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新盆によせて

    秋山青生

    白紋天をつるし灯りをともしたら
    花はあなたの好きだった白いかすみ草を多めに
    お気に入りの白檀の香を燻らせて
    例年にも増して暑さが際立つ夏の空
    いつも一緒だった部屋の静寂が耳につく

    池に咲くハスにはカワセミが羽休め
    あっという間に飛び去った小さい青色に
    ふとあなたの人生を重ねてしまった
    水面が乱れたのはハスのせいではなく

    あなたの鼓動が空で響くようになり
    私は毎日を生きることで精一杯だった
    朝な夕なあなたの不在に打ちのめされ
    私は息継ぎすらも苦痛だった

    今や私も天上へと思っていた私に
    机の中あなたが書き遺した手紙
    「生きて ずっと見てるから」
    絶望の海の中から手を差しのべたのは
    相も変わらずあなたの存在だった

    私には足りなすぎるお膳も
    少食なあなたには丁度いいかもしれないね
    初めて供えた精霊馬はだいぶ不格好だけど
    我慢して乗りこなしてほしい

    今日は帷が降りたら
    あなたの好きだったお酒で献杯しよう
    まだ胸を張れる程の私ではないけれど
    湛えたグラスにあなたが微笑んだ気がした

    (2023.8.14.7:20)

    (ココア共和国2023年10月号佳作)

     
     
     
    あきやまはるお、と読みます。日々の徒然に詩のような言葉を綴ってきました。意味はなくても、生きて自分を残すため。過ぎ去った人を生かすため。私が憶えている限り、私の中ではその人を生かしていくことができると信じて。 誰かに響くものがあれば幸いです。

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