
ジョーカーの休憩時間〜構造〜
少しだけ、
休憩しよう。
今日もコーヒーとタバコは用意済みだ。
ゆっくりしていけよ。
……ほら、コーヒーでも飲みながら聞いてくれ。
ここまで読んでくれたなら、
君はもう気づき始めているはずだ。
俺が何を見ているのかを。
──
俺が最初にそれに気づいたのは、
仕事の中だった。
特別な話じゃない。
どこの現場にもある、
よくある光景だ。
同じ仕事をしているはずなのに、
なぜか結果が違う。
同じ道具を使い、
同じ時間働き、
同じ説明を聞いている。
なのに、
上手くいく人間と、
何度やっても詰まる人間がいる。
最初はこう思った。
センスの差か。
経験の差か。
能力の差か。
だが、
どうも違った。
……ちょっと待て。
(タバコに火をつける)
よく見ていると、
決定的な違いがあったんだ。
物事を見ている人間と、
構造を見ている人間がいた。
──
物事を見る人間は、
目の前の出来事に反応する。
トラブルが起きる。
慌てる。
直す。
また起きる。
また直す。
ずっとその繰り返しだ。
だが、
構造を見る人間は違う。
なぜ起きた?
どこで起きた?
何が重なった?
一度、
仕組みを見つけてしまう。
すると次からは、
問題が起きる前に分かる。
──
そこで初めて気づいた。
世の中の多くの問題は、
問題そのものじゃない。
構造だ。
トラブルにも構造がある。
人間関係にも構造がある。
会社にも構造がある。
社会にも構造がある。
だが人は、
構造を見ない。
目の前の出来事だけを見る。
だから振り回される。
──
例えばこうだ。
人間関係がうまくいかない。
上司が悪い。
部下が悪い。
会社が悪い。
そうやって
原因を探す。
だが構造を見ると、
違う景色になる。
立場。
責任。
利害。
評価。
それぞれの位置が、
そう動かしているだけだ。
誰かが特別に悪いわけじゃない。
ただ、
その構造が
そう動くようにできているだけだ。
──
……ふぅ。
(コーヒーを一口すする)
面白いことに、
一度構造が見えると、
世界が少し変わる。
問題が消えるわけじゃない。
だが、
見え方が変わる。
怒る必要がない場面が増える。
慌てる必要がない場面が増える。
そして気づく。
多くの人は、
問題と戦っている。
構造じゃなくてな。
──
勝負もそうだ。
軸もそうだ。
優しい言葉もそうだ。
入口と出口もそうだ。
全部、
構造の話だ。
俺はただ、
それを見ているだけだ。
──
難しいことじゃない。
本当は、
誰にでも見える。
ただ、
ほとんどの人が
見ようとしないだけだ。
目の前の出来事の方が、
分かりやすいからな。
──
さて。
少しだけ考えてみてくれ。
今、
君が困っていること。
それは本当に
「問題」なのか?
それとも──
ただの構造か。
……まあいい。
コーヒーが冷める前に、
もう少しだけ休んでいくといい。
𝐉𝐎𝐊𝐄𝐑 🃏