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知らない空

    ピーチのセールでチケットが安くなっていたので、勢いで長崎へ行った。

    空港からバスで市内へ向かう途中、
    空がだんだんグレーに染まっていく。

    そのあと、雨がザーッ。
    いきなり大雨の歓迎を受けた。

    こうなったら、雨も旅の一部。
    そう思ったら、なんだか少し楽しくなった。

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    長崎駅で雨宿りをしながら、腹ごしらえをした。

    雨が落ち着いた頃、外に出ると、ビルとビルの間から何かがひょっこり顔を出していた。

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    なんだろう。

    調べてみると、西坂教会だった。

    日本にガウディを紹介した建築家、
    今井兼次の作品らしい。

    気になって、坂道を登ることにした。

    近くまで来ると、思わず見上げていた。

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    一部には波佐見焼が使われていた。

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    教会をあとにして、また歩く。

    歩く先々で、
    キリシタンや原爆の歴史に出会った。

    静かな場所なのに、
    胸が重くなる歴史ばかりだった。

    その痕跡に触れるたび、何度も足が止まった。

    わたしは戦争を知らない。

    だから、想像することしかできなかった。

    坂道を歩きながら、空を見上げた。

    あの日は、どんな空だったんだろう。

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    被爆クスノキのある山王神社


    #創作大賞2026
    #エッセイ部門


     
     
    deaf / ろう者 うまく言えない何かを、絵とか言葉で。 整わない日常を、そのまま。

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