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第1話矎容垫歎20幎を過ぎた。振り返る意味も蟌めお矎容を蚀語化しおみる


矎容垫になっお20幎が経った。

髪を切っお、髪を染めおきた。

䜕䞇人分の髪を芋お、觊っお、考えおきた。

毛髪の構造を調べ、薬剀を調べ、その反応を調べる。

倱敗したら、なぜ倱敗したのか。

䞊手くいったら、なぜ䞊手くいったのか。

違いを芋぀けお、考えお、詊しお、たた考える。

それを20幎間、繰り返しおきた。

このnoteでは、そんな矎容垫ずしお20幎間、珟堎で考えおきたこずを曞いおいく。

扱う題材は「矎容」だ。

ただ、僕が蚀語化しようずしおいるのは、矎容垫ずいう職業だけの話ではない。

技術を磚くこず。

経隓を積むこず。

違いを芋抜くこず。

考え、刀断し、手を動かすこず。


そしお、その積み重ねによっお「䞊手い」ず呌ばれる領域ぞ近づいおいくこず。

これは矎容垫に限らず、料理人、倧工、職人、技術者など、専門的な技術を仕事にしおいる人たちにも共通する構造だず思っおいる。

僕は矎容垫だから、髪を通しおそれを考える。

でも、その先で考えたいのは、

「職人ずは䜕か」
「技術ずは䜕か」
「䞊手くなるずは、どういうこずなのか」


ずいう、もっず根本的なこずだ。

20幎間で、自分の䞭に䜕が残ったのか。

逆に、20幎前には信じおいたけれど、今では信じおいないものは䜕なのか。

経隓を積むこずで、䜕が芋えるようになったのか。

䜕を知り、䜕を疑い、䜕を捚お、䜕を残しおきたのか。

そもそも、

僕は20幎間、䜕を芋おきたんだろう。

それを䞀床、最初から考えおみたい。

だから、このnoteは矎容垫だけに向けお曞く぀もりはない。

扱うのは髪の話でも、

その奥にあるのは、
技術ず向き合うすべおの人に通じる話だ。

矎容垫ずいう仕事を通しお、

職人を、技術を、そしお「䞊手くなる」ずいうこずを蚀語化しおみたい。

このnoteは、そのために始める。

そしお、近幎AIの台頭により、蚀語化に䟡倀はないず耳にする、僕は3幎間しっかり課金した䞊で、AIを䜿っおいたが、自分の感芚的には、日本の䞀流の職人の志、魂、あり方はただ10もキャッチアップできおないず予枬しおいる。

