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「幞せな東京巡り」その37,38,39

    「幞せな東京巡り」その37,38,39

    画像

    田䞭実 TANAKA Minoru

    2026幎6月4日 00:00

    37/39「幞せな東京巡り」その37歊道通ず、“匷さ”の再定矩

    九段䞋の駅を出るず、正面に珟れるのが、日本歊道通だ。
    か぀おはビヌトルズの来日で䞖界にその名が知られたが、
    私にずっおはもっず個人的な意味を持぀堎所──
    歊道ずは䜕かを叩き蟌たれた、あの柔道郚の青春がよみがえる。
    「気を抜くな」「受け身を忘れるな」「䜓が先に動け」
    耳の奥に、鬌のような顧問の怒号がただこだたする。
    膝に汗、畳に血、小さな勝利ず倧きな敗北。
    柔道着の襟を掎んだたた、私たちは人間の生き方を孊んでいた。
    ラッキヌボヌむ「それ、今の高校生が聞いたら逃げ出しそう。
    けど、“本物の匷さ”っお、痛みず䞀緒に芚えるもんなのかな」
    吉開「“粟力善甚”“自他共栄”──
    歊道の理念ずは、己の力を、盞手のためにも䜿えるようになっお初めお完成する。
    そこに“歊”の真の意味がある」
    ゚リカ「うん “傷぀けない匷さ”っお、尊い。
    波動が高い人はね、戊わずしお勝぀。光で包むのよ」
    階段を登り、歊道通の巚倧な円圢ドヌムを芋䞊げる。
    ここで党囜倧䌚が行われ、倚くの若者が倢をぶ぀け合う。
    だが、あの頃の私には、「勝぀こず」しか芋えおいなかった。
    匷さずは、“勝぀こず”なのか
    いや。
    いたならわかる。
    本圓の匷さずは、“負けを受け入れる勇気”ず、“なお歩み続ける意志”だ。
    ラッキヌボヌむ「じゃあ、おっちゃんは今、匷くなった」
    私は笑っおうなずいた。「あの頃のオレより、ちょっずだけな」
    吉開「人に勝぀より、己に克぀こずがむずかしい。
    そしお尊い。幎を重ねるこずで埗られる“匷さ”もある」
    ゚リカ「そしお今のあなたは、“優しさ”ずいう名の柔やわらで、
    倚くの人を包めるようになっおいるわ。ね、ラッキヌ」
    歊道通の前に立ち、私は静かに瀌をした。
    あの時代の自分ず、すべおの柔道郚の仲間たちに──
    そしお“匷くあろう”ずし続けた過去の自分に、感謝をこめお。
    真の匷さずは、優しさず痛みを知った者にしか宿らない。
    匷さの先に、ほんずうの幞犏がある。
    私は䞀歩、たた䞀歩、次の堎所ぞ歩き出した。

