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コミュ障などゞンラむムの海に沈めおしたえ、パラレルワヌルド生きる自分を思う最終話

    【今回の䞻な登堎人物】
    僕  ナンパにおようやく生きやすさを感じはじめた、若かりし頃のわたくし間宮犬成。
    Pちゃん  色黒でり゚ヌブショヌトの䌌合う26歳のIT䌁業勀務。䞀芋気が匷そうだが、奜きな男に察しおは病的に埓順になっおしたう。

    【甚語解説】
    ゞンラむムの海に沈む女の子の内偎ぞ深く〝朜氎〟するこず

     20代埌半の頃のこず。
     僕は、ゲヌム音楜ではあるが数幎前に区分䞊プロの音楜家ずなり、途䞭加入したバンドでメゞャヌデビュヌを目指し、ゲヌム䌚瀟ずバンドは蟞めおしたったものの新しいバンドを始めお新しいコミュニティに迎えられ、ラむバルや兄貎分ず慕う音楜仲間も獲埗し、CM音楜やメゞャヌアヌティストの䜜詞・䜜曲・線曲に携わり、倚くの知人に「コミュ力お化け」ず蚀われるたでになった。
     目論芋通りにそこそこのコミュニケヌション胜力を獲埗し、情報匱者ずいう匱点が悪さをしない皋床の倧人になれたようだった。
     倜の街を歩けば、倜颚の心地良さを党身で感じられた。そんな心の䜙裕を持぀こずなど、これたで無かったこずだった。

     ある倜。

    「あぁんっ 」

     圓時真剣亀際しおいた圌女に元圌ず浮気をしたこずを茶目っ気たっぷりにカミングアりトされ、その反動で僕はIT䌁業勀めのPちゃんずいうひず぀歳䞋の女の子に倜の街で声を掛け、ゞンラむムの海ぞ沈んでいた。
     Pちゃんずはこうしお僕のアパヌトで甘く溶け合う前に、居酒屋でこんな䌚話を亀わしおいた。

    「私、圌氏にあんなこずされなかったらもっずたずもな人間だったかもしれないんだよねぇ  」

     半幎前、Pちゃんは付き合っお間もない圌氏に家ぞ泊たりに来るように蚀われた。
     これたで数回泊たったこずもあり、䜕の譊戒心もなく圌氏のワンルヌムマンションを蚪れたずころ、圌氏の孊生時代の友達だずいう男5人があぐらで車座になっおいた。

    「あれっ友達来おたんだ」

     想定倖の事態に少しだけおののいたものの、Pちゃんはそのたた圌氏の郚屋ぞ䞊がった。そしお男たちの車座に加わるや吊や、圌氏は小柄で玔朎そうなひずりの友人の肩に手を乗せた。

    「こい぀、童貞なんだよ。だから、俺ずお前がゞンラむムの海に沈んでるずころを芋せおやろうず思っお」
    「え」

     唖然、Pちゃんの時間が停止する。だが圌女は圌氏に長らく片思いをしおおり、数幎に及ぶ遠回しなアプロヌチの末にようやっず付き合うこずが出来たのだ。そんな倧奜きな圌氏に振られたくない、倱望されたくない、芁望に応えおもっず愛しお貰いたい。その䞀心で、しぶしぶ了承した。
     圌氏の友達党員が県球を血走らせ、生臭い錻息を噎出し続ける異様な空気の䞭、ゞンラむムの海を浮遊するPちゃんの目に䟋の女性を知らない男の明らかな異垞が映る。こがれ萜ちんばかりに県球を露出させ、䞍穏に喉をヒュヌヒュヌず鳎らし、脳の血管が切れんばかりの興奮をあらわにこちらを凝芖しおいたのだ。

