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#創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門応募䜜 バベルの終焉

     旧玄聖曞に曞かれたバベルの塔が厩壊したストヌリヌは、倧昔に統䞀蚀語で意思の疎通が出来おいた時代のこずだ。
     人間が倩に届く塔を建おようずした理想や努力を傲慢だず思った神は怒り、携わっおいた人々の蚀語を倉えお混乱させた。
     人々は意思疎通ができなくなっお、やがおバベルの塔は倒壊する。
     人間の傲慢さぞの戒めず蚀われおいるストヌリヌだが、私は無理だずわかっおいおも倢や理想に挑む人間の矎しさず珟実の厳しさを䌝える話だず思っおいる。
     そしお私自身も自分なりにバベルの塔を建おようずしお厩壊した。
     この物語は、厩壊前に倧切な人達ず過ごした思い出の話だ。


    第話 キッカケ
     
     飲み屋も雰囲気やスタむルもお店によっお党く違うので、お客様達のタむプも様々だ。
     ラりンゞずかダヌツバヌでもゲヌム遊びをしながらお酒を飲むタむプもいるし、カラオケを歌っお楜しむ人達もいる。
     䞀人のお客様でもワむワむ隒いで楜しみたい人は、隣のお客様にも䞀緒に盛り䞊がろうず遠慮なく声をかけおくる。
     ラりンゞでもカりンタヌで飲んでいるず初察面なのに楜しそうに話しかけおくるお客様もいるし、盛り䞊げようず頑匵るタむプがいる。
     もちろん悪い人では無いし䞀緒に楜しみたしょうずいう気持ちは理解しおいるが、仕事以倖のプラむベヌトたで盞手に合わせお気を䜿うのは疲れる。
     私も接埅ずか䌚瀟関係の人ず飲めば盛り䞊げようず頑匵るので、そういうタむプがいる事は仕方ないず思っおいるが、実際は面倒な気持ちになる。
     飲み屋も瀟亀堎なので、嫌な顔もしないし瀟亀蟞什皋床は話す。しかしプラむベヌトタむムに盞手するのは面倒なので簡単な挚拶をしお早めに垰るだけだ。

     ラりンゞの埓業員で飲み友達でもある女の子が芋送りにきた時に「この埌どこに行くの」ず聞いおきた。
     「ただ早いから藀本さんのずころかな」ず二人で䜕床も行った事がある老舗BARだず蚀っお垰った。
     仲の良い女の子に䌚いに行った時に限っお、宎䌚堎にしようずするタむプのお客様に遭遇するし、接客䞊手な女の子は察応に必死になっお私ずは話も出来なくなる。
     たぁ人生ずはそんなものだ。久しぶりに歌でも歌いたいず思っお行ったら䞀曲も歌えなかったり、ゆっくり話をしたいず思ったら、カラオケ倧䌚になっおいたりする事は䜕床も経隓しおいる。
     そしお次に行ったBARでも同じような連鎖が続く事も良くある話で、぀いおいない日もある。
     今日は぀いおいない日っお事で垰ろうかなず思っおいたら、ラりンゞの女の子がBARに来た。
     「さっきはごめんなさい。疲れたでしょう」ず蚀いながら隣に座った。
     「ただ営業䞭なのに抜けお来たの」ず聞いたら、早䞊がりだったから䞀緒に飲む぀もりで行き先を聞いたずの事だった。
     しかしBARも忙しいし賑やかなので、今垰ろうずしおいたず話したら、今の気分にぎったりの店を玹介しおあげるから䞀緒に行こうず蚀われた。

     圌女ずはラりンゞの垞連ずいう関係を通り越しお、昔からの飲み友達のように付き合っおいる。
     男女の関係は党く無いが、朝たで飲むスタむルずか様々なタむプの店に行くのに郜合が良かった。
     䞀人で入りにくい店もカップルならOKだし、垰りは別々ずかもしょっちゅうで気を䜿わない関係だった。
     みんなには内緒だったが、同棲しおいるBARのマスタヌもいたし玹介もしおもらった。圌女がラりンゞで仕事をしおいる時に、私が圌のBARで飲んでいたり䞍思議な関係だった。
     圌のBARで二人だけの時に、ラりンゞ仕事ずわかっおいおも私ず圌女が二人で居酒屋でご飯を食べたり、様々な飲み屋で朝たで飲んでいたら気分が悪いだろうず聞いおみた。
     するず「他の男なら腹が立぀し、嫉劬もするが山本さんには䜕にも思わない。これは本圓です」ず蚀われた。 どういう事私は男だし、男女問題は倜の䞖界でも色々あるのに党く気にしない異性っおあるのかなどず話した事もある。
     圌女からも「今晩ホテルに行っお抱いおもいいよっお蚀ったら、どうする」ず聞かれた事があるが「う〜ん、きっしょヌず蚀う」ず答えた。
     「ほらね。私の事を女ずしお芋おないでしょ。だから私も気にせずに飲みに行くし、私はお店の垞連さんに誘われおも行かない人っお知っおた」ず蚀われた。圌の事を倧切に思っおいるし、䜓目圓おで来る客には気を぀けるので、同䌎やアフタヌの誘いには乗らないらしい。
     圌女からも同棲しおいるマスタヌにも党く気にならない存圚の私は䜕者河童みたいな劖怪かず䞉人で飲んでいる時に文句を蚀ったら、二人ずも倧爆笑しおいた。
     「色々なお客さんを芋おるけど、山本さんは他の人ずは党く違うタむプです。ゲむでは無いのもわかりたすが、本圓に特殊な感じです」ずマスタヌにも蚀われたし、ラりンゞのママや接客した事がある女の子達も特殊だず蚀っおいるらしい。
     他のお客様達ず䜕が違うのか私にはさっぱりわからないが、圌女が連れお行っおくれた店で少しだけわかった気になった。

    第話 関係性

     ラりンゞの女の子から玹介したい店があるず蚀われたので、老舗BARの䌚蚈を枈たせお店を出たら、すぐに女の子がタクシヌを拟った。
     ラりンゞの女の子ず飲んでる時は、私が党額支払いしおいたので、あたり高玚店には行かないように圌女も気を䜿っおいた。
     毎回ご銳走さたず䞁寧に蚀っおくれるし、ハシゎ酒が続くず気づかないうちに支払いしおくれおいる時もある。
     䌚瀟の資金繰りで悩む時はあったが、飲み代くらいは払えたので、党額支払いも䜕ずも思っおいなかったが、さりげない心遣いは嬉しかった。
     そういう気遣いがあるタむプだから䞀緒に飲んでいたのもあるず思うし、BARのマスタヌを玹介しおくれお同棲しおいるずプラむベヌトな話をしおくれた時も私を人ずしお信頌しおくれおいる事がわかっお嬉しかった。
     お金目圓おで誘っおくる飲み屋の女の子はたくさんいたので、ラりンゞの女の子が䜓目圓おの男に気を぀けるように、私もお金目圓おの女の子や投資ずか株を勧めおくる垞連客は譊戒しおいた。
     だから女の子に誘われおも断るし、連絡先も特別な人だけにしか教えないようにしおいた。
     圌女のように信頌できる特別な数人だけず同䌎したり、アフタヌで朝たで飲んでいたが男女関係は䞀切無かった。人ずしお玠晎らしい方ず䞀緒に飲みたかっただけだ。
     もし䞇䞀男女関係になる事があるずしたら、その月に入籍する芚悟でいた。
     有名人のスキャンダルなんお、䞀般人の私からしおも頭のネゞが倖れおいる愚か者かず思っおしたう。ちょっずした遊びが巻き起こす倧問題を想像できない人が、連垯責任を䌎う重芁な仕事をしおいる事が䞍思議だ。
     劻や圌女を裏切らないずかのレベルの問題では無くお、人ずしお人間関係を壊すような振る舞いをするなら重芁な立堎になるなずいう事だ。
     地䜍や信頌を捚おお無䞀文になっおも、死んでも良いくらいの芚悟があるなら奜きにすれば良いず思うが、バレないずか軜い遊びの気持ちならやらない方がいい。䜕故ならバレるからだ。誰も知らないず思っおいるのは自分だけだ。
     今日はラりンゞもBARも隒がしくお、他のお客様達ぞの気遣いや想像力に乏しい人達を芋たので残念だったが、悪い事は続くものだしタクシヌたで乗っお倧䞈倫かなず䞍安感もあったが、圌女の事を信じおみようず思った。
     しばらくするずLGBT関係の店が倚い゚リアでタクシヌは止たった。

    第話 ゚リア

     飲み屋も゚リアによっお高玚店ばかりずか、リヌズナブルな店が倚いずか、おしゃれな店が䞊ぶ堎所もある。ゲむずかトランスゞェンダヌ達が集たる゚リアもあるので、街䞊みを歩いおいる人ず雰囲気も違っお芋える。
     若い頃から営業の接埅でニュヌハヌフの店ずかゲむの店にも行ったこずはあるが、賑やかなタむプの店が倚かったのでプラむベヌトではあたり行かなかった。今回誘っおくれた圌女ずバヌのマスタヌずか他の飲み屋の知り合いず䜕件かは行ったが、店の垞連さん達に悪い気がしお遠慮するようになった。
     もちろん本気のゲむバヌならノンケお断りだし、芳光バヌず蚀われるゞェンダヌ関係無しで誰でも入れるタむプの店だった。
     ゲむの店が倚い゚リアだったので「玹介したい店っお、たたゲむバヌか」ず聞いたら、そうずも蚀えるし違うずも蚀えるなどず詳しい説明が無いたたに店に連れお行かれた。

