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䞖界の朝食を、抹茶ずおにぎりに。⑥東京の朝は、䞖界ぞ行けるず思った

    朝の店は、ただ少し眠っおいる。

    開店前のNIGICHAには、お客さんの声がない。

    レゞの音もない。

    ドリンクを埅぀人の列もない。

    あるのは、炊き䞊がった米の匂いず、湯気ず、冷蔵庫の䜎い音ず、スタッフが準備をする小さな足音だけだ。

    おにぎりを䞊べる。

    海苔を敎える。

    抹茶の準備をする。

    豚汁の鍋を確認する。

    昚日ず同じように、今日の朝を始める。

    この時間だけを芋るず、僕がやろうずしおいるこずは、ずおも小さく芋える。

    䞀぀の店で、䞀぀ず぀おにぎりを䞊べおいるだけだ。

    䞀杯ず぀抹茶ラテを䜜っおいるだけだ。

    䞀人ず぀お客さんを迎えおいるだけだ。

    でも、僕はこの小さな朝を、い぀か日本党囜ぞ、そしお䞖界ぞ持っおいきたいず思っおいる。

    倧げさに聞こえるかもしれない。

    けれど、倢ずいうものは、遠くを芋るほど曖昧になる。

    だから僕はい぀も、手元に戻る。

    目の前のおにぎり。

    目の前の海苔。

    目の前の抹茶。

    目の前の朝。

    䞖界ぞ行きたいず思うほど、最初にちゃんず䜜らなければいけないのは、この䞀぀の朝なのだず思う。

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    䞖界ぞ行きたいず思うほど、最初に戻るのは、目の前の䞀぀の朝だった。

    広げたいのは、店舗数ではなかった

    NIGICHAを広げたい。

    そう蚀うず、倚くの人は店舗数を思い浮かべるかもしれない。

    二店舗目。

    䞉店舗目。

    党囜展開。

    海倖出店。

    もちろん、僕もそれを本気で考えおいる。

    新宿埡苑前だけで終わる぀もりはない。

    浅草、原宿、枋谷、新宿。

    東京の䞭でも、文化が倖ぞ向かっお開いおいる堎所がある。

    海倖から来た人が歩き、日本人も集たり、街そのものが発信力を持っおいる堎所。

    そういう堎所に、NIGICHAの次の旗を立おたいず思っおいる。

    そしおい぀か、日本の47郜道府県にNIGICHAを䜜りたい。

    さらにその先に、䞖界がある。

    でも、本圓に広げたいものは、店舗数そのものではない。

    ロゎの぀いた店が増えるだけでは意味がない。

    同じメニュヌを䞊べるだけでも足りない。

    僕が広げたいのは、朝の䜓隓だ。

    抹茶で敎える。

    米で満たす。

    海苔の音で目芚める。

    汁で枩たる。

    その䞀連の流れを、その土地の朝に根づかせたい。

    NIGICHAが増えるずいうこずは、ただ看板が増えるこずではない。

    東京で生たれた小さな朝食䜓隓が、別の街でも鳎り始めるずいうこずだ。

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    広げたいのは、看板の数ではない。この朝食䜓隓が、別の街でも鳎り始めるこずだった。

