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Photo byia19200102

『告白雨雲』(毎週ショートショートnote)

    私が彼への気持ちに気づいたのは
    彼に彼女が出来たときだった。
    その彼女と別れたと聞いた時には、私に彼氏がいた。
    先日、私は彼氏に別れ話を切り出した。
    「旅行にでも行こっかな」
    そして私は今、ひとり日本とは違う景色の中にいる。

    「やあ、これは珍しいな」
    1日貸し切りのタクシーに乗りさっきからずっと
    窓からの景色をぼんやりと眺めている私に
    ドライバーがきれいな日本語で
    独り言のように話しかけてきた。
    「え?」
    「あれは告白雨雲だよ」
    「告白雨雲?」
    彼がフロントガラス越しに指差す空には
    小さな雲が浮かんでいる。
    ドライバーがバックミラー越しに
    「降りてみる?」と言った。

    「あの雲に念じると相手のところまで行って雨を降らす。
    雨は相手の心に君の伝えたいことを届けてくれるよ」
    私はドライバーに促されて彼への想いを念じてみた。
    すると告白雨雲は、わかったとでもいうように
    すっと離れていった。
    「日本まで届きますか?」と聞いた私に
    ドライバーは「さぁてね」と微笑んだ。

    (410文字)

    <あとがき>
    最初に浮かんだのは、失恋した女性とその友達による
    女性だけの海外旅行。
    失恋した女性が友達に、実はなんでもない雨雲を指さして
    あれが告白すると嫌なことを忘れられる雨雲だと教えられ
    思いの丈を告白すると突然のスコール。
    ズブ濡れになって2人で笑うってストーリーでした。

    『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』

     
     

    no1048

     
     
    趣味は映画鑑賞・音楽鑑賞など色々ありますが、 一番の趣味は読書です。

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