
ショートショート|神様になれる権利
日本人は大体、「極端な意見」が好きである。
例えば、政治。
この国では、政治の話題が出た途端。
誰の、どんな発言に対してでも、
百発百中で賛否両論が巻き起こる。
日本人の政治に向ける情熱は異常だ。
誰かがSNSで「自民党を応援するなんてありえない」とつぶやけば、
すかさず他の誰かが「あなたが応援している政党はどうなんですかね?そもそも与党ですらないじゃないですか。」と意見する。
それを見た誰かが「自民党があるからこの国が停滞しているんだ」と叫びだし、
さらにそれを見た誰かが「消費税を導入したのはあなたが応援している政党では?」と冷笑する。
最終的に議論はわけのわからない方向に進み、どの意見も平行線のまま、終わる。
日本人は、なぜかネットでは極端になる。
発言をするたびに叩かれることに怯え、常に攻撃するか、されるかのどちらかを生きている。
なぜ、人はネットの世界に入った途端、
「極端」になってしまうのか。
それは……
ーーーここからは有料記事ですーーー
僕は日々、「アオラー」として活動している。
簡単に言えば、こうやって人を煽ってお金を稼ぐ商売だ。
え?
人を煽っただけじゃお金にならないって?
確かに、普通に考えればそう思うよね。
でも実際、僕は人を煽ってお金を稼いでいるんだ。
どうやるかって?
えー、そんなに知りたいか。
じゃあ特別に教えてあげるね。
えっとね、人を煽ってお金を稼ぐコツはね、神様になろうとする人を狙うことだよ。
言ってること、難しいよね。
わかりやすく説明するね。
まずさ、昔のアメリカにはこんな話があるの。
いまから150年くらい前にね、カルフォルニアに金を掘る人が殺到したの。
うん。みんなお金儲けのため。
そうだよ。みんないーっぱいお金を稼ぐことができたの。
じゃあ質問ね。
誰が一番お金を稼いだと思う?
一番おっきな金塊を見つけた人?
いいね、確かにそうかもしれない。
でもね、今回は間違い。
答えはね、ツルハシを売った人なんだって。
そう、びっくりだよね。
みんな金を掘るために、たくさんツルハシを買ってくれたんだってさ。
面白いよね。
え?
これは何の話って?
僕が煽ってお金を稼ぐときには、同じことをしてるってこと!
煽るとさ、意見が分かれるでしょ?
それで、たくさんの人が参加して、もうグチャグチャに荒れるの。
それが大きくなればなるほど、多くの人が見るでしょ?
このときに儲けようと思ったらどうしたらいいと思う?
そうだね、ツルハシを売ったらいいんだ。
でも、今回はツルハシを売っても何にもならない。
じゃあ何を売るか。
「答え」を売ってあげるの。
みんなさ、なかなか答えがまとまらないから言い争いばかりするの。
だからさ、答えを知って議論の優位に立とうとする人に答えを売ってあげるの。
そしたらさ、どうなると思う?
みんな神様になりたいから、飛ぶように売れるの。
どう?面白いでしょ?
僕はね、一時的に神様になるチャンスを売ってあげてるんだ!
ゴールドラッシュの時も同じだったんじゃないかな。
ほら、お金持ちって神様になれるでしょ?
それと同じ。
情報って神様になれるの。
まぁ、僕は情報を売ったお金で神様になるんだけどね。
君もなりたいでしょ?神様に。
ほら、いまならなれるよ?
一緒にやろうよ。
僕のノウハウ、全部教えてあげるからさ。
ほら、神様になろうよ。
チャンスだよ!!!!!
ほら!!!!!!!
あなただよ?
ほら、あなた!!
これを読んでいるあなた!!
ちょっと気になってるんでしょ?
こっちにおいでよ!!!
神様に、なろうよ!!!!
『神様になれる権利』完