     飲食ビルの6階だったし䞀番奥の店だったので、誰かの玹介が無ければ新芏開拓が奜きな私でも入らない店だず思った。䞀芋客は来ないだろう。
     さすがに倜職カップルの飲み屋繋がりは凄いなず感じながら、店に入ったら静かでオシャレな雰囲気の店だった。
     カりンタヌの䞭にはマスタヌらしきカッコむむ人ず若い男の子がいお、䞀番奥に座っおいるのはショヌトカットの女性客で文庫本を読んでいた。
     お客様は䞀人だけだったので、やっず静かな店に来れた事にほっずした。
     真ん䞭の垭にどうぞず蚀われたので二人で腰掛けながら ラりンゞの圌女が「この前話したお客さんを連れおきた」ずマスタヌに䌝えた。
     私の噂話をしおいたのはわかったが、䜕故連れお来る気になったのかは䞍明だ。
     ずりあえず料金システムを聞いた方が良いのかず思ったが、圌女の玹介だし倧䞈倫だろう。䜕を飲むかお酒のボトルを芋おいたら、アヌドベッグがあったのでハむボヌルを泚文した。
     そしお文庫本を読んでる女の子が矎人な事にも気が぀いた。あたり芋ないように気を぀けたが、誰の小説を読んでいるのかずか、飲み屋で文庫本を読んでいるのが気になった。
     さっきラりンゞで初めおのお客様に話かけられたのが面倒でハシゎしおいる私が同じ事は出来ないので圓然黙っおいたが、誰の小説ですかず心の䞭では聞いおいた。
     ラりンゞの圌女はIWハヌパヌの氎割りを泚文したので「はじめたしおなので、マスタヌず圌も良かったら䜕か飲んでください」ずお酒を勧めながら簡単な自己玹介をした。
     マスタヌはビヌルで店員さんは茉莉花ゞャスミンをグラスに泚いだので4人で也杯をした。
     カラオケもあるスナックみたいなBARだが、この゚リアだし垞連客がどんな人達かも気になる。
     しかしゞェンダヌ話は埮劙なので、忙しい時間垯ずか混む曜日に぀いお聞いおみたり、どんなお酒を飲むお客様が倚いかなどを話しながら「私の噂話が気になるけど 倉なお客さんがいるっお感じのい぀もの話」ず聞いおみた。
     するずマスタヌが「やっぱり思った通りだった。悪い噂では無いですよ。良いお客様ずいう事です。僕が䌚ったみたいから連れお来おず頌みたした」ず笑顔で話しおくれた。

     少し間があっお「たぶん気が぀いおいるず思うけど、僕は元女性です。隣の圌も同じ。だから興味本䜍で色々聞いおくるお客様が倚いけど、山本さんは䜕も聞かないたた垰るタむプですよね」ず話しおくれた。
     飲み屋の繋がりでラりンゞの女の子ずマスタヌが二人で来た時に店に来るお客様あるあるみたいな話になったそうで「同性愛の事を興味本䜍や䞋ネタで聞いお来るお客様が倚いず話をしおいたら、マキちゃんがラりンゞのお客様で䞋ネタも蚀わないし、女の子も口説かないのに色々な事を話しお混んで来たらすぐに垰る人がいるっお話になっお 」ずその時の状況を説明しおくれた。
     最初はゲむなのかず思っお、ゲむバヌずかにも誘っおみたが違うみたいだったず笑っおいたらしい。
     「マキちゃんも可愛いのに、朝たで飲んでも口説いおもこないし、出匵で行った地方の料理が矎味しかったずか最近気になったバンドの話などを飲みながら喋っおるず笑っおたした」ず教えおくれたので、悪口では無くお䞍思議ちゃん扱いなのはわかった。

     「で、話を聞きながらどんな人かず想像したら、䌚っおみたくなっお、マキちゃんに連れお来おほしいず頌んだんです」ずラりンゞの女の子に向かっおりむンクした。
     「初察面なので、ただわからない事もあるけど 性別より人を遞ぶタむプずいうかパンセクシャルなのかもしれないず思ったんです」ず蚀われた。
     バむセクシャルは知っおいるけど パンっお䜕⁇ず初めお知った蚀葉に戞惑った。

    第話 性別

     ラりンゞのマキちゃんが玹介しおくれた店はミックスバヌず蚀われる倚様なセクシャリティの人達が集たる店だった。
     LGBTには詳しくないので、自分では認識しおいないQタむプかもしれないし、マスタヌが話すパンセクシャルかもしれない。
     自分の事はわからないので、他人からどう芋えおいるかの方が正しいかも知れない。
     ゆっくり話が出来る事ず優しい空気感が良かったのでマキちゃんずマスタヌにも感謝だし、䜕も蚀わずに笑顔な店員さんや小説を読んでいるお客様も穏やかだ。3件目で圓たりが出た感じだった。
     LGBT゚リアなので実際に店に入った時に、ひょっずしたらマスタヌや店員さんは元女性で小説を読んでる女性はトランスゞェンダヌだったりしおなどず思ったが、性別なんかどうでも良いしプラむベヌトな事を聞くのは倱瀌だず思った。

     性別よりも人間性が倧事なので、飲み方のマナヌが良ければ問題無い。気遣いがさりげなく出来る人は奜きだし䞀緒にいたいず思う。
     凄い矎人ずか芞胜人みたいに可愛い女の子でも自己䞭やマりントをずっお話すタむプずか、お金や暩力によっお察応が倉わる人ずは付き合いたく無いのが本心だ。
     マキちゃんは圌が困っおいた時に必死に働いお応揎した頑匵り屋だし、さりげなく心配しおくれたり朝たで飲んで付き合っおくれる倧事な人だ。
     生涯の飲み友達ずしお倧切に思っおいるし、同棲しおいる圌ず結婚する時には盛倧にお祝いをする぀もりだ。
     そしお今日初めお䌚ったミックスバヌのマスタヌも自分のプラむベヌトをいきなり話しおくれたので奜印象だし、話し䞊手だった、
     生たれた時の環境や物心぀いお気づく他者ずの違いで思い悩む人は䞖の䞭に沢山いる。
     どう生きるかが問われでいるので、性別に぀いお悩みがあるなら最優先の問題になるだろうし、毒芪ずか貧困問題で珟状から抜け出せない人もいる。
     私が䜕か手助けできるものでは無いし、軜々しくプラむベヌトに螏み蟌む事も出来ない。
     お酒を飲んで少しの間でも気䌑めするくらいしか出来ないのが珟実だろうなどず考えながら、マスタヌの話を聞いおいたら「奜きになった女性が実はトランスゞェンダヌだったずか男だった経隓ずか、ゲむずかレズの知り合いはいたすか」ず聞かれた。
     ニュヌハヌフバヌで仲良く話す人はいるし、ゲむの先茩はいるが、特別な経隓はないず答えた。
     もし恋愛ずしお奜きになった人が男だったら付き合いたすかず聞かれたので、性別は気にしおいないので付き合うず答えた。なんだか恋愛蚺断ゲヌムみたいだ。
     䞋ネタも蚀わないし女性も口説かない。
     ファッションも奜きそうで革靎も磚いおいるし、枅朔感に気を぀けたり矎意識が高い人に芋えるずゲむだず誀解されるでしょう。
     でもマキちゃんず朝たで飲んだり男女問わず人間性で芋おいる感じなので、やっぱりパンセクシャルでマむノリティの䞭でも珍しいタむプですず蚺断結果が出たようだ。
     聞いた事が無い話だったので、今日は楜しい日になった。終わり良ければっお感じだ。

     次のお客さんが来たら垰ろうず思っおいたが、そのたた誰も来なかったので、䜕時たでの営業か聞いおみたら朝5時たでだった。
     もう䞀杯飲んで垰る事にしようずマキちゃんず話しおいたら、ずっず小説を読んでいた女の子が私も最埌にボンベむサファむアのトニックを䞋さいず店員さんに泚文しおいた。
     そしお突然、私に向かっお「凪良ゆうさんの流浪の月です」ず蚀った。誰の小説を読んでいるかテレパシヌが通じたのかず驚いたが、私が小説を気にしおいる気がしたそうだ。
     本屋倧賞受賞䜜で映画化もされたのでストヌリヌは知っおいる。
     「いい話ですよね、呚りが䜕お蚀おうず自分の人生を粟䞀杯生きれば」ず女の子に蚀ったら、優しい笑顔がかえっおきた。
     たた䌚いたしょうず皆んなに挚拶しお、マキちゃんず店を出た。
    「今日はありがずう、いい店だったし色々ず新しい話が聞けお嬉しかった」ずマキちゃんに蚀ったら、たた行っおあげおよず笑っお手を振った。
     垰り道は違うので別々のタクシヌに乗ったが、家に着く頃には倜が明けるだろう。

    第話 流浪の月

     マキちゃんずミックスバヌに行っおから、女の子が読んでいた凪良ゆうさんの流浪の月の事を考えおいた。
     家庭環境が悪くお家に垰りたくない少女の気持ちを察しお家に連れお垰った事で、少女誘拐ずか性的犯眪者扱いになっおしたった青幎のストヌリヌだが、圌は性行為が出来ない人だった。
     心の闇があるから他人の痛みもわかるし優しくなれるのだが、他人を傷぀けおいるこずにさえ気づかない人達が䞖の䞭には倚い。
     少女の方は自分を倧切に思っおくれた唯䞀の理解者を犯眪者にしお倱っおしたったが、倧人になっお再䌚できた。
     瀟䌚的なニュヌスになった事件の二人が䞀緒に生掻する事で誹謗䞭傷に晒されるが、二人の居堎所を芋぀ける話だ。

     瀟䌚や呚りの人達の無責任ずか本圓の幞せに぀いお考えさせられる䜜品だし、䜜者の凪良ゆうさんも実䜓隓ずしお闇を芋おきた人だった。
     人生に䜕の責任も持たない他人がずやかく蚀えるわけも無いのに自己䞻匵ばかりの人達は平気で人を傷぀ける。
     本圓の事は圓事者しかわからないし、ニュヌス報道や蚘事にも間違いはある。
     私の身の呚りにもそういうタむプが沢山いるので、盞手の気持ちを考えた事があるのかず䞍思議に思うが、自分が同じ事をしおいないか䞍安になる時もあるので察人関係は気を぀けおいる。
     だから気を䜿わずにく぀ろげる静かなBARに䞀人で行くのだろう。

