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封印された翼~火刑台の記憶を越えて~

    本詩をもとに楽曲動画も制作しました(後掲)。
    どうぞ、言葉と映像に静かに身を委ねてご覧ください

    嗚呼
    幾星霜の歳月を越えて
    なお心に残るは 火刑台の記憶 ────

    時代は、重く、荒れていた。
    飢えは、心を曇らせ
    病は、人々を怯えさせ
    恐れは、行き場を失っていた。

    そんな時代に、
    心美しく生きようとした。
    豊かな霊的感受性をたずさえ、
    病める者たちに手を差し伸べようとした
    祈りを聴く耳を持つ者たちがいた。

    草木の声を知り、
    傷を癒し、
    命の誕生に寄り添い、
    風のささやきに耳を澄ませる者たちよ、
    あなたがたは、確かに、
    神を敬い、善く在ろうとした。

    それがゆえに、その傷は深く、
    あなたがたの心を貫いた。

    信仰の名のもとに、
    神を信じる者たちの霊性は傷つけられた。

    時代を見つめる愛の神は、深い悲しみをたたえ、
    そこに生きる全ての者たちを抱きしめている。


    かつて、かの人は、語った。
    「汝ら、互いに、愛し合え」と。
    「汝らの中、罪なき者、まず石を投げうて」と。

    なのに、なぜ。
    なのに、なぜ。
    裁きの神が、その心に紛れ込んだのか。
    それは、旧(ふる)き神。
    信仰の取り違えが、悲劇の根底に横たわっていた。

    また、魔の働きへの、理解の未熟さが混乱に拍車をかけた。
    本当に恐るべきものは、
    森にいたのではない。
    薬草を摘む者の中にいたのでもない。
    それは、人の心の内側を乱す働き。
    嫉妬の中に、
    憎しみの中に、
    傲慢の中に、
    そして
    正義の仮面を被った
    恐れの中に忍び寄り、
    それらを増幅させようとするもの。
    それこそが、魔の正体であった。

    誤解と未熟さ────。
    時代を見つめる愛の神は、深い悲しみをたたえ、
    そこに生きる全ての者たちを抱きしめている。
    深い赦しをたたえ、抱きしめている。


    嗚呼
    幾星霜の歳月を越えて
    なお心に残るは 火刑台の記憶 ────

    それは、恐れとしてとどまり、
    霊的感性を開くのを ためらわせる。

    されど、
    あなたがた 愛の子らよ、
    もう、自由になって、構わない。
    封印された翼を開いていい。

    その熾烈な人生を、
    あえて選んで生まれたのは、
    ほかならぬ、あなた自身であったのだから。

    そう────
    その選択の深さゆえに、
    その自覚に到達した時、
    火刑台の炎は
    世界を照らす光へと 反転する。

    その炎の中で、
    ある者は、こう語るだろう。
    時代の底に澱む闇を
    その身に引き受けた、
    勇者であったのだと。

    ある者は、こう語るだろう。
    恐れの中でなお、
    愛を手放さなかった。
    それ自体が、光の仕事であったのだと。

    ある者は、こう語るだろう。
    その過酷な命の灯火が、
    眠れる世界に
    痛切な問いを残した。
    目覚めへの、礎であったのだと。

    どれもが、同じひとつの炎。
    どれもが、同じひとつの光。

    沈黙のなかで
    静かに受け止めた時、
    あなたの封印された翼は、
    ゆっくりと
    光をまとって、
    開き始める。

    火刑台の記憶を越えて──────
    時代を超える愛の神は、
    静かな微笑みをたたえて、
    今を生きる全ての者たちを抱きしめている。

    抱きしめている。

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    精神や感情の機微を詩作。 愛・光・魂・癒しを主題に霊性と哲学的深みを重視 Poetry on spirit, love, light, soul, and healing. Exploring spiritual insight with philosophical depth.

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