
音楽を介すれば、「ありふれた日常」も「尊い記憶」になる
ある音楽を聴くと、思い出される過去がある。
聴覚版プルースト現象とでも言えるだろうか。
プルースト現象とは、特定の香りを嗅ぐことで、それに紐づく過去の記憶や感情が鮮明に蘇る心理・生理現象のこと。
過去付き合っていた人がつけていた香水の香りを嗅ぐと、その人との記憶が呼び起こされる、とかがよく引き合いに出されるが、そういった経験がある人は少なくないのではなかろうか。
この現象は、聴覚においても起こると思っていて、例えば高校のとき好きな人とGReeeeNのオレンジをよく聴いていたから、今でもオレンジを聴くとその頃の記憶が蘇る、とか(具体的すぎる)。
そういった経験はないだろうか?
先日、私の大好きなEXILEのライブに行った。EXILEを特によく聴いていた小学生時代の記憶が次々蘇り、懐かしいことこの上なく、この「聴覚版プルースト現象」とも呼べる現象について語りたくなって、今に至る。
ここで、需要があるかは置いておいて、私の聴覚版プルースト現象のいくつかを紹介したいと思う。
小学1年生の頃から、車の中でずっとEXILEが流れていたので、↓この辺りのアルバムの曲を聴くと、一瞬で小学生の頃に引き戻される。

「SUMMER TIME LOVE」とか「FIREWORKS」とかを聴くと、小学生の頃、学校終わりに母とショッピモールに行っていた時の車内の様子が目に浮かぶ。
GENERATIONSの「Make It Real」を聴けば、大学受験に向かう車中で、母と受験期を思い起こし2人して泣きそうになりながら送り出された記憶が蘇る。
Shawn Mendesの「In My Blood」を聴けば、大学1年生でまだ友達が少なかった頃、「友達欲しいなぁ」と思いながらバスの外の雨を眺めていた光景が浮かんでくる。
楽天の選手の登場曲を聴けば、脳内に選手を登場させることは極めて容易である。
NOT ALL ABOUT THE MONEYなら岸が出てくるし、All Falls Downなら浅村。High Hopesなら酒居、などなど、あげたらキリがない。
ここには書ききれないほど、音楽と結びついた記憶が自分にはたくさんある。
音楽が呼び水となって、次々と過去の記憶や、そのときの気持ちまで蘇るのだから、音楽の力は本当にすごい。
音楽と結びつくのは何も特別な記憶だけではない。
小学生の頃のお出かけの記憶、大学帰りのバスの記憶、高校時代の部活終わりの帰り道。ありふれた日常とも繋がっている。その時々は何気ない時間のように感じていても、振り返ると、音楽の力で「尊い時間」として思い起こされる。
普通なら数日、数時間で忘れてしまうような何気ない瞬間も、音楽というものをひとつ介すだけで、何年、何十年と保存しておけるようになるのだから不思議である。
自分は過去を懐かしむことが好きだから、人間にプルースト現象という装置が備え付けられていることを、非常にありがたく思う。
きっとこれからも、普段何気なく聞く音楽が、何気ない日常と結びついて、尊い時間として記憶されていくのだろう。
最後に、私の好きな歌詞を紹介させてほしい。
GENERATIONS from EXILE TRIBE / Make It Real
「目次にも載らないような あの日の瞬間も 今に繋がるから」
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これやる意味あるのかな、あの時間は無駄だったのでは無いか、そう思うことがあっても、きっとそれはいつか、何年後、何十年後になるかもしれないけれど、必ず意味のあることだったなと思えるはず。そのときにこの歌詞が、
「あぁ、今に繋がっていたなぁ」
と、あなたを救ってくれることだろう。