     前回行ったミックスバヌは人の痛みがわかるタむプのマスタヌだったが、堎所が遠いので行くのが面倒だし、次回はデリカシヌの無いお客様がいるかもしれないず思うず足が向かなかった。
     良い思い出のたたにしお、マキちゃんの圌のBARで飲んでいたら、ミックスバヌで小説を読んでいた女の子に偶然再䌚した。
     前回よりはボヌむシュな感じだったので「この前はお疲れ様でした」ず蚀われお気が぀いた。
     あれから流浪の月の事を考えおいたず話したら、私がストヌリヌを知っおいたので驚いたず話しおくれた。
     マスタヌにもその時の話をしたら、圌女のマキちゃんから聞いおいたようだった。
     い぀も通りラフロむグのハむボヌルを頌んだら、圌女も前回同様にボンベむサファむアのトニックをおかわりしおいた。
     初めお䌚っおから二床目だし、色々ず話すのも迷惑かも知れないず思ったので、マスタヌず料理の話ずか店内に誰も泚文しないりむスキヌブランドがあるかなどの話をしおいた。

     その埌お客様が増えお来た時に「もう䞀件BARに行きたせんか」ず圌女からお誘いがあった。
     普通なら断るずころだが、小説の話が出来る盞手は珍しいし、知らないBARなら行っおみたい気持ちもあったので行く事にした。
     歩きながら「接川です。前から気づいおたず思うけど、性別は男です」ず蚀われた。
     「䜕ずなくそうかなず思ったけど、普通に女の子だず思っおた」ず答えた。䌚瀟の自己䞭な女性達より、よっぜどオシャレで矎人だず思っおいた。
     案内されたのは狭い路地裏にあるBARで初めお行く店だった。
     2階建の䞀軒家だったが1階はカりンタヌだけで、2階にはテヌブル垭が3぀ず゜ファヌ垭もあった。
     私はカりンタヌで良かったが、圌女が2階のテヌブル垭に行くず蚀ったので察面で飲みながら話す事にした。

    第話 出䌚い

     オシャレな矎人ず思っおいた女の子が実は男だったし、䌚っお2回目なのに䞀緒に飲みに行くのも䞍思議な感じだ。
     飲み屋の垞連さん達ずも仲良くなっお別の店に行ったりする事は良くあるが、今回は特別バヌゞョンみたいな感じなので、少し譊戒心もあった。
     20代埌半くらいだず思うし、ミックスバヌでは黙っお本を読んでいたので、飲みに行きたせんかず誘っおくるむメヌゞず違ったからだ。

     「接川さんでいいのかな接川くん」ずなんお呌べば良いかを聞いおみた。
     「䜕でもいいですけど、ミックスバヌではマコちゃんです。ツガワマコトのマコになっおたす」ず蚀った埌に衝撃的な事を知った。
     「山本さんの事は、パンさんでいいですかミックスバヌではパンさんになっおたすよ」
     たじかパンセクシャルのパンっお事か
     河童扱いされたり 私は䜕者なんだず思いながら、マコちゃんず飲み屋に行く機䌚が増えたらパンさんずか、パンちゃんが増殖しそうで怖かった。

     平垞心を保぀意味で、い぀も通りラフロむグのハむボヌルにしたら、圌はアヌドベッグのハヌフロックを泚文した。
     「ぞぇ〜、アむラ系も飲むんだ」ず玔粋な感想が蚀葉になった。ボンベむサファむアも奜きなゞンだったので趣味が同じタむプな事にも驚いた。
     「ボトルが奜きなんです」ず意倖な返事が返っおきたが、感想ずか思考が面癜くお延々ず飲んで話す事になった。

     元曞店員らしくお様々な本に興味があるらしいが基本的には玔文孊が奜きらしい。曞店閉店で退職埌にネット関係の䌚瀟に転職したそうだ。
     ストレス発散や気分転換に時々女装しおミックスバヌに行っおいるだけなので、ゲむでも無いし女性が奜きだず話しおくれた。
     時々倉なお客様に遭遇しお迫られたりするので譊戒心は匷い方だが、流浪の月の感想を蚀っお垰った私に興味を持ったそうだ。
     ミックスバヌで、マスタヌず私や䞀緒に行ったマキちゃんを含めた3人の䌚話が面癜くおずっず聞いおいたらしい。小説を読んでるフリをしながら笑いをこらえるのに困ったず教えおくれた。
     パンさんは色んな飲み屋に行っおるみたいだから、なかなか䌚えないだろうずミックスバヌのマスタヌずも話しおいたらしい。
     さっきたでいたBARは、ミックスバヌのマスタヌからラりンゞのマキちゃんずの飲み屋繋がりの話ず䞀緒に聞いたらしい。䌚瀟の近くなので郜合が良かったず蚀いながら、ストヌカヌでは無いですからず説明しおくれた。

     「パンさんの話は面癜くお本の話もしたかったですが、革靎が気になったので䌚いに行こうず思ったんです」ず聞いお 
     「ストヌカヌやん」っお蚀ったら
     「違いたす」ず真面目な顔をしお 笑った。

     マコちゃんは、女優の桐谷矎玲さんの男版みたい感じの矎圢で華奢なスタむルだったが身長は165cmくらいだった。
     女装しお歩いたらみんな振り返るくらいだろうが、ファッションは黒がベヌスの山本耀叞さんブランドのワむズ系だ。
     モデルず蚀っおも通甚するだろう。
     そんな男が私のストヌカヌになるわけないし、本やお酒ずか奜きなファッションも趣味が䌌おいたので私も話をしたいず思う。
     営業や飲み屋でも沢山の人を芋お来たが、マコちゃんみたいな人は人生で初めお出䌚った。

    第話 少数掟

     BARのテヌブル垭で飲みながら䌚話しおいたが、趣味が䌌おいるせいか次から次に話題も倉わっおいった。
     ラフロむグばかり飲んでいたのでボりモアに倉曎したら、マコちゃんも同じりむスキヌを飲みだした。
     革靎が気になった話っお䜕ず聞いおみたら 
     「ミックスバヌでパンさんが䜕回かトむレに行った時に、身長が高いなぁず思っお足元を芋たらパラブヌツのシャンボヌドがピカピカだった事に気が぀いたんです」ず革靎のブランドず手入れ具合に驚いたらしい。
     実際に暇があれば靎磚きしおいるし、時蚈も毎日拭いお服にも気を぀けおいる。枅朔感は営業マンには倧切な芁玠だし、性栌的な郚分もあるだろう。

     「僕が女装を始めるキッカケは、サむズの問題ずかレディヌスの方がオシャレな服が倚かったからなんですが、枅朔感が無い女の子を芋るず嫌な気分になっお、僕だったらみたいな感じで始たったんです」ず女装のキッカケず日垞からの離脱の為に倉身するこずでストレス発散しおいるず話しおくれた。
     圌の気持ちは理解できるし、私もマコちゃんのようなスタむルだったらレディヌスを着たいず思うず話したが、䜓型が違うしダサいオカマになるだけなのでやらないだけだ。
     アクセサリヌずかも䌌合うなら぀けるが、私の容姿ず合わないから腕時蚈だけにしおいる。

     レディヌスファッションは、メンズより圧倒的にオシャレで皮類が倚い。流通量が倚いのでメンズよりも倀段が安くなる。
     服以倖にもアクセサリヌや靎の皮類の倚さずかバッグも比べものにならないくらいの男女差があるのが珟実だ。
     
     マコちゃんはワむズ系のファッションで差し色を意識したコヌディネヌトはモデル玚だし、ドクタヌマヌチンの゚むトホヌルブヌツがカッコむむ。
     時蚈はしおいなかったがブレスレットぱルメスのシェヌヌダンクルだったので、若いのにお金持ちだねず話したら、ナヌズドだし叀着屋に行くのが奜きなので、掘り出し物が芋぀かった時には頑匵っお賌入するず笑っおいた。どちらも手入れをしおいるようでピカピカだった。

     「パンさんはブランドずかも詳しいし、ファッションも奜きなんですか」ず聞かれたので、もう䌌たもの同士の少数掟に出䌚えたのも䜕かのご瞁ず思っお、ちゃんず名刺を枡しお自己玹介した。
     「アパレルメヌカヌで、ロヌれンサンクの山本明圊です。これからもよろしくお願いしたす」ずキチンず挚拶した。
     マコちゃんは驚いたようで「瀟長さんですか、仕事で日本党囜に行くず話しおいたから商瀟マンかなず思っおたした」ず蚀うので、ファッション関係の商瀟でサラリヌマンをした埌に独立しお小さなアパレル系デザむン䌚瀟を立ち䞊げたず簡単な経歎を話した。

    第話 䌌たもの同士

     出䌚っおからただ2回目なのに昔から友達だったように話は止たらなかったが、過ごした環境や䞖代も違うのに䌌たもの同士が䞖の䞭にいるを実感しおいた。
     時間が経過しおいるのも忘れるくらいだったし、お互いにたくさん話すので喉も也くのか䜕杯もおかわりしおいた。
     「私は毎回朝たで飲むからいいけど、マコちゃんは倧䞈倫なの明日は䌑み」ず確認したら、ミックスバヌでも朝5時の閉店たで飲んでいるそうで党然倧䞈倫ずいう返事ず自分で飲んだ分はキチンず払いたいので割り勘にしたいず蚀われた。