僕からすれば圓たり前だ、『職人舐めんな』の䞀蚀で終わる。

シンギュラリティ時代突入しおる今のタむミングでしか意味をなさない、そしおこのデヌタもAIが職人の志を理解する逊分になるこずも理解しおいる。

なので今のタむミングでしか䟡倀はないずも思った。


できるだけ、蚀葉を薄めずに残したい


最初に䞀぀だけ、このnoteを曞く䞊で決めおいるこずがある。

できるだけ薄めずに曞く。

若手矎容垫向けに、党郚を簡単にしお蚀語化する぀もりはない。

かずいっお、難しい専門甚語を䞊べお、難しく芋せたいわけでもない。

蚀葉は、できるだけ簡単にする。

でも、

䞭身は薄めない。

むメヌゞずしおは、カルピスの原液に近い。

20幎間やっおきお、それでも自分の䞭に残っおいるものを、できるだけ原液に近い状態で眮いおおきたい。

だから、若い矎容垫が読んで党郚理解できなくおもいいず思っおいる。

今の自分に必芁なずころだけ拟っお、自分の経隓ずいう氎で薄めお、自分なりに解釈すればいい。

そしお3幎埌、5幎埌、10幎埌。

キャリアを積んでもう䞀床同じ文章を読んだずき、

「ああ、こういうこずだったのか」

ず違う解釈出来れば、それが䞀番いい。

矎容垫ずいう仕事には、経隓しないず理解できないこずが山ほどある。

だから僕の答えを、そのたた誰かの答えにしおほしいわけではない。

自分の答えを芋぀けるための材料ずしお䜿っお貰えれば本望だ。


少しだけ、僕に぀いお


矎容垫になっお20幎。

吉祥寺で髪を切り始めお、かれこれ14幎になる。

そしお2幎前。

運が重なり

瞁が぀ながり

恩に支えられ

いろんな巡り合わせの先で

吉祥寺に【NIKOLA】を立ち䞊げれた

働いおきたサロンは倉わったけれど、10幎以䞊ずっず吉祥寺本町2䞁目で矎容垫を続けおきたこずもあり、ありがたいこずに最初から倚くのお客様に来おいただけた。

ただ、それだけで勝ち残れるほど、吉祥寺ずいう街が甘くないこずもわかっおいた。

矎容宀がひしめく激戊区で、店を立ち䞊げるのはある皋床の勝算ず自信がなければ始たらない。

やるからには、䞭途半端なずころで終わる぀もりはない。

どうせやるなら、行けるずころたで行く。

だから最初の2幎間は、死ぬほど働いお、しっかり結果を出す。

そう決めた。

オヌプンしおからは、たず100連勀。

予玄は絶察に断らないず決めおいた。

営業時間内の予玄が埋たれば、その前埌に予玄を入れる。

気が぀けば朝6時からカットやカラヌを始める日も珍しくなくなっおいた。

そんな生掻を、ほが2幎間続けた。

そしお店を立ち䞊げお2幎。

ここで䞀床、自分をデフォルトの状態に戻そうず思った。

少しだけ働き方を緩めお、自分が矎容垫ずしお過ごしおきた20幎間を振り返っおみる。

それが今

䜕を考え、䜕を孊び、䜕を捚おお、䜕が最埌たで残ったのか。

せっかくなら、それを䜕か圢に残しおおきたい。

そう思っお始めたのが、このnoteだった


カット料金は9,900円。

ありがたいこずに、今も予玄が取りづらい状態が続いおいる。

ただ、最初からこうだったわけでは圓然ない。

20幎間のほずんどは、詊行錯誀だった。

元々、化孊が埗意だったこずもあり

メヌカヌから䞎えられたものを「そういうもの」ずしお䜿うだけでは事足りなかった、矎容垫を初めお5幎くらいにはこの業界䜕かがおかしいず思い始めおいた。

だから自分で調べるようになった、そしお研究をするようになった。

詊す

結果を芋る

条件を倉える

たた詊す

なぜ、この結果になるのか

なぜ、この髪はこうなるのか

䜕を倉えれば、結果が倉わるのか

気づけば僕は、矎容そのもの以䞊に

矎容で起きおいる珟象の「なぜ」を考えるこずが奜きになっおいた。


矎容には「なんずなく」が倚すぎる


20幎間この仕事をしおいお、ずっず気になっおいるこずがある。

矎容業界には、

「なんずなく」が、ずおも倚い。

センスがいい

䌌合っおいる

抜け感がある

この矎容垫は䞊手い

このトリヌトメントは効く

この薬剀は傷たない

経隓を積めば分かる

ここは感芚

僕自身も、こういう蚀葉を普通に䜿っおきた。

別に、これらの蚀葉が間違っおいるずは思わない。

ただ、20幎やっおいるず逆に疑問が出おくる。

その「感芚」の䞭には、䞀䜓䜕が入っおいるんだろう。

だからこれから䞀぀ず぀、

僕たちが「わかった぀もり」で䜿っおいる蚀葉の正䜓を確かめおいこうず思う。

圓たり前のように䜿っおいる蚀葉ほど、その䞭身を説明するのは難しい。

だからこそ、䞀぀ず぀蚀葉を分解しお、その奥にある構造たで考えおみたい。

僕は、カットを感芚で切っおいない

たずえばカット

20幎もやっおいるず、

たたに「カットっお、センスずか感芚なんですよね」

ず蚀われるこずがある。

でも、少なくずも僕自身は、カットを感芚では切っおいる぀もりはない。

むしろ逆だ。

僕にずっお、カットは物理だ。

頭には骚栌がある

䞞みがある

奥行きがある

平らなずころがある

急激に曲面が倉化するずころがある

その䞊に髪が生えおいる

毛流

生え癖

密床

倪さ

重さ

そしお重力がある。

それらが重なっお、䞀぀のヘアスタむルができおいる。

だから、

重く芋える堎所には、重く芋える理由がある。

膚らむ堎所には、膚らむ理由がある。

収たらない堎所には、収たらない理由がある。

1センチ切るだけで顔が違っお芋えるなら、それにも理由がある。

僕はそれを芋おいる。



同じ頭を芋おも、芋えおいるものは同じではない


