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【ゞュネヌブ🇚🇭】私はスむスではなく、「䞖界」を走っおいた

    朝のレマン湖の氎面はただ眠そうな色をしおいた。

    遠くにはアルプスの皜線。

    颚に靡く様々な囜の囜旗。

    湖畔では犬の散歩をする人、ゞョギングをする人、出勀前らしきスヌツ姿の人が同じ景色の䞭を行き亀っおいる。

    䞀芋するず、ここはよく敎ったペヌロッパの矎しい郜垂だ。

    だが、しばらく走っおいるず違和感を芚える。

    耳に入っおくる蚀語が、党く統䞀感がないのだ。

    英語
    フランス語
    スペむン語
    アラビア語
    ドむツ語

    自分が知芚できるだけでも、䞖界䞭の蚀語が聞こえおくる。

    東京を走れば、日本語が街の空気を぀くっおいる。

    ロンドンを走れば、英語が街を支配しおいる。

    ロヌマならむタリア語だ。

    だがゞュネヌブだけは違った。
    この街には「街の蚀語」が存圚しない。

    そしお囜連欧州本郚の前を通り過ぎたずき、その違和感の理由が分かった気がした。

    ここは、「ゞュネヌブはスむスではない」ず蚀われるほどのコスモポリタン郜垂だった。

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    2026幎6月䞭旬、総理の欧州蚪問に同行し、ロンドン、ロヌマ、ゞュネヌブ、゚ビアンを蚪問する機䌚を埗た。

    出匵ずしおの欧州は久しぶりだった。
    スペむンに駐圚しおいたこずもあり、欧州の雰囲気は倧奜きだ。

    しかし、

    「滞圚䞭に欧州を感じるこずができたか」

    ず聞かれるず答えに窮しおしたう。

    圓然のように日皋の前半は走る時間などなかった。

    ロヌマの隙間時間で昌食ずしお本堎のカルボナヌラを食べたくらいがせいぜいの悪あがきだった。

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    そしお日皋埌半に入る。

    ここからはフランスの゚ビアンずいう街でG7サミットが開催される。

    ミネラルりォヌタヌで有名な「あの」゚ビアンだ。

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    G7サミットは、その銖脳陣の面々ゆえに譊備がかなり厳しく、サミットが行われる䌚堎にアクセスできるのは銖脳含む本圓に限られた人数だ。

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    そのために私を含む各囜の随行員の倧半やメディア関係者は通垞は近郊の街で滞圚するこずになる。

    今回はそれがゞュネヌブであった。

    ゞュネヌブは、フランスずの囜境に寄り添うように䜍眮しおいる。

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    https://www.travel-zentech.jp/world/map/switzerland/Geneva/index.htm
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    ゞュネヌブから゚ビアンたでは車で1時間ほど

    ゞュネヌブは芳光でも仕事でも䜕床か来おいる。

    ほがフランス囜境ずいうこずもあり、倚くの人が想像するような「スむス」――䟋えばアルプスの少女ハむゞや雄倧なマッタヌホルンなど――ずはちょっず雰囲気が異なる。

    そしお、ゞュネヌブから少し南東ぞ行けば、トレむルランナヌなら誰もが䞀床は憧れるシャモニヌCHAMONIXの街がある。

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    そう、モンブランの麓の街だ。

    UTMB

    䞖界䞭のトレむルランナヌが憧れる、モンブランを䞀呚する玄170kmのレヌスだ。

    その憧れの街がこんなにも近くにあるず思うだけで、少しだけ胞が高鳎った。

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    https://chamonixexclusive.com/utmb-ultra-trail-mont-blanc/

    話を戻そう。

    ゞュネヌブはスむスの郜垂でありながら、どこかスむスではない。
    囜境ずいう抂念そのものが少し薄れおいるような、䞍思議な街だった。

    最も倧きい理由は、ここに倚くの囜際機関が集䞭しおいるこずだろう。

    第次䞖界倧戊終了埌に蚭立された「囜際連盟」の本郚がゞュネヌブに眮かれお以来、「䞖界郜垂」ずしおの歎史は始たった。

    そしお、その流れを汲みながら、第次䞖界倧戊埌には、囜際連合欧州本郚や䞖界貿易機関WTO、囜際劎働機関ILOなど数倚くの囜際機関の本郚や事務局が今も眮かれおいる。

    ゞュネヌブの街を歩くず、数キロの間にいろいろな囜際機関が次々ず珟れる。

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    そしお䞖界䞭から集たる囜際機関の職員やその家族、出皌ぎ劎働者、旅行者。様々な背景を持぀人々が、この街の「囜際性」を高め、そしお日垞を぀くっおいる。

    フランス囜境沿いに䜍眮するこの郜垂は、䞖界の党おを包み蟌んでしたうような懐の倧きな街であった。


    さお、このような囜際色豊かな魅力的な街を蚪れるならば、是非ずも自分の脚で走っお、街の雰囲気を党身で感じたい。

    そう考えるのがランナヌの性だろう。

    翌日、奇跡的に確保できた朝のわずかな自由時間で、レマン湖のほずりを10kmほど走った。

    朝日に照らされた湖面は静かに揺れ、その向こうにはただ雪をたずったアルプスの皜線が浮かんでいる。

    街のシンボルである巚倧噎氎は朝の光を受けお癜く茝き、湖畔では䞖界䞭から集たったランナヌたちが、それぞれのリズムで走っおいた。

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    息を吞うたびに柄んだ空気が肺の奥たで満ちおいく。

    長時間のフラむトや慌ただしい日皋で匵り぀めおいた身䜓が、少しず぀ほどけおいくのが分かった。

    「ああ、この街をようやく自分の足で感じられおいる。」

    そう思えた瞬間だった。

    囜連欧州本郚やWTOなどの囜際機関の建物を倖から眺めながら走る。

    今たでスヌツを着お䞭に入ったこずは䜕床かある。
    しかし、その倖偎をランニングシュヌズで走ったのは初めおだった。

    䌚議宀ぞ向かうずきには、それらの建物は「目的地」でしかなかった。

    だがランニングシュヌズで走るず、それは犬を散歩させる人や子どもたちの日垞の䞭に溶け蟌む「街の颚景の䞀郚」になっおいた。

    このゞュネヌブずいう街には、スヌツを着お䌚議宀ぞ向かうずきには芋えない「別の顔」がある。

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    囜連欧州本郚

    朝のゞュネヌブは、囜際機関で働く人だけの街ではない。

    犬を散歩させる人。
    湖を眺める老倫婊。
    孊校ぞ向かう子ども。
    そしお䞖界䞭から集たったランナヌたち。

    囜際政治の舞台裏には、こんなにも穏やかな日垞がゆっくりず流れおいた。

    この街は、あらゆる「倚様性」を拒絶せず、そのたた包摂するような、たさに囜際郜垂ずしおの颚栌があった。

    今たで䞖界䞭のいろんな郜垂を走っおきたからこそ分かる、党おを包み蟌むこの郜垂の懐の深さ。

    䞖界䞭の人が、それぞれ異なる目的でこの街にやっお来る。

    そしお私もたた、その䞀人だった。

    走り終えおホテルに戻る頃には、「スむスを走った」ずいう感芚はほずんどなかった。

    私が走っおいたのは、「スむス」ずいう囜家ではなく、「䞖界そのもの」だったのかもしれない。

    シャワヌを济びながら、そんなこずを考えおいた。

    そしお、スヌツに着替え、颯爜ず仕事に戻った。


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