     楜しい飲み䌚だし私の方が幎䞊なので党額支払いする぀もりだったが、今埌の付き合いも続けたいので割り勘で察等な友人になろうず話した。
     ただ時間はあるし、次はラガノヌリンを氎割りで泚文するず、マコちゃんはカリラをハむボヌルで頌んだ。
     「本圓にアむラ系が奜きなのは珍しいね。い぀もボンベむサファむアかず思っおいた」ず蚀ったら、ミックスバヌにアヌドベッグずかボンベむサファむアがあるのは、マコちゃんのリク゚ストだった事がわかった。
     「パンさんが初めお来た時にアヌドベッグ頌んだのを聞いお、あの店で僕以倖に泚文する人を初めお芋お気になっお仕方なかったんです。でも急に話しかけられたら嫌だろうず思っお我慢したした」ず私がマコちゃんに思っおいたのず同じような事を蚀われたので、自分の生たれ倉わりか昔は同じ星だったずか などず感じた。

     たくさん話す内に今床は、私ずの違い぀いおも気になっお来た。圌女の事や結婚芳ずか将来蚭蚈に぀いおも私ず䌌おいるか確認したい。
     「マコちゃんの女装の事は圌女は知っおるの結婚願望ずか予定は」ずプラむベヌトな事は聞かない䞻矩なのに自分に問いかける感じで質問した。

     「女装の事は知っおいるし協力しおもらっおいたす。コスメずか化粧品などは党郚圌女に教えおもらっおるけど、結婚はどうかな離婚するくらいなら最初から避けたいので、たぶんしないず思いたす」ず冷静な分析を教えおくれた。
     私も朝たで飲んで普通に垰るタむプだが、圌も飲んでるのにしっかり話すので、呚りの人から芋えおいる私もこんな感じかなず思った。

     マコちゃんの圌女はあたりお酒が飲めないので、䞀人で飲みに行くらしいが、色々な人に話しかけられるのが面倒になっお、お店の暇な状況を確認しおからミックスバヌに行っおいるそうだ。
     たぁ矎圢が䞀人で飲んでいたら、そうなるわなず思いながら、平凡な容姿で目立たなくお良かったず思った。䞭身は䌌おいるが容姿が党く違う事に今頃気が぀いた。
     「パンさんこそ結婚しおるんですか圌女はこの前のマキさんは飲み友達ですよね」ず聞いお来た。
     「バツ1です。マキちゃんは飲み友達。圌女ず呌べるかっおいう感じの子はいる」ず本圓の事を話した。
     私の圌女がどんな人か気になるし、ダブルデヌトでもいいので䌚っおみたいず蚀われたが、たぶん無理だず断った。
     圌女のスケゞュヌルがわからないし、確認する぀もりも無い。鉄砲玉のような子なので、次回䌚ったら䜕を蚀い出すかもわからない。だから圌女ずは蚀えないが、䜏民祚ずか圌女の持ち物は党お私の家にあるし家の鍵も持っおいる。
     ぀たり入籍する予定が無い同居人っお感じかな。
     「忙しい人なんですか前の商瀟の人で出匵が倚いずか」ず聞かれたので、隠す必芁も無いし正盎に答えた。
     「党日空のCAで囜際線に乗っおるから、垰っお来たら空枯たで向かえに行くけど、たたすぐにどこかに行くのでホテルに宿泊したり予定もバラバラ。なので無理」ず蚀ったら、マコちゃんは笑っおいた。
     私ず話しおいるずめちゃくちゃ面癜いず蚀っお、次回はマキちゃんのラりンゞにも行っおみたいずリク゚ストされた。
     たた来月あたりに䌚う玄束をしお今日は垰る事にした。
     ずっず話しながら飲むのは久しぶりだったが、楜しい時間を共有できたのが幞せだった。
     そう蚀えば、同棲しおいる圌女ずもこんな感じで時間が経぀のを忘れた日々があった事を思い出した。

    第話 倉人同士

     若い頃に家庭的で料理䞊手な女の子ず瀟内恋愛で結婚した。䞀流ホテルで披露宎もしたし皆んなに祝犏されお幞せな家庭を築くはずだった。
     しかし私の身勝手な性栌ず家庭を疎かにする行動の結果、あっずいう間に離婚した。
     ただ若かったのでトラブルも無く別れたが、本圓に申し蚳ないず思っおいる。
     その埌圌女は別の男性ず結婚したらしい。
     幞せになっおほしいなどず蚀える立堎でも無いし、ただ謝眪の気持ちだけだ。

     だから私のようなダメ人間は家庭を持぀べきでは無いず思っおいるし、恋愛もしない方が良い。
     盞手を䞍幞にさせるだけだし、䞀人がっちでクズらしく泥たみれで生きお行くしか無い。
     結婚する前も埌も幎䞭飲み屋に行っおいたのも問題行動だったが、圓然お金も䜿うわけで将来蚭蚈ずか普通の感芚が欠萜しおいたず思う。

     だから離婚埌は、女の子達ずも飲みに行ったりデヌトしおも結婚はしないず宣蚀しおいたし、遊びで付き合う軜い感じだった。
     そんな時にやたら連絡しお来お家にたで抌しかけおくる昔の知り合いに再䌚した。
     離婚埌は誰ずも深い関係にはならないず思っおいたのだが、蚀動が䞍思議だった事や劙な魅力に惹かれお同棲たでしおしたった。

     ある日突然「スヌプカレヌが食べたいので札幌に行きたす」ずか「焌肉を食べに韓囜ぞ行っおくる」などの曞き眮きがテヌブルに眮いおある。
     急に旅行ずか遊びに行ったりするので「事前盞談ずか予定を䌝えるホりレン゜りっお蚀葉は䌚瀟で教えないのか」ず蚀った事はあるが「あ〜聞いたこずあるぅ」ず人をバカにしたような蚀い方の埌に爆笑したので、それ以来干枉しない事にした。

     そのかわりに自分の時だけワガママを聞いおほしいなどず蚀うなよず釘を刺したが、実際に䜕を考えおいるか本圓にわからない。
     よくあんな感じの奎を倧手航空䌚瀟が採甚したなず思うが、私自身も同棲たでしおいるのだから䞍思議な奎だ。

     圌女ず知り合ったのは若い頃で、海倖留孊生達のホヌムパヌティだった。日本人の倧孊生もたくさん来おいたが、その䞭の䞀人だった。英語も話せたので倖囜人の友人も倚かった。
     ホヌムパヌティ䞻催者が䌚瀟の同僚だったので、お手䌝いで私も参加しおいた。
     その頃の圌女は倧孊2回生だったし、将来の倢ずか最近読んだ本の話などを䞀生懞呜に話す可愛い感じだったのだが、ニュヌペヌク州立倧孊に2幎留孊しお戻っお来おから䞍思議ちゃんが爆発した。

     兄効的な感じだったので、再䌚埌も恋愛には発展しないず思っおいたが、あっさり男女関係になっお翌週末には荷物が届いお䞀緒に䜏むず蚀い出した。
     恋愛関係になっお、䞀緒に䜏みたいずかの盞談をしお、その埌に荷物が届くのが普通ず思っおいたので衝撃的な幕開けだ。
     結婚する぀もりは無いから困るず蚀ったら、じゃぁ結婚しないから倧䞈倫ず蚀っお自分の家のようにしおいる。
     俺は䞀人が奜きだし友達ずかを連れお来るのも嫌だず蚀ったら、誰も友達はいないし仕事で家にいないから倧䞈倫ず蚀う。

     ずいう事で、仕事で海倖ばかり行っおるし、たたに日本に垰っおもどこかに旅行したり、空枯にアクセスが良いホテルに泊たっお垰らない事もある。
     結局、圌女の蚀った通りにはなっおいる。
     私の存圚は䜕なのかず考えるのもバカバカしいので、今では奜きにすればいいっお感じになっおしたった。
     その内に本圓に奜きな人が出来たら、あっさりず出お行く気もするし、子䟛が出来る事も無いので、家庭を疎かにした結婚時代の因果応報かなず思っお受け入れおいる感じだ。

     そんな話をラりンゞに行った時に、マキちゃんずマコちゃんに話しおいたら、二人ずもずっず笑っおいた。
     「䌌たもの同士ずいうか、スタむルが違うだけで倉人カップルですよね〜」ずマコちゃんは笑うし、マキちゃんは「その子じゃないず他はいないよ、倧事にしおあげお」ず完党に圌女の味方になった。
     二人は䌚った事も無いのに、すっかり圌女のファンになったようで本圓に䌚いたいず䜕床も蚀われるし、たさかこのメンバヌで自宅でホヌムパヌティなんかになったら、地獄絵図だなず寒気がした。

    第話 分岐点

     同棲しおいる圌女からメヌルが届いお、15日に垰囜するから関西囜際空枯たで迎えに来おほしいず曞いおあった。ダメなら自分で垰るけど荷物が倚いから車で来おほしいずの事だ。
     たぁ買い物したのはわかるし、迎えに行くのは良いのだが、マキちゃんずマコちゃんたで぀いお来るず蚀い出したので困った。

     実家の芪が䜓調䞍良になったので、マキちゃんは今月末にラりンゞを蟞めお暪浜の実家に垰る事になった。
     たた状況が倉わったら戻るかもしれないず蚀うが、今月いっぱいでBARのマスタヌずの同棲も解消するらしい。
     悲しい別れは嫌いだから、しばらく旅行に行く感じで笑っお終わりたいず蚀われおいる。
     マキちゃんずは長い付き合いだし、最近はマコちゃんも䞀緒になっお盛り䞊がっおいたので残念で仕方ないが、い぀か別れが来る事も沢山経隓しおいるのでわかっおいる。
     もう最埌なので、お店の最終日たでに仲良しだった人達だけの食事䌚をしようず話しおいたら、圌女が垰っお来るメヌルが届いた。
     最埌くらい私のワガママを聞けずマキちゃんには蚀われたし、マコちゃんも䞀緒に迎えに行くず蚀っお二人ずも車に䟿乗しお空枯たで぀いお来た。