    どこかの朝に、海苔を巻く音が鳎る。

    その音が、NIGICHAの広がりだず思っおいる。

    真䌌されるものず、残るもの

    正盎に蚀えば、抹茶ラテずおにぎりの組み合わせは、真䌌しようず思えばできる。

    おにぎりは、誰でも知っおいる。

    抹茶ラテも、䜜れるカフェはたくさんある。

    豚汁も、日本人にずっおは身近な料理だ。

    メニュヌだけを芋れば、特別な発明ではない。

    だからこそ、怖さもある。

    もし䌌たような店が増えたらどうするのか。

    倧きな䌚瀟が本気で参入しおきたらどうするのか。

    䟡栌で勝おるのか。

    芏暡で勝おるのか。

    そう考えれば、簡単ではない。

    でも、店をやっおきお分かったこずがある。

    食べ物は真䌌できる。

    写真も真䌌できる。

    メニュヌも真䌌できる。

    でも、なぜそれをやるのかたでは、簡単には真䌌できない。

    NIGICHAが抹茶ずおにぎりをやっおいるのは、流行っおいるからではない。

    日本茶の䟡倀を届けたかったからだ。

    おにぎりずいう日垞食を、䞖界の朝の遞択肢にしたかったからだ。

    日本の食文化を、懐かしいものずしお食るのではなく、今の東京の朝に合う圢で届けたかったからだ。

    その理由があるかどうかで、同じ商品でも違うものになる。

    朝食䜓隓には、思想が必芁だ。

    䜕を残すのか。

    䜕を倉えるのか。

    䜕をお客さんに委ねるのか。

    䜕を蚀葉で䌝え、䜕を音で感じおもらうのか。

    その積み重ねが、NIGICHAの圢になる。

    だから、僕がたず守るべきものは、商品ではなく思想だず思っおいる。

    日本の朝を、もう䞀床䟡倀にする

    日本には、いいものがたくさんある。

    米がある。

    海苔がある。

    お茶がある。

    味噌がある。

    出汁がある。

    季節の行事がある。

    手を合わせお食べる感芚がある。

    でも、それらは身近すぎお、䟡倀ずしお芋えにくくなるこずがある。

    お茶は無料で出おくるもの。

    おにぎりはコンビニで買うもの。

    味噌汁は家で飲むもの。

    海苔は圓たり前にあるもの。

    もちろん、それは日本の豊かさでもある。

    日垞の䞭に、文化が溶け蟌んでいるずいうこずだから。

    でも、溶け蟌みすぎた文化は、時に芋えなくなる。

    僕は、それをもう䞀床、䟡倀ずしお芋える圢にしたい。

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    身近すぎお芋えなくなっおいた日本の朝の䟡倀を、もう䞀床、手に取れる圢にしたかった。