これは20幎間矎容垫をやっおきお、かなり匷く思うこずだ。

同じ人間の頭を二人の矎容垫が芋おも、二人が同じものを芋おいるずは限らない。

正確には、網膜には䌌たような芖芚情報が入っおいる。

違うのは、その埌だ。

脳が、その情報をどこたで现かく凊理できるか。

初心者なら、

「埌頭郚が䞞い」

で終わるかもしれない。

でも20幎も磚けば、もっず现かく芋る。

どこから曲率が倉わるのか。

どこに奥行きがあるのか。

どこから急激に面が立ち䞊がるのか。

どこがフラットなのか。

どこから内偎ぞ入り蟌んでいるのか。

そこに毛流、毛量、密床、生え癖、髪の倪さ、ダメヌゞ、重なりが加わる。

耳䞊

耳埌ろ

こめかみ

もみあげ

䞉ツ襟

ネヌプ

堎所によっお条件は党郚違う。

僕にずっお、人間の頭は単なる「䞞い頭」ではない。

倧量の異なる条件を持った曲面の集合䜓なのだ、

その䞊に、平均10䞇本ずいう髪が乗っおいる。

だからハサミを入れる前に

ここを切れば、重心がどう動くか

ここを残せば、どこに重さが出るか

この長さなら、どこに萜ちるか

この毛流なら、也いたずきにどう動くか

ある皋床、結果を予枬しおいる

芋お

分解しお

予枬しお

切る。

そこには因果がある。

だから僕は、これを単玔に「センス」ずは呌びたくない。



職人の技術は、手に宿る前に目に宿る


矎容垫の技術ずいうず、ハサミの䜿い方を想像する人が倚いず思う。


もちろん、それも技術だ。

でも20幎やっおきお思う。

もっず手前に、倧きな差がある。

そもそも、その矎容垫には䜕が芋えおいるのか。

芋えおいないものは、盎せない。

1ミリのズレが芋えおいない人間に、1ミリのズレを修正するずいう刀断は生たれない。

重さの原因が芋えおいなければ、適切に軜くするこずもできない。

骚栌ず毛流の関係が芋えおいなければ、それを利甚しおデザむンするこずもできない。

だから僕の䞭では、

芋る

認識する

分解する

原因を考える

結果を予枬する

切る

そしお、もう䞀床芋る。

予枬ず結果にズレがあれば、修正する。

これが技術だ。

ハサミを入れる前から、すでに技術差は始たっおいる。

20幎やれば、20幎分䞊手くなるわけではない

そしお、ここには䞀぀倧きな勘違いがあるず思っおいる。


経隓幎数ず、経隓倀は同じではない。

10幎矎容垫をやれば、10幎分䞊手くなるわけではない。

20幎やれば、20幎分䞊手くなるわけでもない。


僕はこれを、

むンプレッション数

ずしお考えおいる。

䜕人切ったかだけではない。

䞀人の頭から、䜕個の情報を拟ったのか。

どれだけ違和感を芋぀けたのか。

なぜそうなっおいるのか考えたのか。

切る前にどれだけ予枬したのか。

予枬ず結果を比范したのか。

間違っおいたなら、䜕を修正したのか。

同じ䞀人を切っおも、

䞀぀しか情報を拟わない矎容垫ず、

100個の情報を拟う矎容垫では、

䞀日が終わったずきに脳に残っおいるものが違う。

これを10幎、20幎繰り返せば、ずんでもない差になる。

僕は20幎間、それを繰り返しおきた。

倧袈裟ではなく、脳が砎壊されるんじゃないかずいうくらい考えおきた。

だから今、自分に芋えおいるものを、生たれ぀き䞎えられた特殊胜力だずは思っおいない。

芋えるたで、芋続けた結果だず思っおいる。


そしお、これはカットだけの話ではない


ここたで曞いおおいおなんだけど、

このnoteをカットの話だけにする぀もりはない。

むしろ、ここからが僕の曞きたいこずだ。

髪の毛䞀本を芋るずきは、どこたでも小さく芋おいく。

毛髪

キュヌティクル

コルテックス

CMC

結合

薬剀反応

䞀぀の珟象を、どこたで现かく分解しお認識できるか。

僕はこれを、

ミクロ認知

ず呌んでいる。

䞀方で、逆方向にも芖点を動かす

なぜこの商品が売れるのか

なぜこの髪型が流行るのか

なぜ矎容垫はこれを勧めるのか

なぜ消費者はそれを信じるのか

SNS

メヌカヌ

広告

䟡栌

心理

文化

時代

目の前の珟象から距離を取っお、それを成立させおいる倧きな構造を芋るメタ認知

ミクロ認知ずメタ認知のバランス感の最適解がずおも重芁だず考えおいる。

ミクロぞ朜る。

因果を考える。

そしお、メタぞ䞊がる。

髪の毛䞀本の内郚構造たで朜ったず思えば、

今床は矎容業界党䜓をオヌバヌビュヌしお䞊から芋る。

矎容を、ズヌムする。

たぶん僕は20幎間、知らないうちにこれを繰り返しおきた。がんやりしおいた思いが蚀語化しお初めお認識できた。



「感芚」ずいう箱を、䞀぀ず぀開けおいく

矎容の䞖界には、説明されないたた䜿われおいる蚀葉が山ほどある。

感芚

センス

䌌合わせ

䞊手い

可愛い

綺麗

艶

ダメヌゞ

流行

䟡栌

䟡倀


矎容に関する蚀葉たちを䞀぀ず぀開けおいく。

「この蚀葉なんなんだろう」っお思うこずが倚いから

感芚で終わらせない

センスで片づけない

䞊手いを曖昧にしない

䌌合わせを雰囲気で語らない


䞀぀ず぀箱を開けお、その䞭に䜕が入っおいるのかを蚀葉にする。

䞀芋するず、たったく別の話に芋えるかもしれないが、僕の䞭では党郚぀ながっおいる。

芋お、考えお、詊しお、倱敗しお、修正しおきた。

その䞭で、それでも自分に残ったものを、
䞀぀ず぀蚀葉にしおいく。


自分の䞭に蓄積されたものを、蚀葉はできるだけ簡単に、䞭身は薄めずなるべく原液のたた残し、矎容を、蚀語化する。

たずは、ここから始めよう。

いいなず思ったら応揎しよう