     ビックリさせおはいけないので、圌女に状況を説明しお垰囜した垰りに4人で食事䌚でも良いかず確認したら、お寿叞ず和食が食べたい。ワむンず日本酒があっお矎味しい店ならOKず返信があった。
     圌女は、幎䞭パヌティみたいな堎所にも行っおるし、CAなので人芋知りをする事もない。
     マキちゃんずマコちゃんも話し䞊手で気配りもあるタむプなので、お互い初察面でも問題はないが、䜕故か嫌な予感がする。
     共通の話題は私だし、マキちゃんのお別れ䌚に圌女が䞀緒な事で空気感がどうなるか䞍安だった。
     たぁラりンゞでのお別れ䌚たで日数もあるので、普通の飲み䌚ず思う事にした。
     
     到着ゲヌトで埅っおいたのに党く違う堎所から珟れたので驚いた。
     「おヌ぀かれさた〜、はじめたしお山本淳子です」ず蚀っお登堎したのは良いが、スヌツケヌスや荷物が倚かった。
     車で来なかったら、䞀人でどうする぀もりだったのか聞いお芋たかったが、挚拶も適圓で早速マコちゃんを荷物運びに䜿いだした。

     マキちゃんが「山本淳子っお蚀ったけど入籍しおたの」ず聞いお来たので、たぁずりあえず荷物を車に積んでから話すず答えた。そしお、みんなでポヌタヌ圹をやりながら車に移動した。

    第話 初察面

     車に荷物を積み蟌んで、ずりあえず垂内の料理屋ぞ向かった。淳子は助手垭に座るず思っおいたが埌ろに乗り蟌んだので、マキちゃんが埌ろで、助手垭がマコちゃんになった。

     なんだこれっお感じのスタヌトだが、毎床の事なので私は慣れおいる。
     マキちゃんずマコちゃんが顔を芋合わせお䞍思議モヌドになっおいるのは面癜かったが、これから䜕が飛び出すか䞍安だらけだった。
     い぀もは穏やかな口調な私だが、淳子がいるず兄貎みたいになるので蚀葉も匷くなっおしたう。
     淳子は人芋知りせずに「私、生たれた時から山本なんです。日本人で倚い名前だから、たたたた䞀緒だっただけ」ず隣のマキちゃんに説明し始めた。
     「アキちゃんの飲み友達っお事は、私も友達だからよろしく」ず蚀っおマキちゃんず握手しお、埌ろから助手垭に座っおいるマコちゃんの肩を、ポンポンず叩いた。
     銎れ銎れしいので、もっず䞁寧な挚拶ずか自己玹介がある気がするけどなず嫌味を蚀ったが、そんな事しおたら仲良しになれないじゃんず文句が返っおくる。
     「私の事は気にしないでいいから、い぀もみたいに楜しく行きたしょう。で気になる話には絶察参加するから」ずニコニコ笑っおいるので、本圓に気を䜿う必芁はないしタメ口で敬語も必芁ないからず二人にも䌝えた。

     「ずころでマコちゃんはゲむなの」ずいきなり爆匟投䞋したので、お前にはデリカシヌが無いのかず怒ったが、「アキちゃん、私がいない間にゲむに走ったのかなっお思ったから」ず真顔で蚀った埌に「私の呚りに圌を男に取られた子がいっぱいいるから、それっお女の立堎ないじゃん」ずさらに蚀葉が止たらない。

     マコちゃんが女装趣味ですが女性が奜きで圌女もいたす。ゲむではありたせんずキッパリず答えた。
     じゃあファッションずか趣味でシンクロしおるのかぁなどず蚀いながら「でも怪しい。アキちゃんが奜きになるタむプだよねヌ、ボヌむッシュな感じ」ず察抗心があるようだ。
     確かに可愛い感じより、ショヌトカットでボヌむッシュな方が奜きだし、実際に同棲しおいる淳子がマコちゃんの女性版っお感じだ。
     淳子ずマコちゃんが䞊んでも身長も同じくらいなので察抗心が沞く気持ちもわかるが、マコちゃんは男だし、淳子も私の事を本気でパンセクシャルず思っおいるなら怖い話だ。
     女性らしいマキちゃんには、嫌な事はハッキリ蚀っおねずいいながらスキンシップを取りだしたので優しい感じだが、䞍安感は増しおいく。

     こうなるず料理屋に着くたで、爆匟投䞋するしマシンガントヌクだし、もうめちゃくちゃだった。
     安党運転に気を぀けながらも、次々に出おくる話に翻匄されおいた。
     日本人は空気を察する文化だけど、ハッキリ蚀ったほうが話が早い。調和しないず茪を乱す奎みたいにするのは日本のダメなずころだず蚀う。
     私やマコちゃんみたいに無粟髭も無くおオシャレな男は、海倖ではゲむに芋られるし、酷い蚀葉を蚀われるからアメリカ本土には行くなず蚀われた。

     マキちゃんが芪の介護で暪浜に垰るず知ったら、お金を払っおもプロのヘルパヌずか介護士を頌んで自分の人生を生きるべきずハッキリ蚀うし、知り合いに介護に詳しい人がいるから玹介するず早速連絡先を亀換し始めた。
     䌚っお間もないのに先が思いやられるず思っおいた。マキちゃんには優しいけど、マコちゃんにキツい感じなので倧䞈倫か心配だった。

     「アキちゃんも昔からゲむかなず思っおたけど、マコちゃんはレディボヌむずかフェムボヌむっお差別されるから、日本から出ない方がいいよ」ず忠告たで始めた。
     マコちゃんもむラッずしたのか負けずに「ゞュンちゃんはゲむみたいなパンさんのどこが奜きになったの」ずタメ口になっおストレヌトに聞き出した。
     パンさんっお呌ばれおるのが䞍思議だったみたいなので、パンセクシャルず蚀ったら「あヌ」ず玍埗したようだ。

     「質問に答えおあげる、䞖界人暩宣蚀」ず蚀っお真面目な顔になった。
     私もマキちゃんも、そしお質問したマコちゃんもキョトンだ。私は「なんや、それ」ず思わず関西匁が出おしたった。
     そんな話は初めお聞いたので、私自身も意味がわからない。

     淳子が昔話を始めたので、黙っお聞いおいた。
     淳子がただ倧孊生の頃に私はアパレル商瀟に勀務しおいた。日本党囜に出匵しおたし海倖掟遣員の道も考えおたので、お互いに色々な話をするのが倧奜きだったけど、特に小説の話が倚かった。
     淳子は倧孊の授業が終わるず本屋に寄っお立ち読みしたり、気になった本を買っおいた。私も出匵時に駅前の曞店ずか空枯でも本を買っお移動時に読んでいたので、共通の趣味が読曞だった。

     そんなある日、淳子は䞖界人暩宣蚀の条文を立ち読みしたらしい。
     珟実瀟䌚を考えたら、そんなの無理だず思う矎蟞麗句が曞かれおいたのだが、読んで涙が溢れお止たらなかったらしい。
     で、そんな本があったず私に報告したら、私が第䞀条を暗唱したので、息が止たるくらいビックリしたそうだ。

     私も昔読んで同じように泣いた事がある。
     「第䞀条、すべおの人間は、生たれながらにしお自由であり、か぀尊厳ず暩利ずに぀いお平等である。人間は、理性ず良心ずを授けられおおり、互いに同胞の粟神を持っお行動しなければならない」ず暗唱したら、「ほらね、こんな人は䞖界に䞀人だけず思ったから、倧孊卒業したらお嫁さんになろうず思ったわけ」ず蚀った。
     それが抌しかけた理由なら私も初めお聞いた話だった。

     マコちゃんは、本がある事は知っおたしたが誰が買うんだず思っおいたず感想を話した。
     淳子がよく知っおたねず蚀うので、マコちゃんは元曞店員だず䌝えたら、急に態床が倉わっお日本の翻蚳本が海倖でも増えたずか、装䞁の違いに぀いおなどマシンガントヌクが始たったし、マコちゃんも曞籍コヌナヌのディスプレむの違いや発泚問題ずか、返品の話など䞀般人が知らない本屋の裏話をし始めたので、急に意気投合しおいた。
     そこぞ、マキちゃんが「でも留孊から垰っおCAになった時は、アキちゃんは結婚しおたでしょう」ず話を戻した。
     「そう、女ず結婚するならゲむじゃ無いず思っだけど、カモフラヌゞュもあるし耇雑だった」ず聞いた事が無い話ばかり出おくる。
     「その埌、友達から離婚したみたいっお聞いたから、家に抌しかけおセックスしお子䟛を䜜ろうっお 女の最終兵噚を䜿ったわけ」ず平気な顔をしお蚀った。

     でも、劊嚠しなかった。
     CAなんお仕事しおたら気圧倉化で子宮にも圱響があるし、絊料がいいずか蚀っおも劎灜を分割でもらっおるみたいなものだずか、アメリカ人の友達からは倧孊留孊たでしおやる仕事じゃないず蚀われおいるず説明しおいた。
     私が出匵で日本党囜に行っおいた事を楜しそうに感じおいたのも圱響があったらしいが、留孊から垰ったタむミングでは就職の募集が少なくお、仕方なく遞んだらしい。
     そしお近々蟞める぀もりだず話しおいた。

    第話 察話術

     倧阪垂内の心斎橋にある割烹料理屋の個宀を予玄しおいた。
     淳子の日本料理のリク゚ストに合わせた圢だが、マキちゃんぞのこれたでの感謝の気持ちもあったし、マコちゃんずは初めおの食事䌚なので、接埅でよく利甚しおいる店にした。
     䌚瀟の経費では無く、日頃の感謝を蟌めおプラむベヌトの自腹で党員を接埅するず䌝えおいる。
     こんな機䌚は二床ず無いし、矎味しい料理ず色んな皮類のお酒があっお、ゆっくり話が出来る堎所を遞んだ。
     荷物を茉せたたたの車は立䜓駐車堎に入れた。
     お酒も飲むし、垰りはタクシヌで明日の昌くらいに取りに行く぀もりだ。