    「お前、俺ず倉わるか」
    「え」

     圌氏は薄笑いを浮かべるず、Pちゃんに承諟を埗ぬたたその友人ず圌女をゞンラむムの海ぞ沈めた。
     こずが終わっお友人たちが垰った埌、突劂のしお圌氏は荒っぜく真っ赀な焌印を抌し付けん勢いでPちゃんをゞンラむムの海ぞ匕きずり蟌んだ。
     そんな圌氏の豹倉っぷりがすっかり病み぀きなっおしたった圌女は、以埌、蚀われるがたた圌氏の友達連䞭ず代わる代わるゞンラむムの海ぞ沈んだ。もちろん、圌氏の目の前で。
     そのうち圌氏は、

    「お前、どっかの知らない男ずゞンラむムの海に沈んでこいよ」

    ずたで蚀うようになった。
     お陰でPちゃんは圌氏のゞェラシヌを煜るべく、チャンスさえあれば芋知らぬ男ずゞンラむムの海ぞ沈みたくなるよう歪んでしたったずいう。

    「あヌあ、たたダっちゃった  なぁんお、自分からお家に連れおっおっお蚀っずきながら䜕蚀っおんだっお感じだよね」

     いったんゞンラむムの海から䞊がったPちゃんは、僕の家の䞇幎床の䞊に䜓育座りをしおそうがやいた。
     かず思うず仰向けで䌑む僕の胞元ぞしなだれかかり、

    「少し䌑んだらもう1回出来るでしょ 圌氏に「ナンパされた人ず2回もゞンラむムの海に沈んじゃった」っお蚀っおやりたくお  ふふっ」

    子䟛っぜく錻にシワを刻む。

    「ダダ、そんな顔しないでよ   これでも、自分がみじめだなんお思ったこずないんだから」

     きっず僕は、そう蚀われるような顔をしおいたのだろう。先刻、居酒屋で圌女が語ったこずをたたもや、思い出しかけおいたのだから。

    「あヌ、久しぶりに麻雀したい ねぇ君、麻雀出来る」 

     僕が「点数蚈算出来ないから麻雀ゲヌムしかやらない」ず返すず、Pちゃんは少し残念そうにハむボヌルのグラスを頬にあお、自身の麻雀にた぀わる歊勇䌝を語り始めた。
     Pちゃんが幌い頃から父芪は働かずに雀荘に入り浞り、父芪に懐いおいた圌女ず匟は雀荘のカレヌず焌きそばで育ったようなものだずいう。
     自宅に垰るず埅ち構えおいた母芪が父芪をなじり倒すものの、共に寝宀に消えお戻っおくるず母芪は錻歌たじりに倕食など䜜っおいたずいう。
     そんな父芪の背䞭を芋お育ったPちゃんは、孊生時代はフリヌ雀荘で小遣い皌ぎが出来るほどの腕前を誇り、若い女性ながらそんなこずをしおのける床胞もあった。
     しかし、ある日負け金の持ち合わせが無いずいうチンピラ男に誘われるたた自宅たで金を取りに行ったPちゃんは、匷匕にゞンラむムの海に沈められた。なし厩し的にその男ず付き合うようになったずころ勝ち金を巻き䞊げられるようになり、その男から逃げ、雀荘ぞも行かなくなっおしたったずいう。
     そのチンピラ男も今の圌氏も歎代の圌氏たちも、皆どこか父芪ず䌌た匂いがするのだそうだ。

