
エッセイ『イオンシネマ海老名で最後に観る映画は?』
2026年5月17日を持って、イオンシネマ海老名が閉館する。
1993年4月24日の開館から丸33年。
日本初のシネマコンプレックスとして大きな役割を担ってきたが、建物の老朽化もあり、この度閉館となる。
イオンシネマ海老名は、僕の映画体験の原点だった。
小学生だった2002年。
映画『スパイダーマン』(監督:サム・ライミ)を伯母と一緒に観たのが始まりだった。
当時はワーナー・マイカル・シネマズ海老名(以下、WMC海老名)という名称。
上映前に流れていた、ルーニー・テューンズのキャラクターたちによる注意喚起のアニメーションが忘れられない。
地上波でもたくさんの映画が放映されていたこともあって、それ以来映画の虜となった。
定期的に伯母と一緒に映画を観に行く機会も増え、WMC海老名は思い出の詰まった映画館となった。
あれから24年。
伯母はすでに他界し、僕も30代になった。
生活環境の変化からイオンシネマ海老名に行かなくなってしまったが、今回の閉館を機に久しぶりに行ってみた。
それにしても映画館が閉館する時、最後に観る映画をどれにすればよいのかといつも悩んでしまう。
ラストにふさわしい映画を選びたいが、必ずしも自分の観たい映画がやっているわけではない。
しかも行ったら行ったで、「隣の客がうるさかった」「途中で出入りする客がいて集中できない」など、余計なイベントが混ざって最後の思い出が台無しになることもある。
閉館する映画館で映画を観る時は、いつも以上に緊張してしまうのだ。
だが、その不安はいらなかった。
観た映画は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』。
やっぱり映画館で観る『スター・ウォーズ』(以下、SW)は最高だった!
「デーン!!」という爆音で入る有名なオープニングの音楽や、銀河を飛び交うジェダイ・スターファイターの迫力、アナキンとオビ・ワンがライトセーバーを叩き合わせながら戦うシーンなど、やっぱりテレビで観るのと映画館で観るのとではわけが違う。
しかもほぼ満席で、上映終了後は拍手が沸き起こった。
これこそ映画館で観る醍醐味!
僕は満面の笑みで劇場を後にした。
実は『シスの復讐』を初めて鑑賞した。
『シスの復讐』が公開されたのは2005年7月。
その直前に、なんとスティーヴン・スピルバーグ監督の『宇宙戦争』が公開されたのだ。
泣く泣く1本に絞り、伯母とふたりで『宇宙戦争』をWMC海老名で鑑賞した。
そのため、『シスの復讐』は20年以上鑑賞してこなかったのだ。
これも運命なのかは分からないが、心残りだった『シスの復讐』を、思い出の地である海老名の映画館で鑑賞できたことはこの上ない幸運だった。
『シスの復讐』で有終の美を飾った方がいいとは思うが、あともう1本できれば閉館当日に観に行きたい。
できれば僕の隣に、フォースの霊体となった伯母が座っていてくれたらいいのだが。