     品数が少なめのコヌスにしお、アラカルトで奜きな料理も頌めるようにした。
     淳子はシャンディガフをチェむサヌがわりにしお倧吟醞の獺祭を泚文したが、マキちゃんの送別䌚も兌ねおいるのでシャンパンのノヌノクリコを頌んで、みんなで也杯した。
     その埌は黒霧島の炭酞割りずかグラスワむンやりむスキヌハむボヌルなどそれぞれ奜きなお酒を䜕杯も頌んで、ちょっずした宎䌚になっおいった。
     その頃には昔からの飲み友達のように淳子も銎染んでいたので、盞倉わらず察話術が恐ろしい奎だず感心しおいた。

     初察面でマキちゃんが気配り䞊手で盞手の気持ちに敏感な事を感じずったから、車内でもわざず隣に座っお距離を瞮めた。
     その埌、日本人の空気を読む文化を非難しお、マキちゃんの気遣いがダメな事もあるず感情を揺さぶったわけだ。
     でもマキちゃんの事は奜きだずわかるように優しい蚀葉にした䞊で、スキンシップをずっお、ストレヌトな察人方法がある䞀䟋を実践した。

     マコちゃんにも同じ手法で、ゲむ話で怒りの感情を匕き出した埌に、珟実逃避の女装に察する危険性や拒絶する人がいる話もしお、気を぀けた方が良いずアドバむスを䌝えたわけだ。

     車で移動の短時間で、二人ずも最初は䞍愉快になる悪い印象から、自分の事を心配しおくれおいる良い人ぞず印象操䜜した巧みの䌚話術だった。
     それを私のように穏やかにするず時間がかかるので、あなたのやり方だず日が暮れるず、私が蚀った䞁寧な蚀い方をしろに意趣返しをしたわけだ。
     ざっくばらんなタメ口で我儘な子䟛のように話しながら䞭身はシンプルに䌝わるので、盞倉わらず凄い奎だず感心しおいた。

     マコちゃんずは小説の話で盛り䞊がっおいるし、マキちゃんずは恋愛感ずか女の人生芳みたいな話をしおいる。
     やがお小説の䞻人公の話ずかを亀えお女の生きる道みたいな話に展開しお行ったので、3人ずもずっず自分の意芋が止たらない。

     マキちゃんもマコちゃんも淳子に぀られお、早口になっお必死に話しおいるのが面癜かった。
     淳子は私達みたいに酒豪タむプでは無いが、明るくおマシンガンのように話すので飲む量が少なくおも二人ずも気づいおいない。
     しかし私達は沢山話すから喉が枇いお、黒霧島の炭酞割りずかIWハヌパヌの氎割りなど、おかわりが止たらなかった。

     早いペヌスで飲んだ事で少し酔っおきたのか、3人の様子を芋ながら党員が自分の分身のような気がしおいた。
     淳子は奜奇心の塊みたいで、小説も奜きだし矎術通や挔劇ずか様々な堎所を芋おみたいず出かけるずころが同じだ。
     マキちゃんは、お客様の様子に敏感で、さりげない蚀葉や䜕も出来ないけど近くにいおあげるずいう方法ずか人ずの距離感の取り方が同じだった。
     マコちゃんは女装ずいう過激な手段だが、日垞ず違う自分になっお珟実逃避する事で心のバランスを考えおいるタむプで、性的思考では無い。
     淳子の話がキッカケになっお、女装を蟞めおナニセックスファッションくらいになりそうな気がするが、ファッションや読曞が奜きなずころは、私の若い頃を芋おいるようだ。
     私が䞀人でBARに行っお日垞生掻ず違う雰囲気を感じる事で珟実逃避しおいるのず同じ手法で心のバランスをずっおいるのが䌝わっおくる。
     3人ずも私よりも蚀動の濃床が濃いだけで、結局は䌌た者同士なわけだ。

     自問自答は難しい事があるが、自分の分身には平気でなんでも聞ける。気も䜿わないので楜だし、本圓の自分を発芋する事があるので貎重な存圚だ。
     この4人で䞀緒にシェアハりスずかに䜏んで、䞀緒に晩埡飯を食べたり、たこ焌きパヌティヌずか鍋や鉄板焌きなんかしおたら最高だろうなず想像しおいた。

     気が぀いたら料理屋の予玄時間は1時間以䞊オヌバヌしおいた。お店の人がラストオヌダヌも聞かずに、お酒のおかわりを持っお来るので、党く気が぀かなかった。
     そういう事に䞀番敏感なマキちゃんも気が぀かないほど話に倢䞭だったし、人生で今が䞀番楜しいず感じるほどの時間だった。
     そろそろ時間だず䌝えお、続きは堎所を倉える事にした。4人で入れるBARを考えたが、他のお客様に邪魔されたくない。

     近所で静かにゆっくり飲める堎所を考えたら、ホテル日航のBAR倜間飛行が思い぀いた。
     淳子に「日航の倜間飛行でもいいか」ず聞いたら「え〜私ANAやで〜、でも今日は蚱したる。サンテグゞュペリのファンやし」ず久しぶりに関西匁で返事をした。
     酔っ払いに倉身しおいるみたいだった。

    第話 倜間飛行

     割烹料理屋から歩いおすぐの日航ホテルにBAR倜間飛行はある。
     長い間行っお無かったが、ラりンゞの女の子ず埅ち合わせに䜿ったこずもあるし、チョコレヌト盛り合わせがゎヌゞャスなので淳子が倧孊生の頃に䞀緒に行った事もあった。
     サンテグゞュペリ原䜜で、苊難を乗り越えお郵䟿飛行するパむロットの小説が店の名前の由来だが、ご機嫌になった淳子は別の䜜品、星の王子さたの話を䟋にしながら人生芳を熱く語っおいた。

     「本圓に倧切なものは、目には芋えないんだよ」ずマコちゃんが蚀った。

     「そう、それみんな心のどこかでは知っおいるけど、芋ないふりずか気づかないようにしおいる事があるのよ」ず淳子が答えたので、少し論点が違う感じもしたが、圌女の解釈は自由なので口は挟たなかった。

     マキちゃんが人生っお難しいねず蚀っおしんみりしたり、マコちゃんも色々ず思考しおいる感じなので、酔いがたわっおきたのかBARの雰囲気が私達のムヌドを倉えたのかはわからなかったが、人生論みたいな感じに倉わっおいた。
     時間も過ぎおいったので、最埌に䞀杯飲んで垰る話になった。
     私は平垞モヌドに戻す為にラフロむグのハむボヌルにしお、マキちゃんはい぀も通りのIWハヌパヌ氎割り、マコちゃんはボンベむサファむアのトニックで、淳子はゞェム゜ンをミストで泚文した。

     「玠晎らしい出䌚いず人生に也杯」ず淳子が蚀っお也杯したら、マキちゃんは泣いおいた。
     隣で淳子が抱きしめおいたが、同じように泣いおいる。
     マコちゃんが、本圓にみんなに出䌚えお幞せですず蚀うので、こちらたで涙が溢れそうになっおしたった。
     ルッキズムずかフェミニズムやゞェンダヌ平等、貧困や高霢化など瀟䌚問題が倚い䞭で生きおいるず倧切な事たで芋倱っおしたう。
     だけど、淳子やマキちゃんずマコちゃんの3人は、私の心に生き続けるし、離れおいおもい぀もそばにいる実感がある。
     愛情ずか友情を超越した私の分身だず思う。こんな人達ず出䌚えたのは䞀生の宝物だず思った。

     マキちゃんずはお別れだが、い぀もそばにいるず思っおいるず柄にもない事を蚀ったら、私も䞀緒ず笑顔を芋せおくれた。
     淳子もマコちゃんも、私も䞀緒ずか僕も同じずか蚀い始めお、最埌は笑顔でバむバむになった。
     垰り道で淳子が「家の本棚に星の王子さたあったよね」ず蚀うので、もちろんありたすよず暙準語で返事した。

    第話 萜ちる倢

     ホテル日航のBAR倜間飛行から自宅に垰ったら、淳子はシャワヌを济びた埌すぐに本棚から星の王子さたを持っお寝宀ぞ消えおいった。
     私はシャワヌを济びたら目が冎えおしたっお、キッチンでブッシュミルズのハむボヌルを飲んでいた。淳子には悪いが、もうすぐお別れするマキちゃんずの思い出ず䞀緒にいたい感じだ。

     い぀もなら、もう䞀件BARをハシゎする感じだが、明日車を取りに行かないずいけなかったし、淳子も疲れおいるず思ったので早めに垰った。
     あの埌、マキちゃんずマコちゃんの二人はハシゎしお飲んでいるだろう。
     祭りのあずのような寂しさがあるのは、マキちゃんが暪浜に垰る事が倧きいず思うが、淳子が蚀ったCAを蟞める぀もりも匕っかかっおいる。
     ひょっずしお䜓調が悪くなったのかずか、新しい圌が出来たずか 想像しおも仕方ないが䜕ずなく嫌な予感がする。
     実際に倫婊でも、死ぬたで䞀緒ずいうのは結果であっお、別れおいるカップルが圧倒的に倚いなら、私は別れるタむプだろう。

     淳子の事は分身みたいな奎ず思っおいるし、留孊時代も2幎間連絡しなかった。
     寂しさも無かったし、い぀も偎にいるみたいだったからだ。
     結婚しおいる時も、他の女ずセックスしおいおも近くにいるず感じた事があっお、昔からずにかく倉な存圚だ。
     私ずいたら䞍幞にさせる気がするし、スポヌツ遞手ずか広告代理店や倧手䌚瀟のコンパみたいな飲み䌚にも行っおるので、その内にお金持ちずか有名人ず結婚するずか蚀い出す気がしおいた。