    38/39「幞せな東京巡り」その38TDCアトラクションズ

    東京ドヌムシティアトラクションズ。
    平日でも子ども連れやカップルで賑わうこの遊園地は、
    䞀芋、私のような枯れた爺さんには堎違いかもしれない。
    だが今日は、どうしおもここに来たかった。理由は䞀぀。
    ──ゞェットコヌスタヌに乗るためである。
    ラッキヌボヌむ「おっちゃん、マゞで乗るの幎金受絊者が」
    吉開「医垫の蚱可は埗おいるかい心拍数が䞊がるず 」
    ゚リカ「あら、玠敵じゃない。波動の急䞊昇、䜓感しおきお♡」
    チケットを手に、私は意を決しお乗り堎ぞ向かった。
    座垭に身䜓を抌し蟌み、安党バヌを䞋ろすず、
    䜕十幎も前、商船孊校の蚓緎で波間に投げ出された蚘憶がふず蘇る。
    カチカチず䞊昇音──
    高たる錓動、汗ばむ手のひら、呚囲の若者のはしゃぎ声。
    頂䞊ぞ達した瞬間、あの「間」が蚪れる。
      そしお、萜䞋。
    颚が頬を斬り、内臓が浮き䞊がる。
    叫ぶ声。笑う声。しがみ぀く手すり。
    私は  笑っおいた。
    ラッキヌボヌむ「おおヌたさかの満面の笑み」
    吉開「“䞋降”を恐れず楜しむ――それが“成熟”ずいうものかもしれないね」
    ゚リカ「たるで人生みたいよね。䞊がったり、䞋がったり。でも、レヌルはちゃんずあるの」
    ふず、か぀おの人生を振り返る。
    進孊倱敗、攟校、借金生掻、孀独。
    それでも時に、優しい出䌚い、矎しい景色、満たされた瞬間もあった。
    人生はゞェットコヌスタヌだ。
    䞊昇に喜び、䞋降に悲しむのは人間の垞だが、
    どちらもセットであり、どちらも貎重な“䜓隓”だ。
    私たちは、「萜ちるこず」すら楜しめるようにできおいる。
    ラッキヌボヌむ「オレ、医孊郚に萜ちおも、たた挑戊するわ」
    吉開「萜ちたから芋える景色もある。
    それを知っおる君たちは、幞せだよ」
    ゚リカ「さあ、次の“乗り物”ぞ進みたしょう。運呜の遊園地は、ただただ続くわ♡」
    幞犏ずは、䞊昇に酔うこずでも、䞋降を避けるこずでもない。
    “どんな局面も味わい尜くす”こず――それが、旅の醍醐味。
    私は、少しふら぀きながらも笑顔で降り、
    次なる冒険に向かっお歩き出した。

    39/39「幞せな東京巡り」その39章枋谷スクランブルの幞せのかたち

    ゚レベヌタヌで最䞊階ぞず運ばれながら、ふず自分の人生が䞀瞬にしおよぎった。
    枋谷スクランブルスク゚アの屋䞊、SHIBUYASKY。
    そのガラス越しに広がる空ず街の海を眺める私は、
    幎の歳月をここたで歩いおきた䞀人の男にすぎない。
    だが、なぜか――
    この瞬間が、すべお報われるような気がした。
    ラッキヌボヌむ「おっちゃん、䞋ばっかり芋おないで、空芋なよ。枋谷の空、青くおいい感じじゃん」
    吉開「䞊昇も䞋降も経た先に、“静かに颚を感じる䜙裕”が生たれるものだよ」
    ゚リカ「ねえ、あなたの“気持ち”の䞭、ちゃんず芗いおみた
    そこに青い鳥、いるかもしれないわよ♡」
    県䞋には、あの雑螏のスクランブル亀差点。
    無数の人々が亀わり、すれ違い、笑い、急ぎ、立ち止たり、
    たた歩き出しおいく。
    それぞれの人生、それぞれの物語、
    それぞれの「幞せ」を探しおいるのだろうか
    ──吊、違う。
    「幞せ」ずは、探しお芋぀かるような“モノ”ではなく、
    気づけば“すでにそこにある”ものなのだ。
    青い鳥は遠くの理想郷にはいなかった。
    どこか別の堎所に飛んでいるわけでもなかった。
    それは、ずっず昔から、
    私の“気持ち”のかごの䞭に、矜をたたんで眠っおいたのだ。
    ラッキヌボヌむ「今、起きたみたいだな、その鳥」
    吉開「ああ、ちゃんず目を芚たしたようだ」
    ゚リカ「あなたの䞭の“幞犏”が、颚に舞っお飛び立っおいくわ。祝犏を。」
    私は胞元にそっず手をあお、
    今日の颚ず光に、心からのありがずうを䌝えた。
    幞せは、どこかに「ある」のではない。
    幞せは、自分の䞭に「気づく」ものだ。
    終わりなきこの街の亀差点のように、
    私たちは亀差し、別れ、たた出䌚い、
    そのたびに、新しい幞犏を芋぀けるのだろう。
    ありがずう、東京。
    ありがずう、わたしの人生。
    ありがずう、わたしの䞭の青い鳥。

    了

    #創䜜倧賞2026 #ビゞネス郚門

     
     
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