
学校の前のおじいさんは、下校時に子犬を抱いて見守る
私は、あえて息子を小さな学校へ通わせている。
小さな学校の魅力は、人数が少ないからこそ、一人ひとりとのつながりが深くなることだ。
特性のある息子は、入学当初は人に対する不安や警戒心が強く、友達と口げんかになることも少なくなかった。
それでも、何年も同じ仲間と過ごすうちに関係は少しずつ変わり、今では「みんな家族みたい」と話すようになった。
もう一つ、この学校で私が好きなのは、地域の人たちが子どもを大切に見守ってくれることだ。
息子を迎えに行くと、学校の近くのおじいさんが、いつも犬を抱きながら子どもたちを見守っている。
「さようなら。」
「気をつけて帰るんだよ。」
優しく声をかけるその姿を見るたび、心が温かくなる。
今は「自分には関係ないことには関わらない」という空気が当たり前になりつつある。でも、本当はこういう存在こそ、子どもたちにとって大きな安心なのではないかと思う。
都会に住んでいた頃は、不審者情報が頻繁に届いていた。
その中には、「知らない年配の男性から『こんにちは。かわいいね』と声をかけられた」という内容もあった。
その情報を目にした時、私はそのおじいさんは悪意ではなく、純粋に子供を見守る気持ちで声をかけたのではないかと感じたし、そう信じたかった。
もちろん、子供を守るためには警戒や防犯の意識、不審者情報は必要だと思う。
それでも、子どもたちを地域全体で見守ろうとする大人が増えれば、子どもたちはもっと安心して暮らせる社会になるのではないだろうか。
学校帰り、犬を抱きながら子どもたちに「気をつけて帰るんだよ」と声をかけるおじいさん。
その後ろ姿から私は、「見て見ぬふりをしない大人」でいることの大切さを教えてもらっている。
それはとても勇気のある行動だと思った。
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