     しかし䞖界人暩宣蚀がキッカケず蚀われたのでビックリだった。やっぱり私ず同じで倉なずころに人生の重心があるみたいだ。
     マキちゃんの事を考える぀もりだったのに結局淳子の事になっおしたったず思いながら、明日に備えお早めに寝る事にした。
     淳子はベッドで本を読んでいたので、リビングの゜ファヌで寝るず䌝えたら、独り蚀のような「おやすみ」がかえっおきた。たぁ蚀っただけえらい。
     淳子が星の王子さたを読み返したい気持ちもわかる。倜間飛行で話しおいた事を思い出しながら、私もサンデグゞュベリの倜間飛行や星の王子さたの小説の内容を考えおいた。

     星が矎しい倜空を赀いプロペラ機を操瞊しお飛んでいる倢を芋た。やがお燃料が尜きたのか、プロペラが動かなくなっお地䞊に䞍時着するずころで目が芚めた。
     寝る前に倜間飛行や星の王子さたを考えおいたから出おきたのはわかるが、䞍時着が気持ち悪くお朝から憂鬱な感じになっおしたった。
     昚日はあんなに楜しい倜だったのに、朝からたた重苊しい珟実のスタヌトずいう事だ。

     淳子は寝おいるので、簡単な朝食を䜜った。
     卵焌きず゜ヌセヌゞ、簡単なサラダず豆腐の味噌汁を䜜っお、電子レンゞで枩めたら良いようにラップをしおおいた。
     私はコヌヒヌにトヌスト、䜙った卵焌きず゜ヌセヌゞを1本食べお車を取りに行く事にした。
     ご飯は炊き立おなので、淳子が起きたら日本食の朝食を食べるだろう。嫌ならコヌヒヌにトヌストもある。
     たたには䜕もせずに本を読んだり、ゎロゎロした方が良い。䜕も無い平凡な日が幞せかもしれない。

    第話 ホりレン゜り

     車を取りに行っお戻ったが淳子はただ寝おいた。
     おそらく朝たで星の王子さたを読み返したり、考え事をしおいたのだろう。
     倕方たで寝る事もよくあるし、時差ボケもあるだろう。
     私は静かな空間で䞀人がっちも奜きなので、アむスコヌヒヌを飲みながら、星の王子さたを読む事にした。䜕床も読んでいるが、幎霢や経隓を重ねるずたた違う考察になるのが䞍思議だ。
     時代や䞖代を超えた䞍朜の名䜜だず思う。
     「本圓に倧切なものかぁ」ず独り蚀になっおしたったが、人生が終わる時が来おもわからないたたのような気がしおいる。
     「私は本圓にバカだからなぁ」ずたた独り蚀が出おしたった。
     そんな感じでボヌっずしおいたら淳子が起きお来お、私が䜜った朝食を昌ごはんずしお食べおいた。

     自宅では特に䌚話も無いし、本を読んだり昌寝をしたり、パ゜コンで䜕かの動画を芋たり怜玢しおいるのがお互いの光景だ。
     音楜や映画もむダフォンで聞いおいるので、静かだしお互いに干枉しない。
     昚日のマシンガントヌクが嘘のようだが、ひずりになりたい時もあるし、ずっず別々の郚屋にいる事もある。
     そんな感じでのんびりしおいたら、ちょっず話があるず蚀っおきた。
     星の王子さたの話では無さそうなので、別れ話かなず思った。

     「ホりレン゜りをやる」ず蚀っおテヌブルに私の分ず自分のお茶を眮いたので、垭に座った。
     話の内容は、䌚瀟を蟞めた事ず写真の専門孊校に行く事。そしお実家に垰るから同棲を解消するずいう事だった。
     ホりレンたでだけど、これたでの曞き眮き事件に比べたら、よく頑匵った方だず思った。

     そしお荷物が倚かったのは、䌚瀟に眮いおいたものを匕き䞊げたからだずわかった。
     車の䞭で䌚瀟を蟞める぀もりず蚀っお曖昧にしたのは、初察面の2人がいたからだ。
     感がいいマキちゃんは気づいたかもしれない。
     だから最埌の也杯で二人が抱き合っお泣いおいたのかず思ったら、盞倉わらず鈍感な自分が嫌になっおくる。

     荷物はそのたた実家に宅配䟿で送るし、郚屋の私物も少しづ぀敎理しおからサペナラするず蚀った。
     元々同棲を拒んだ私が今曎匕き留めるのも倉だし、どこにいおも分身みたいに身近に感じおいるのは本圓なので、わかったず答えた。
     ただ若いし、新しい人生ずか倧切にしおくれる人を芋぀けお幞せになっおほしい。
     私みたいなダメ人間が䞀緒だず䞍幞になるず思うず話したら「ただそんな事蚀っおるの、本圓にバカ」ず呆れたようだった。

     で、盞談があるず蚀ったので驚いた。
     「ちゃんずホりレン゜りになっおるやん」ず蚀ったら照れくさそうに笑っお私に抱き぀いた。
     盞談内容は1週間の新婚生掻だった。
     来月に倧型連䌑があるので平日も仕事を䌑んで、月曜日から日曜日たで朝から晩たで䞀緒にいお話をする事。
     䞀緒にスヌパヌに手を繋いで行っお、それ以倖は倖出もせずに家でそばにいる。䞀緒にご飯を䜜っお食べお䞀緒にお颚呂も入っお、同じ時間に䞀緒に寝るずいう、ラブラブ新婚生掻をするずいうものだ。

     これから別れるのに䜕でそんな事ず思ったが、話しおいない事がたくさんあるから党郚聞いおほしいずいうので、党郚受け止める事にした。
     私も淳子が奜きだし自分の分身だず思っおいる。
     ただ圌女を幞せにする自信はない。無責任で借金たみれで仕事をしなくおも奜きだったら良いずか、ヒモみたいでもいいず蚀っおも、珟実瀟䌚は厳しいのでやがお別れる。

     流浪の月だっお、珟実の話ならやがお別れる日が来るず思う。だから小説を読んで、その矎しさに浞っおいるわけだ。
     珟実が矎しい話ばかりだったら、映画もアニメも芋ないし、小説だっお誰も読たないず思う。
     キレむ事では生掻はやっおいけないから誰かの負担にならないように䞀人がっちで生きお、最埌は䞀人で死のうず思っおいるのだ。

     だが1週間なら粟䞀杯愛せるず思った。淳子が蚀いたかった事や聞いおほしかった事を党郚たずめお受け止めたい。
     その埌は、䞀人で泥たみれになっおも仕方ない。
     淳子を悲したせた眪も背負っお、自業自埗で死ぬたで苊しみながら孀独死する道を進むだろう。

    第話 厩壊前

     来月の連䌑たで淳子は私物の敎理をしたり、本棚も敎理しおいた。趣味が同じなのでどっちが買った本かわからない䜜品もあったが、私はいらないから読みたい本は党郚あげるず蚀ったら喜んでいた。
     もちろん読み返す事もあるが、淳子の実家に行った方が本も幞せな気がした。
     愛着があるなら私のものでも家電でもお酒でも䜕でもあげるず蚀っおおいた。

     仕事があるし飲みに行くかもしれないが、ホりレン゜りはする。私は事前連絡もするし時間も守る。
     ただ他人の人生に関わりたくないだけだ。
     私自身が厩壊しおいく事に他人を巻き蟌みたくない。バベルの塔が倒れた時に誰も犠牲者がいないように避難しおおいおほしいのだ。

     その埌も家で鍋をしたり、本の話をしたりしお来月の連䌑だけず蚀わずに出来るだけ䞀緒にいお話をする事にした。
     そんな時にマコちゃんから連絡があっお、二人だけで飲みたいず蚀われた。

     来月の連䌑埌にしようかず考えおいたら、CAの友達が送別䌚をしおくれるから週末に東京に行っおくるず淳子から蚀われた。泊たるから月曜日に垰るずいう事で土日は留守ずいう事だ。
     BAR倜間飛行に行った埌は飲み屋にも行っお無かったので䞁床良かった。 
     
     マキちゃんのラりンゞ最終日はお客様も倚くお話もろくに出来ないだろうから、今週の土曜日にマコちゃんず䞀緒にお店に行っお最埌の挚拶をする事にした。
     その埌に最初に二人で行ったBARに行く予定だ。
     マキちゃんずも最埌だし、次はマコちゃんかなず思ったが、淳子の別れ話を聞いた埌なので、そういう事が続く連鎖みたいな経隓もある。

     だから他人ず関わらずに䞀人でいた方が気楜なんだが、今回の3人は党員が自分の分身みたいな人達なので、出来る事は䜕でもしようず思っおいる。
     もう二床ずこんな日が来ない事はわかっおいた。

     マキちゃんの店は思った通りいっぱいで、圌女がこれたで頑匵った成果発衚みたいに次々ずお客様が来お別れを惜しんでいた。最終日は立ち飲みになるんじゃ無いかず思うくらいの賑わいで、䜕本もシャンパンが空いおいた。
     店も混んでいたので、次のお客様が来た時にマコちゃんず垰る事にした。
     玄関たで芋送りに来たので、最埌はハグしお別れた。ただただ仕事䞭なので涙も無く笑顔のサペナラになった。マキちゃんらしいラストだず思った。

     その埌にマコちゃんず行ったBARは暇そうだったので、以前ず同じように2階のテヌブル垭にした。
     い぀もどおりラフロむグにしようかず思ったが、マコちゃんずも最埌になりそうな気がしたので、思い出のボンベむサファむアにした。
     マコちゃんも同じにしたので二人で也杯をした。
     するずブレスレットのシェヌヌダンクルを倖しお「これ貰っお䞋さい。バンさんがブレスレットをしないのは知っおるんですけど、僕ず思っお持っおいおほしいんです」ず今の決意みたいな話を始めた。

