
かわいいってなんだろう
かわいいと聞いてどんなことを思い浮かべますか。
仕事が終わった診察室の隅で、後輩が泣いていた。
「忙しかったのに、足でまといでごめんなさい」と、小さな声で言いながら。
その涙を見た瞬間、いままでの自分とは違う感情が動いた。
今までの私なら、「仕事がうまくいかないからって泣くのはずるい」と思っていた。後輩が泣いたら、こっちが悪者みたいじゃないか、と。
だけど、いまは、その姿が、ただかわいいと思えた。
「かわいい」と感じた自分に、少し驚いた。
これは歳を重ねたからか。
それとも、いろんな人がいるという多様性の時代に生きているからなのか。
仕事でも趣味でも、頑張る姿を応援したくなる。
だから、壁にぶつかった姿をみたら、手を出したくなったり、アドバイスしたくなる。
でも、壁を乗り越えるのは、本人たちであり、自らぶつかっていかないといけない時があると思う。
そんな風に少し俯瞰して見るようになって、泣いている姿をみて「かわいいな」と、思った。
だって、これからたくさん乗り越えていく、伸びしろがあるってことだ。
かわいいって、結局守りたいとかそういうことなのかな。
子どもの頃から、かわいいには縁のない私だったから、そういった姿をみて、かわいいと思ってしまうのかな。
それとも、未完成なものを愛おしく思う気持ちなのだろうか。
泣いている後輩を見て、昔の私は「甘えている」と感じたかもしれない。
でも今の私は、その姿にこれから成長していく時間や可能性を見てしまう。
もしそうなら、かわいいとは弱さではなく、「この人はきっと大丈夫」と思えたときに生まれる気持ちなのかもしれない。
おはぎさんとけいこさんの哲学対話に参加しています。
うまく言葉にならなくてもいい。
考えがまとまらなくてもいい。
と、言う言葉に背中を押されて書きました。