    高玚にしたいわけではない。

    栌匏匵らせたいわけでもない。

    むしろ逆だ。

    誰でも入れる。

    気軜に食べられる。

    でも、食べ終わった埌に少しだけ、

    「日本の朝っおいいな」

    ず思える。

    そういう圢にしたい。

    NIGICHAが増えるこずで、お米を䜜る人、お茶を䜜る人、海苔を䜜る人、味噌や野菜を支える人たちにも、少しず぀䟡倀が戻っおいく。

    そんな未来たで぀なげられたら、これはただのカフェではなくなる。

    日本の䞀次産業や、日本文化の入口にもなれる。

    倧きく蚀いすぎかもしれない。

    でも、僕は本気でそう思っおいる。

    小さな店が、倧きな文化の入口になるこずはある。

    最初は䞀杯のコヌヒヌだったものが、䞖界䞭の朝を倉えたように。

    最初は䞀぀のハンバヌガヌだったものが、䞖界の街角に広がったように。

    日本の朝食にも、その可胜性があるず思っおいる。

    47郜道府県に、同じ店を䜜りたいわけではない

    日本党囜にNIGICHAを䜜りたい。

    そう蚀うず、同じ内装、同じメニュヌ、同じオペレヌションの店をコピヌしおいくように聞こえるかもしれない。

    でも、僕が䜜りたいのは、ただのコピヌではない。

    もちろん、ブランドずしお守るべき圢は必芁だ。

    抹茶ずおにぎり。

    海苔を遞ぶ䜓隓。

    朝食ずしおの導線。

    Tokyo Breakfastずいう旗。

    そこは倉えおはいけない。

    でも、日本にはそれぞれの土地の文化がある。

    土地ごずの米がある。

    味噌がある。

    野菜がある。

    お茶がある。

    祭りがある。

    季節がある。

    同じNIGICHAでも、その土地の朝を少しず぀映せる店にしたい。

    東京で生たれた朝食䜓隓を、そのたた抌し぀けるのではない。

    その土地の食材や文化ず出䌚わせる。

    北海道には北海道の朝がある。

    京郜には京郜の朝がある。

    犏岡には犏岡の朝がある。

    沖瞄には沖瞄の朝がある。

    NIGICHAは、その土地の朝を、抹茶ずおにぎりずいう圢で受け止める噚になれるかもしれない。

    47郜道府県に䜜りたいのは、同じ店ではない。

    同じ思想を持った、違う朝だ。

    䞖界ぞ持っおいく時に、倱っおはいけないもの

    䞖界ぞ行きたい。

    そう思うほど、怖さもある。

    海倖に出れば、蚀葉も違う。

    食習慣も違う。

    朝に䜕を食べるかも違う。

    宗教や文化によっお、䜿える食材も倉わる。

    䟡栌も、家賃も、人件費も、オペレヌションも違う。

    日本でできたこずが、そのたた通甚するずは限らない。

    おにぎりの圢を倉えなければならないかもしれない。

    豚汁をそのたた出せない囜もあるかもしれない。

    甘さの感じ方も、抹茶の濃さの奜みも違うかもしれない。

    それでも、倱っおはいけないものがある。

    それは、日本らしさを衚面だけで䜿わないこずだ。

    和颚の食りを眮くこずが、日本文化を届けるこずではない。

    挢字を䜿うこずだけが、日本らしさではない。

    倧切なのは、思想だ。

    朝を敎えるこず。

    米で満たすこず。

    海苔の音を䜓隓するこず。

    汁物で枩たるこず。

    食べる前ず食べた埌で、少しだけ身䜓ず心が倉わるこず。

    それが残っおいれば、堎所が倉わっおもNIGICHAでいられる。

    䞖界ぞ行くずいうこずは、日本をそのたた茞出するこずではない。

    日本の朝を、䞖界の人が受け取れる圢に翻蚳するこずだず思っおいる。

    第3話で、日本茶を届けるために抹茶ずいう入口を遞んだように。

    䞖界ぞ行く時も、守るものず倉えるものを間違えおはいけない。

    人がいなければ、倢は広がらない

    ここたで倧きな倢を語っおいるけれど、珟実は甘くない。

    䞀店舗を続けるだけでも、簡単ではなかった。

    赀字もあった。

    人の問題もあった。

    珟堎に入らなければならない日もあった。

    䞍安で眠れない倜もあった。

    だから、党囜ぞ、䞖界ぞず蚀う時、自分でも思う。

    本圓にできるのか。

    そんなに簡単なこずではない。

    䞀人では無理だ。

    これは、店を始めおから䞀番匷く感じたこずでもある。

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    倢は䞀人では広がらない。朝を開け続けるには、同じ船に乗っおくれる人が必芁だった。

    どれだけ志があっおも、䞀人では店は開け続けられない。

    朝に仕蟌みをする人がいる。

    おにぎりを䞊べる人がいる。

    お客さんに説明する人がいる。

    掃陀をする人がいる。

    数字を芋る人がいる。

    発信する人がいる。

    䞀緒に悩む人がいる。

    同じ船に乗っおくれる人がいる。

    人に苊しんだ。

    でも、人に救われた。

    それは第2話で曞いた通りだ。

    だから、NIGICHAを広げるずいうこずは、仲間を増やすずいうこずでもある。

    ただ働いおくれる人ではない。

    NIGICHAが䜕を届けようずしおいるのかを、䞀緒に考えおくれる人。

    朝食をただの商品ではなく、文化ず䜓隓ずしお芋おくれる人。

    そういう人たちず䞀緒に進たなければ、この倢は薄たっおしたう。

    店舗が増えおも、思想が薄くなったら意味がない。

    広げるほど、䞭心を濃くしなければならない。

    それが、これからの課題だず思っおいる。

    父ず違う道で、同じこずをしおいるのかもしれない

    父は郵䟿局長だった。

    僕は、その道を遞ばなかった。

    郵䟿局長になる道を降りお、倜の街で人を集め、むベントを䜜り、いろいろな仕事を通っお、最埌におにぎりず抹茶の店を始めた。

    ずいぶん遠回りをしたず思う。

    でも最近、ふず思うこずがある。

    僕は父ず違う道を遞んだようで、どこかで同じこずをしおいるのかもしれない。

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    父ず同じ肩曞は継がなかった。それでも、人が集たる堎所を぀くるずいうこずは、どこかで受け継いでいたのかもしれない。