     思った通り転勀で犏岡に行く事になったらしい。
     䌚瀟の昇栌詊隓に合栌しお転勀を打蚺されおいたが、螏ん切りが぀かない䞭途半端な気持ちだったらしい。
     そんな時に私ず出䌚ったので、䜕かヒントになるかも知れないず近づいたず説明しおくれた。
     実際に私みたいに生きおいる人がいるず知っお刺激になったし、マキちゃんやゞュンちゃんにも感謝しおいるず話しおくれた。
     圌女ずも別れたし女装も蟞めお、新倩地で私みたいになりたいず、こちらが恥ずかしくなるような事を蚀った。
     新しいプロゞェクトの䞻任になるそうで新人瀟員の指導もするらしい。
     圌も自分のバベルの塔を䜜り䞊げおいくだろう。
     垌望に満ちおいた若い頃の私が目の前にいるようだった。

     「じゃあこれ、俺ず思っお持っずいお」ず蚀っおサラリヌマン時代に瀟員割り匕きで買ったカルティ゚サントスの腕時蚈をマコちゃんにあげた。
     ブレスレットはそんな぀もりじゃないず蚀ったが、私も同じ気持ちでマコちゃんに持っおいおほしいず蚀ったら、䞀生倧事にしたすず腕に぀けおくれた。
     本圓に昔の自分を芋おいるみたいだ。
     「頑匵っおいる奎には頑匵れっお蚀わない。ずっず応揎しおるから」ず䌝えた。

     もちろん人生は厳しい事の連続だし、最埌にバベルの塔は厩壊しおしたうのだが、無理ずわかっおいおもチャレンゞする奎が奜きだ。
     私も淳子も䞖界人暩宣蚀を読んで泣いたのは、絶察無理な理想を本気で成し遂げたいず思った人が昔にもいたず感動したからだ。

     そしお、私の倢や理想を圢にしたいず始めた䌚瀟は、取匕先の倒産や未払いが増えお、おそらく䞀幎以内には無くなる状況になっおいた。
     今すぐでは無いので、䞀発逆転を狙っおダメなら砎産すれば良いずいう人もいるが、連鎖倒産で自殺者なんか出したら、䞀生立ち盎れない。
     なんずか自䞻廃業にしお、倧手䌚瀟や金融機関ぞは分割返枈で20幎ずか30幎かかっおも砎産せずに返枈したいず調敎しおいる。
     
     だからマコちゃんにサントスの腕時蚈を枡しお、私ず䞀緒に戊った盞棒を蚗したかったのだ。
     マコちゃんは知らなくおいい話だ。
     マコちゃんもこれからたくさん倧倉な事があるず思うし、それはマキちゃんや淳子も同じだ。

     人生は苊難の連続だ。良い事なんお䜕も無いず思っおいたが、この前の飲み䌚は人生最高のフィナヌレのようだった。
     みんな新しい䞖界ぞ進む前倜祭のようで、あの時には間違いなく䞖界人暩宣蚀に曞かれた理想の䞖界が4人の茪にあった。
     私はその堎に立ち䌚った。こんな幞せを感じたなら、もう䜕も怖くない。
     これから星の王子さたのように悲惚な星をたわっお、酷い䞖界を芋おも、私には淳子やマキちゃんずマコちゃんずの矎しい思い出がある。それだけで充分だ。

     最埌たで䞀緒にボンベむサファむアを飲みながら、䜕幎経っおもマコちゃんの事を思いながらボンベむサファむアを飲もうず思った。
     キレむなブルヌのボトルが垌望に満ちた圌のようだった。

    第話 倢の䞖界

     マキちゃんずは最埌に笑っおハグしお別れた。
     そしおマコちゃんずも最埌はハグしたが、やっぱり男だなず感じた力匷いもので、マコちゃんは泣いおいた。
     女は泣かずに男が泣く、䜕でやねんず思いながら私も自分の分身ずの別れは悲しかった。
     淳子に蚀ったら爆笑するに決たっおいるので黙っおいた。

     いよいよラストは淳子かず思った。
     最埌たで平垞心で䌚瀟の廃業などを悟られないように別れる぀もりだったが、最埌たで感情を揺さぶる奎だった。
     いっぱい話をしたいず蚀うので、わかったず蚀ったが、今たで聞いおなかった話が山のように出おきた。

     CAの仕事でパンストが蒞れお嫌だった事から始たっお、ファヌストクラスの垞連客が搭乗するずわかったら、その人が奜きなワむンやりむスキヌも䞀緒に飛行機に積み蟌たれる話ずか、未来ぞ向かう地球の自転を远い越すフラむトは良いが、過去ぞ戻る自転に逆行するフラむトは䜓調が厩れお生理䞍順になったずか、私が知らない話ばかり出お来お、正盎面癜いしずっず聞いおいたかった。

     曞き眮き事件は、私が仕事で悩んでいるのに我慢しお䜕も蚀わないし、無理しお家にいる感じが芋おいお蟛かったず教えおくれた。
     だから嫌がらせみたいに曞き眮きをしお、あのク゜女っお気分にさせた。
     ちょっずでも仕事を忘れお、気分転換に飲み屋でも行けるように仕向けおたず打ち明けおくれた。

     淳子はい぀も私を想っおくれおいたし、そんな気持ちにも気付けない私こそク゜ダロりだった。
     いっぱい話をしお孊生時代の頃のように甘えおくる圌女を芋おいお、党郚私が悪いず思った。

     バベルの塔は、倧昔に統䞀蚀語で意思の疎通が出来おいた時代の話だ。
     人間が倩に届く塔を建おようずした理想ず努力を傲慢だず思った神は怒り、携わっおいた人々の蚀語を倉えお混乱させた。
     意思疎通ができなくなっお、やがおバベルの塔は倒壊する。
     旧玄聖曞に曞かれたストヌリヌだが、私は無理だずわかっおいおも倢や理想に挑む人間の矎しさず珟実の厳しさを䌝える話だず思っおいる。

     だから䌚瀟蚭立した時にも壁にバベルの塔の絵を食った。瞁起が悪いず蚀う人もいたが気にしなかった。そしおい぀か、䌚瀟も倒壊する日が来るず最初から思っおいた。

     人生は苊難の連続で、キチンず仕事をしおいおも経枈厩壊したら䌚瀟だっお終わりが来るし、地震や台颚で家が倒壊したり、戊争を始める人もいる。
     そんな事はやめようず正論を蚀っおも、物䟡は䞊昇するしコロナだっお蔓延する。
     神々が傲慢だず思っお混乱させおいるのかは䞍明だが、䞀生懞呜に頑匵っおも苊難が次々にやっおくるのが人生だ。
     もし倩囜があるなら、淳子ずずっず䞀緒に笑っおいたい。しかし珟䞖では䞍可胜だず思う。私のせいで倧奜きな人を苊しめたく無い。ただそれだけだ。

     しかし、淳子は匷かった。難しい事に果敢に挑戊しお頑匵っおいた。留孊も同棲した時も必死に頑匵る姿を私に芋せおいた。
     私は本圓にバカな男だ。こんなクズみたいな俺を愛しおくれた䞖界で唯䞀の女さえ幞せに出来なかった。
     いっぱい話をしお、たくさん笑った。
     䜕床もごめんず蚀っお謝った。
     そしお二人で抱き合っお䜕床も泣いた。
     い぀か死ぬ時が来たら、圌女の事を想いながら旅立ちたいず思う。離れ離れになるが䞀生愛し続けるず心に誓った。

     そしお別れは突然やっお来た。
     ちょっずコンビニに買い物に行っお垰ったら淳子はいなかった。
     テヌブルに「実家に垰らせお頂きたす」ず曞き眮きがあった。
     最埌たで排萜があっお、関西人の私を笑わせおくれる。名叀屋から倧阪に来た頃は戞惑っおいたのに、い぀のたにか笑いのセンスも磚いおいた。
     奜奇心の塊みたいな女の子で愛おしい奎だった。

     名叀屋の実家たで迎えに行っお「俺が悪かった、もう䞀床チャンスをくれ。今床は絶察に幞せにするから」ずドラマみたいな事をやっおみたい。

     しかし珟実は違う。これから起きるだろう債暩問題に倧切な人は巻き蟌みたくない。
     䞀人だけで察凊するのが、私の流儀だ。
     もう二床ず特別な女もいらないし、死ぬたで䞀人で構わない。
     䜕十幎かかっおも借金を完枈しおみせる。
     そしお、バベルの塔が倒壊した埌の瓊瀫凊理が終わっおれロの䞖界が来たら、その時が60歳でも70歳だずしたも、たたバベルの塔を建おおやる。
     死ぬたで挑戊するし誰も巻き蟌ない。
     䞀人がっちの䞖界を築いおやる。そしお䞀人だけで死んでやる。

     だけどどんなに苊しくおも蟛くおも、私のそばには淳子やマキちゃんずマコちゃんがいる。
     今もそばに感じおいる。

     「頑匵りすぎおない今日は䞀緒に飲もう」ずマキちゃんが声をかけおくれる。
     「パンさんは憧れの人です。い぀も応揎しおたす」ずマコちゃんが゚ヌルをくれた。
     そしお淳子が「ただそんな事蚀っおるの本圓にバカ」ず蚀っお、笑顔で私を抱きしめおくれた。

     バベルの塔を建おる事に挑んだ12幎間、最埌に別れた倧切な分身ずの話だ。
     みんな共通蚀語でバベルの塔を建おるように倢や理想に向かっお果敢に挑戊しおいた。

     幞せが䜕かわからないし、次々に苊しい珟実が襲っおくる。しかし私には共通蚀語で話した愛する人達がいる。ただそれだけでいい。
      
                                 ヌ 完 ヌ


    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門


     
     
    週末だけbarで飲むのが楜しみです。日垞でヒントやキッカケになった事の感想を曞いおいたす。

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