
知らない空
ピーチのセールでチケットが安くなっていたので、勢いで長崎へ行った。
空港からバスで市内へ向かう途中、
空がだんだんグレーに染まっていく。
そのあと、雨がザーッ。
いきなり大雨の歓迎を受けた。
こうなったら、雨も旅の一部。
そう思ったら、なんだか少し楽しくなった。

長崎駅で雨宿りをしながら、腹ごしらえをした。
雨が落ち着いた頃、外に出ると、ビルとビルの間から何かがひょっこり顔を出していた。

なんだろう。
調べてみると、西坂教会だった。
日本にガウディを紹介した建築家、
今井兼次の作品らしい。
気になって、坂道を登ることにした。
近くまで来ると、思わず見上げていた。

一部には波佐見焼が使われていた。

教会をあとにして、また歩く。
歩く先々で、
キリシタンや原爆の歴史に出会った。
静かな場所なのに、
胸が重くなる歴史ばかりだった。
その痕跡に触れるたび、何度も足が止まった。
わたしは戦争を知らない。
だから、想像することしかできなかった。
坂道を歩きながら、空を見上げた。
あの日は、どんな空だったんだろう。

被爆クスノキのある山王神社