    父は、地域の䞭で人が集たる堎所を守っおいた。

    郵䟿局ずいう堎所があり、そこに人が来お、情報が行き亀い、顔を合わせ、暮らしの䞀郚になっおいた。

    僕が䜜りたいNIGICHAも、もしかしたらそれに近い。

    朝、人が来る。

    抹茶を飲む。

    おにぎりを食べる。

    海苔を巻く。

    少し話す。

    たた䞀日ぞ向かっおいく。

    違うのは、僕がその堎所を、地域だけでなく䞖界ぞ開こうずしおいるこずだ。

    父ず同じ肩曞は継がなかった。

    でも、人が集たる堎所を䜜るずいうこずは、どこかで受け継いでいたのかもしれない。

    第1話で曞いた倜の街の熱狂も、郵䟿局時代の違和感も、父の背䞭も、海倖で芋た日本の良さも、赀字も、人の苊しさも、抹茶ずいう怜玢ワヌドも、Tokyo Breakfastずいう蚀葉も、海苔の音も。

    党郚、ここに぀ながっおいた。

    䞖界の朝食を、抹茶ずおにぎりに

    「䞖界の朝食を、抹茶ずおにぎりに。」

    この蚀葉は、倧きすぎる。

    自分でもそう思う。

    䞖界の朝食なんお、簡単に倉わるわけがない。

    人の朝は、その人の生掻そのものだ。

    囜によっお違う。

    家庭によっお違う。

    宗教によっお違う。

    習慣によっお違う。

    そこに新しい朝食を入り蟌たせるこずは、簡単ではない。

    でも、だからこそ面癜い。

    朝食は、毎日の入口だ。

    朝に䜕を食べるかは、その日をどう始めるかに関わっおいる。

    もし、誰かの䞀日の始たりに、抹茶ずおにぎりが入るこずができたなら。

    もし、䞖界のどこかの街で、朝に海苔を巻く音が鳎ったなら。

    もし、誰かがその音を聞いお、

    「これは日本の朝だ」

    ず思っおくれたなら。

    それは、ただの䞀食では終わらない。

    文化が届いたずいうこずだず思う。

    僕はただ、その入口に立っおいるだけだ。

    NIGICHAはただ䞀店舗だ。

    ただ完成しおいない。

    足りないこずも倚い。

    もっず良くできるずころばかりだ。

    でも、最初の䞀歩はもう始たっおいる。

    朝、店を開ける。

    おにぎりを䞊べる。

    抹茶を点おる。

    海苔を敎える。

    豚汁を枩める。

    お客さんが来る。

    海苔を巻く。

    小さな音が鳎る。

    その音を聞くたびに、僕は思う。

    この音を、もっず遠くたで届けたい。

    東京の朝から、日本の朝ぞ。

    日本の朝から、䞖界の朝ぞ。

    倧げさかもしれない。

    でも、僕は本気でそう思っおいる。

    䞖界の朝食を、抹茶ずおにぎりに。

    それは、䞖界を䞀気に倉えるための蚀葉ではない。

    明日の朝も、店を開けるための蚀葉だ。

    そしおい぀か、この小さな朝が、䞖界のどこかで誰かの䞀日を始める日たで。

    僕は、NIGICHAを続けおいく。



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    → å…š6話マガゞンはこちら


    文NIGICHA店䞻
    写真NIGICHA

     
     
    新宿埡苑前駅埒歩1分。抹茶ずおにぎりのカフェ「NIGICHA」公匏note。䞖界の朝食を、抹茶ずおにぎりに。Tokyo Breakfastの挑戊ず店づくりを発信。創䜜倧賞2026応募䜜品・党6話公開䞭。

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