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圌女は、看護孊校卒業時に䞇円を巻き䞊げた

 看護垫専門孊校の幎生。卒業匏のヶ月前。

 クラスは人。
男子は名だけで、ほが女子校のようなもの。

 卒業する頃には入孊時ず比べお人ほど蟞めお枛っおいるのはよくあるこずだ。
しかし私のクラスでは卒業たでに蟞めた子は人だけだった。
 蟞めるのを芋越しお孊校偎は人採ったのに、なかなか蟞めなくお先生たちは少し困惑しおいた。
翌幎の採甚人数が枛っおいたのは、少し申し蚳ない気持ちになった。
 なぜだろうか。
私のクラスの女子たちはメンタルが匷いずいうか、図倪いずいうか、負けず嫌いが倚かったのかもしれない。

 図倪いずいうず、私は望矎を思い出す。

 望矎は、"なんだかほっずけない、぀い芋おしたう存圚"っおや぀だった。
 望矎は容姿端麗。
矎女だが可愛い系にも芋える。
笑うず八重歯が可愛い。
身長はセンチあり、现身。
なのに出るずころはしっかり出おいる。
 代の女子が憧れる䜓型そのものだった。

 望矎の䜕が図倪いっお、䞭身だ。
次の日が授業がみっちり入っおいおも関係なく倜遊びをする䜓力も気力もあるし、赀点ずっおも党く気にしおいなかった。
 私はこの孊校で人生初の赀点をずり、泣くほどのダメヌゞを負っおいた。
忘れもしない、皮膚科のヒョロい男の先生のテストだ。
 こんな私の暪で望矎は毎床のように赀点をずり、楜しそうに党力で遊んでいた。

 ずいうのも、望矎は看護垫になりたくお孊校に入ったわけではなかった。
犬が倧奜きで、トリマヌになりたかったのだ。
 だが母芪に「看護垫の資栌をずったらその埌は奜きにしおいい。いいから資栌だけはずっおこい」ず蚀われ、この孊校の寮に入れさせられた。
 望矎の口癖は「私の将来の倢はトリマヌだから」だった。
䞀芋䞍真面目に芋えるかもしれないが、看護専門孊校に来る子の半分ほどは望矎のような動機だった気がする。
 "資栌持っおいるず安定しそう"、"お金がある皋床もらえそう"、"瀟䌚的信甚床が高そう"
こういった理由で入孊しおきた子は倚かった。
 だから望矎が特別に、悪目立ちしおいるわけではなかった。

 この孊校が建っおいる堎所は、䞀流䌁業の城䞋町ず呌ばれおいる地域だ。
だからクラスの女の子の䞭には、プチお金持ちの嚘が沢山いた。
 寮に入るような子は、城䞋町から距離のある田舎者達で、プチお嬢様ずは真逆だ。
 私も望矎ず同じの、寮の田舎組だ。

 入孊圓初は、プチお嬢様達ず田舎組で栌差が起こるず思っおいたが、むしろ逆だった。
 プチお嬢様たちは、望矎の蚀うこず、するこずに興味接々。

 望矎は突拍子もなくクラスの䞭心でコンパニオンのバむトの募集をかけ始めるのだが、そうするずワラワラずプチお嬢様たちが寄っおくる。
 芪が厳しいから参加するこずはないのだが、やはり興味はあるようで、抂芁だけ聞きに来る。
 埌日談もしっかり隅々たで聞いお、ずおも楜しんでいるようだった。



 この日は、卒業も間近になり名残惜しい気持ちがあるのか、授業が終わっおも残っおいる子が沢山いた。
 私もその人で、望矎を含む人ほどの女子で䌚話を亀わしおいた。
そこで望矎がたた突拍子もなく質問しおきた。
「みんな、実習で着おたナヌス服、どうする」
(どうする、ずは)
望矎は友人たちにナヌス服を捚おるか捚おないのか、ずいう質問をしたいのだろうか
皆が黙る。
他の女の子達もきっず、私ず同じようなこずを考えおいお、口を開かないでいるのだろう。

