、リズムが良いか、ですが、悪いです。
「そのかわいい~紅くして」が前後と比べて長すぎます。また、最後の1文も短すぎます。
次に、調子が単調でないか、ですが、「夕日に消えて」から、3行とも「て」で終わっており、ただ状況を説明しているだけで、ひたすら説明した最後に何が来るかと思ったら、「怒った」だけ。これは、つまらないですね。
最後に、色が美しいか、ですが、赤とんぼ、夕日、血潮、紅くしたほっぺた、全部赤1色ですね。それも、統一感のない雑な赤色に感じます。美しいとは言えないですね。
こんな感じで、評価していきます。そして、もう一度手直しすると、
消息を絶った赤とんぼ
夕焼け、太陽に消えた
私の血潮も感化されて燃える
隣、そのぷくっとしたほっぺたを紅くして
怒りか、悲しみか、
染み入る
評価することで、より世界観が洗練されることはよくあります。前の詩は、語り手とぷくっとしたほっぺたをもった存在の関係があいまいでしたが、手直ししていく中で、隣に立っている小さな存在として思い浮かんで来ました。また、「消えた」→「燃える」という時間の流れも少し生まれて、より奥行きが生まれました。
評価基準は自分で決めていいですが、評価自体は厳格に。厳しめに、多角的に、審査員になったつもりで評価します。ここでちゃんとしないと、独りよがりなものになってしまいます。
構造として破綻していない、とはつまり
詩(に限らず、全ての創作物)は、自分が納得できるものであることがとても大切だと思います。そのために、評価基準という骨組みでその自信を固める必要があります。構造として破綻しているということは、その骨組みが不安定で、崩れてしまっているということです。
自分の中で、これは良い、と思える軸を持つことは、創作をしていく中で必要だと思います。そしてそれは、評価する過程が客観的であれば、ある程度自己満足で良いと思います。