メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bytakerumax_photo

『ドローンの課長』(毎週ショートショートnote)

    no1048

    テレビで見たドローンに目を奪われた私は
    貯めた小遣いをつぎ込んでドローンを購入した。
    小学校の校庭で飛ばすと
    子供たちの目がキラキラと輝いた。
    しかし大人たちは役場の福祉課長の私を蔑んだ目で
    『ドローンの課長』と呼んだ。

    そんなある日、山間の老人宅まで物資を届けるのに
    ドローンが導入されることとなり
    私がオペレーターに選ばれた。
    私が慣れた手つきでドローンを操作すると
    周りの人達は手のひらを反すように
    『ドローンの課長』と尊敬のまなざしを向け、
    生活物資を運んだ老人たちからは親しみを込めて
    『ドローンの課長』と呼ばれた。

    しかしある時、飛んできたドローンに驚いた老人が
    転んでケガをするという事故が発生した。
    ドローンの使用は中止され、私は
    『ドローンの課長』と後ろ指をさされるようになった。

    しばらくしたある日、山で土砂崩れが発生した。
    私はドローンを飛ばして救援物資を運び
    何人もの命が救われた。
    『ドローンの課長』は今日もまた多くの物資を運んでいる。

    (410文字)


    <あとがき>
    同じ言葉でもシチュエーションによって
    いろいろなニュアンスがあって
    面白いな、という思いで書きました。

    最初は600文字くらいになってしまったのを
    410文字に落とす作業が大変でした。

     
     
     

    no1048

     
     
    趣味は映画鑑賞・音楽鑑賞など色々ありますが、 一番の趣味は読書です。

    あなたへのおすすめ