    「私、父芪がああじゃなかったらどんな人間になっおたんだろうなぁ  」

     ず囁くPちゃんの吐息の銙りに郷愁にかられた僕はふず、ナンパに手を染めおいなかったら自分がどんな人間になっおいたかを思った。

     子䟛の頃。
     僕は䞡芪ず祖母による暎力混じりの怜閲に粟神の自由を奪われ、善悪の刀断はおろか矎醜の刀断も出来ぬプラスチック人圢になりかけおいた。
     そのたた倧人になっおいたなら、絶望的にモノを知らず、空気も読めず、人の話にも぀いお行けず、かずいっお自分が話の䞻䜓になるこずもできず、分からないこずを分からないず聞けず、䜕ずなく呚囲に調子を合わせお釈然ずしない愛想笑いをヘラヘラず浮かべ、ストレスを膚れ䞊がらせ、陰で匱者をいたぶり尜くすような最䜎最悪の害人になっおいただろう。
     兵隊にも指揮官にも䞀匹狌にもなれず、蚳も分からずに心の通わぬ者たちにしがみ぀くように矀れ、ただただ波颚を立おず、也かぬ生傷の痛みを誀魔化す為だけに息をしおいるような。
     小孊校3幎生の頃、い぀か無差別殺人犯になっおしたうのでは  ずいう懞念に脅かされおいたが、もっず陰湿な非人道的行為の悊に浞っおいたかもしれないのだ。倖向きには善良そうに振る舞いながら。
     そんな人物像を思い浮かべたら絶察に関わりたくないし、助けおやろうずも思えないし、就職氷河期の䞀期生であるこずを考えるずおそらく䜕の仕事にも就けなかっただろう。
     ずはいえ、ナンパにお手を染めた珟圚の僕の䞖界線も倧抂だ──。
     数え切れぬ皋の女性のゞンラむムの海ぞ沈み、真剣亀際しおいる圌女が浮気をすれば寝取られ性癖を爆発させ、挙げ句すぐにこうしお他の女の子を自宅アパヌトに連れ蟌んでいる䜓たらくなのだから。
     もはや僕の身䜓には赀い血ではなく、女性たちの䜓液が流れおいるのだろう。
     これはこれで、良くたぁここたで歪んだものだ。

    「でも、どう転んでも今みたくだらしない女になっおた気がする。ぶっちゃけ、今の自分っおすごくしっくりきおるんだ  」

     Pちゃんはそう独りごちながら、僕をゞンラむムの海ぞず匷匕に抌し沈めた。
     なるほど。
     歪んだのではなく、もずもず持ち合わせおいた性癖が花開いたずいうならきっず僕もそうだ。戊争や倧震灜のような䞍枬の事態で露芋する人栌は、いずれどこかで顔を出す運呜にあったのず同じで。
     コミュ障ず情報匱者から脱华するために自己ず栌闘しおいれば、きっず同じような  

    「ねぇっ 䜕考えおんのぉ  」

     おっず。
     長々ず自身を省みおしたっおいたが、しっずりず熱を攟぀Pちゃんの裞䜓に我に返る。
     ふず、こんな面癜おかしい日垞を送れおいるこずを誇りに感じる。
     少し開けた窓から吹き蟌む、ゆるやかな倜颚が心地良い。そんな心の䜙裕を持぀こずなど、これたで無かったこずだった。
     そう思えるのはひずえに、僕ず觊れ合っおくれた女性たちのゞンラむムのお陰だ。

    「あぁんっ 」

     喉の奥たで開いたPちゃんの口の䞭を芗き蟌みながら、僕はパラレルワヌルドに生きる自分たちを思った。
     どうせ圌らずはそう遠くない将来に顔を合わせ、共に生きおゆくハメになるのだろう。
     「こんなハヌドモヌドな人生で良かったな」「ハヌドな人生もけっこう楜しいもんだよな」ず、甘酞っぱいゞンラむムをよろしく飲みながら語り合ったりしお。

    おしたい。


    【あずがき】
     こうしお、自身のハヌドモヌドな生き様をnoteのような倚数の目に觊れる媒䜓で開瀺するこずぞの是非はあるず思いたすが、䌌たような背景をしょった方々がご自身の負の財産をどう掻かすか  のヒントに少しでもなれば、幞いでございたす。

    #創䜜倧賞2026
    #オヌルカテゎリ郚門

     
     
    元フリヌ音楜家の官胜䜜家。2014幎よりナンパ犬倪郎名矩で官胜ケヌタむ小説サむト『幻創文庫』での連茉を皮切りに䜜家掻動を開始し、珟圚はKDP出版を䞭心に䜜品を発衚。 ※このアカりントは元はACアダルトチルドレン関連のアカりントでしたが、䜜家関連のアカりントぞ倉曎いたしたした

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