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夕飯どき、父がいるのと、いないのと。

    いい父親って何だろう?

    最近ふと、そんなことを考える。

    いま、我が家に引っ越しの話が出ている。

    大阪の義母が住むマンションに空きが出て、
    そこに引っ越そうかと話している。

    子どもが祖父母から得られる学びは大きい。
    そして、この先10年お世話になった分は、
    その先10年、介護という形で返していきたい
    とも思う。

    義理の母とのよくある嫁姑問題は、
    いまのところ全く無縁だ。
    私は、誰にでも感じよくチャーミングな
    義母をとても尊敬しているし、
    時々泊まりに行ったときの
    夜の晩酌タイムを楽しみにしている。
    (なんなら自分の母よりも話しやすいとさえ
    思うときもある)

    ただ、わたしが1番ひっかかるのは、
    夫の通勤時間が長くなることだ。

    夫はいま、
    宇治の福祉関連の仕事についている。

    色々と大変そうではあるが、
    私の目からみても、いまの仕事はたぶん
    夫に向いているのだと思う。

    それはきっと、夫が義母と同じように、
    ひととのつながりを大切にし、
    誰かの暮らしに誠実に向き合い、
    やわらかく関われるひとだからだ。

    いまの自宅から、夫の職場までは、
    自転車で約10分。
    転勤もなく、子育てに理解があり、
    18時にはみんなでごはんが食べられる。

    しかし大阪に引っ越せば、
    夫の通勤時間は約1時間半。
    こどもの睡眠時間を考えると、
    家族4人で食卓を囲む頻度は、
    今よりも格段に減ってしまうかもしれない。

    ふと、自分の父親のことを
    思い出す。

    私の父は、警察官だった。
    当直もあり、夕食を一緒に食べた記憶は
    あまりない。

    私たちが食べ終わって
    だらだらとテレビを見ている時に
    ふらっと帰ってきて、
    1人で晩酌しながら、自然と私たちの輪に入って
    けらけらと笑っていた。

    休みの日は、自然のある場所に
    キャンプに連れて行ってくれた。

    時々、「お楽しみだ」と言って、
    夜中、私たちが後部座席で寝ている中、
    父は愛知県から夜通し車を走らせて、
    朝にはディズニーランドに着いて、
    誰よりも早く並んでくれていた。

    私たちと一緒にいる時、
    父はいつも楽しそうだった。

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    だけど父は、
    家のことは、ほとんどしなかった。
    それが当たり前の時代だったのだとは思う。

    それが原因というわけではないが、
    いろいろあって、
    両親は私が大学生のときに、
    離婚した。

    大人になって、
    結婚して、子どもが生まれて。
    さまざまな視点で父のことを考えると、
    「夫」としては、そんなに褒められたタイプでは
    なかったのでは?と思う。

    けれども父は、私にとっては「いい父親」だった。
    おおらかで、お調子者で、ちょっとカッコつけ。
    いつもポジティブな父といる時間が、
    私は好きだった。

    たぶん、私は、
    父が何をしてくれたかよりも、
    父と過ごしたときの空気を、
    心地よい記憶として覚えているのかもしれない。

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    いま、自分たちの生活を振り返って。

    私の夫は、
    家事も育児も当たり前のようにする。
    ほぼほぼ定時で仕事を終わって、
    一緒に夕食を食べて、お風呂に入れて、
    寝かしつけもしてくれる。

    けれども、
    子どもたちにとっての「いい父親」は、
    家事や育児の量だけでは測れないのかもしれない。

    今のように、
    物理的に家族4人で一緒にいられる時間は、
    確かに大切だ。
    けれど、それが減ったからといって、
    私たちの求めるあたたかい家族のかたちが
    叶わないということは、ないのかもしれない。

    だからこの引っ越しも、
    家の広さや、通勤時間だけでは決められない。

    一緒にいる時間を増やせないなら、
    一緒にいる時間を、どう関わるか。

    過ごした時間の長さよりも、
    その人といた時の空気が好きだったと、
    いつか子どもにそう思ってもらえるような、
    父親で、母親であればいい。

    住む場所と、環境。
    そして、そこでどんな時間を
    家族ですごしていきたいか。

    きっと、この答えは一生変わり続ける。

    だからこれからも、夫婦で何度でも
    話し合っていくのだと思う。

    「こんな家族でいたいよね」

    子どもたちが寝静まったあと、
    たまにはとっておきのグラスで晩酌しながら、
    夫婦で一緒に、考えていきたい。


     
     
    人の生き方を考える。私の生き方も考える。 そんなことが大好きな、看護師です。 医療や子育ての葛藤、地域との関わりなど 日常の中でのひととの関係や生き方について、思いのままに書いています。 いつか、看護師が営む 「誰でも来ていい銭湯」をつくることが、夢。

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