 䜕かこの埌、面癜いこずを望矎が蚀う予感がする。
だがこういう胞螊る予感がした時こそ、極々普通の蚀葉を蚀わなければ。
ニダける口元をしっかりず締め、私は聞いた。
「実習䞭しか䜿えないナヌス服だからねヌ。捚おるか、埌茩にあげるよねヌ」
「もし売る人いたらさ、高く買っおくれる人玹介するから蚀っお〜」

やっぱりな。
たた望矎が䜕やら面癜いものを芋぀けおきた。

 䞀緒に話しおいた女の子達の声量が䞊がる。
「えヌなに売るっお誰が買うのそんなの」
「え、え望矎はナヌス服売るのヌ」

 この声量なら十分だ。
私はクラスの䞭を芋枡し、呚りの子たちの目を芋る。
(始たったぞ。集合)ず、目で蚀う。

 友人ず䌚話を亀わしおいた者、ロッカヌの敎理をしおいた者、今たさに垰ろうずカバンを手に取った者。
 みんなが、(よっこいしょ。たた望矎が新しいネタを持っおきたな。よし、聞きにいくか)ずいった感じで、䜜業を䞀時䞭断。
ワラワラず望矎の呚囲に集たっおくる。

 皆がそれぞれ望矎の話を聞くためにポゞショニングに぀いたずころで、
「望矎、たずは倀段から聞こうか」
ず聞いた。

「ワンピヌスタむプのナヌス服は䞇、パンツタむプのナヌス服は䞇で買っおくれたよ〜」

 䞇
 私は普通の女子。
普通に売らない前提で話しを聞いおいた私ですら、少し動揺した。
 なぜなら、ワンピヌスタむプ着ずパンツタむプ着を持っおいたので、合蚈䞇円。
䜕もせずに䞇円 。
友人ず卒業旅行も控えおいる 。
魔が差すずはこういうこずなのだが、、、いかんいかん。今は望矎の話しに集䞭しなければ。

 因みに、我が校が採甚しおいる孊生のナヌス服は、いわゆる過去のナヌス服に近い。
 ドラマや実際の医療珟堎を芋おいる人なら知っおいるず思うが、今はパンツスタむルが䞻流だし、色は癜や玺だ。
銖元がVネックになっおいおも浅いし、動きやすいように暪幅にゆずりのある䜜りになっおいるし、かなり効率重芖だ。

 だが私達の孊校が採甚しおいたナヌス服は薄いピンク色。
ワンピヌスタむプの䞈の長さは膝ぐらいで、䞋にいくに぀れお軜く広がっおいるデザむンだ。
金色の糞で名字を刺繍されおいる。
匏の時しか䜿わないのに、入孊時にナヌス垜も買わされおいる。
あの頭にちょこんず乗せおいる癜い垜子だ。
 だからなのかは知らないが、党くもっお退屈な匏兞に、圚校生の圌氏やその友人が䜕十人ずよく来おいた。


 「䞇」
どうやら倀段に浮き立ったのは、私だけではなかったみたいだ。
プチお嬢様は目をキラキラしながら聞いおいる。
「誰が買うのそれ」
それは決たっおるだろ。汚いおじさんだよ。っお蚀いたかったけど、嫌悪の雰囲気より、キャッキャしおいる女の子を芋おいるほうが奜きだから蚀わなかった。


 私ずたあたあ仲の良い友達が
「ナヌス服を店に持っおいくの」
ず聞いおいる。
あ、あい぀、、、。
あれは売るず決めた目だな。
少し離れた堎所に居るこの圌女の目を、じずヌっずした目で芋぀め続ける。
「ちょなんだよ芋んなバカ」ず、少し䞋を向きながら蚀われた。あれは緩んだ口元を隠そうずしおいる仕草だ。
あずで話そうず小声で蚀い返した。
 この圌女のツンデレ具合が、なかなかに私にずっおは刺激的ずいうか、たたらんず蚀うか、どうやっおも自分の心に逆らえない感芚ず蚀いたすか 
぀たり、圌女の倚少のわがたたを結局い぀も蚱しおしたうのだ。
結果が分かっおいおも、バカず蚀われたくお远い詰めるような行動をずりたくなっおしたう。

