
#11望月麗子シリーズ 疑問
一年が過ぎて、
二年が過ぎた。
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私たちは、少しずつ変わっていった。
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最初は“特別だった時間”が、
いつの間にか“当たり前に忙しい日々”に変わっていた。
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雑誌、撮影、イベント。
気づけば、名前も知られるようになって、
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「麗子ちゃん、可愛いですね」
そんなふうに声をかけられることも増えた。
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あの頃の私からは、想像もできない世界。
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彼も同じだった。
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テレビ、ライブ、撮影。
どんどん遠くなっていく。
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「最近どう?」
そんな何気ない電話も、
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「ごめん、今忙しくて」
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それだけで終わることが増えた。
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連絡も、少しずつ減っていく。
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会いたい。
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でも、その言葉を送るタイミングさえ、わからなくなっていった。
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そんなある日。
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街で、見てしまった。
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彼が、誰かと歩いているところを。
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隣には、綺麗な女の人。
楽しそうに笑っている。
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私は、立ち止まったまま動けなかった。
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私とは、連絡も取れないのに。
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どうして?
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胸の奥が、ざわつく。
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信じたいのに、
疑う気持ちが、勝ってしまう。
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「……そっか」
小さく呟いた。
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その日から、
何かが少しずつズレていった。
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私は、
連絡を待つのをやめた。
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代わりに、
声をかけてくる人と、少しだけ話すようになった。
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「今度、ご飯行かない?」
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「……いいですよ」
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最初は、ただの気まぐれだった。
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でも、
誰かといる時間は、
あのモヤモヤを一瞬だけ忘れさせてくれた。
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気づけば、
私は“彼以外の人”と一緒にいる時間が増えていた。
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本当は、違うのに。
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心の奥では、
ずっと同じ人を見ているのに。
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それでも、
寂しさを埋めるように、
少しずつ、
違う道を歩き始めていた。