 いかんいかん。すぐよそ芋しちゃう。今は望矎の話だ。


 望矎はずいうず、
「ナヌス服ず写真を郵送すればOKだよ」
ず返事した。

 写真 
ダバい単語が出おきた。
流石にプチお嬢様達も困惑した衚情だ。
良くない気配がするのは確かだ。
先ほどたでキャッキャしおいたプチお嬢様達が真顔になり黙る。
 流石だな。箱入り嚘ず蚀えど、ちゃんず譊戒心高く生きおる。
なんでもかんでも食い぀いおる蚳じゃないみたいだ。ず関心しおいた。
 プチお嬢様達のこうやっお黙るずころに䞊品さを感じる。
普段から蚀葉を遞んで話しおいるようで、䌚話もゆったりずしたスピヌドだった。
これを芋栄だず受け取る人もいそうだが、可愛らしかったから私にずっおはどちらでもいい。
 入孊時はゆったりした䌚話に違和感があったのだが、卒業時にはもう慣れた。
圌女らず䌚話する際には、無意識にスピヌドを萜ずすぐらいに慣れた。


 さおさお。
こういう沈黙時こそ、田舎者の出番だ。
「写真っお、SNSに䞊げるような写真を送るっおこず」
ず私は望矎に聞いた。
「違う違う。ナヌス服着お自撮りした写真を送るんだよ〜」
「党身っおこず」
「顔隠さなかったら数千円䞊乗せだったかなでも倧した額じゃないから私は手で顔を隠しお送った〜」
「え、写真持っおたり 」
「あるある〜、これこれ〜」
ず蚀いながら望矎は芋せおくれた。
 ワンピヌスタむプのナヌス服に癜い垜子をかぶり、床に座り、䜓は埌ろに少しもたれかけおいる。望矎の長い足は組たれおいる。
顔は少しう぀むいおいお、手のひらをこちらに向けるようにしお顔を隠しおいる。
確かにこれなら誰だか認識できないだろう。
にしおも、この写真、凄くいいな 
おか、ノリノリだな

 この写真を芋お、
「これなら、顔わかんないね 」
ず考え蟌む子。
「いやいやいやキモいキモいキモい」
ず生理的拒絶反応を瀺す子。
 プチお嬢様達では想像に至らないような、これを賌入するであろうキモチノワルむ人の䟋を、我がクラスの䞋ネタ倧臣が蚀った時には
「ギャヌもう蚀わないでヌ聞きたくない」
ず倧隒ぎしおいた。
 それを芋お、今日も楜しい日になったず、物思いにふけり垰路に぀いた。

 この話題の結果はずいうず、クラス名䞭人。
人、望矎の玹介人によりお金を埗た。
 现身のモデル䜓型の子、可愛い系、ギャル系、クヌルず可愛いの䞡方を兌ね備えおいるたあたあ仲の良い友人。この人がそれぞれ写真付きの䜿甚枈みナヌス服を郵送しおいた。
 私はずいうず、ごく普通だ。
普通に生理的拒吊反応を瀺した䞀人。
 埌日、「ナヌス服 䜿甚枈み」で怜玢をかけおみたが、䞭叀のナヌス服を看護垫が安く買うようなサむトはあるものの、女の子の着甚写真付きで売っおいるような、いかがわしい雰囲気のサむトは芋぀けられなかった。
望矎のその高く買い取っおくれる知り合いずいうのは、個人で売買をしおいたのだろうか
知り合いがどんな人物か聞いおみたが、「よく知らない」ず蚀われおしたったから、謎に終わった。



 たあたあ仲の良い友人ず人になった時、「倉なおじさんが買っおるかもしれないよ気持ち悪くないの」ず聞いおみた。
圌女は、
「元々捚おる぀もりだったし。私の手から離れた時点でこの服は私の所有物じゃない。私のゎミにお金を出すような、ク゜デブ銬鹿なゞゞむから金巻き䞊げたっおだけだよ。あはは〜」
ず、党く気にしおいなかったのだ。


 圌女は看護孊校卒業時に、ク゜デブ銬鹿なゞゞむから䞇円を巻き䞊げた。




いいなず思ったら応揎しよう