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【最終話】45歳、崖っぷちからの逆転〜婚活記録〜

    『大切な贈り物』


    そして、私の46歳の誕生日がやってきた。

    雲ひとつない青空の下、
    セロリさん、私、そしてお母さんの3人で、
    あの横浜のクラシックホテルへと向かった。

    重厚なホテルのロビーを抜けた先は、
    まるで魔法にかけられたかのような、
    夢の世界が広がっていた。

    クローゼットの端から端まで、
    純白のドレスが眩い光を放って並んでいる。

    「わぁ……! すごい、本当に素敵ね……!」
    私自身はもちろんのこと、セロリさんも
    お母さんも、私以上に感動の声をあげていた。

    煌めくティアラやイヤリングなどの
    アクセサリーを選ぶ私の目は、
    子どものようにキラキラと輝いていたに違いない。

    「ももちゃん、あれも良いわね!」
    「お母さん、こっちも可愛くない!?」

    お母さんとドレスを選ぶ時間は、
    かつて距離を置いていたことが嘘のように温かく、まるで昔からずっと親密だった親子の時間を
    取り戻しているようだった。

    丁寧に髪をセットしてもらい、
    プロのメイクを施され、ついに
    憧れの純白のドレスに身を包む。

    ――いよいよ、セロリさんとのご対面の瞬間だ。

    ドアを開けると、
    シルバーのタキシードをビシッと着こなし、
    胸のポケットに一輪の薔薇を飾った
    セロリさんが立っていた。

    その姿は凛々しく、頼もしく、
    世界中の誰よりも格好良かった。

    静謐な地下のチャペル、
    横浜の街並みを見下ろす上層階のラウンジ、
    そして息をのむほど美しい大階段……。

    私たちは3つの最高のロケーションを巡りながら、
    撮影を行った。

    お母さんはといえば、自前のデジカメを握りしめ、まるで専属のプロカメラマンかのような執念で、
    何枚も私たちの姿をシャッターに収めていた。

    (お母さんに、花嫁姿を見せられて良かった……)(セロリさんに出会えて、本当に良かった……)
    (この日を迎えることができて、本当に良かった…)

    込み上げる感謝の洪水に、
    視界が何度も涙で潤んだ。

    少し変わり者で、
    昔は理解できずに敬遠していたお母さん。
    だけど、このウェディングをきっかけに、
    私の中の何かが変わった。

    「お母さんが嬉しそうにしていると、
    なんだか、私もたまらなく嬉しい……」
    そう思えるようになったのだ。

    そして、胸の中でそっと呟いた。
    (今の私を見たら、天国にいるお父さんも、
    きっと喜んでくれているよね……)

    親も、最愛のパートナーも、
    永遠に私の隣にいてくれるわけではない。
    私たちはつい、その大切な当たり前を
    忘れてしまいがちだ。

    だけど、この奇跡のような1日が、
    「今ある大切なものを愛する」という
    最高の気づきをくれた。

    ――・――・――・――・――・――・――・――

    ここまで、私の「45歳からの崖っぷち婚活記録」
    を綴ってきました。

    最初に婚活の世界へ飛び込んだ時、
    ネットに溢れる「40代の婚活は絶望的」
    「成婚率は数パーセント」という冷酷な現実を
    目にして、私は恐怖に震えました。

    私には無理なんじゃないかと、
    何度も心が折れかけました。

    40代が過酷な婚活で成果を出すには、
    一体どうしたらいいのか。

    少しでも手がかりが欲しくて、
    私は婚活ブログを片っ端から読み漁りました。

    そこには、同じように悩み、傷つき、
    それでも小さな幸せに喜んでいる、
    名もなき戦友たちの姿がありました。

    「苦しんでいるのは、私だけじゃないんだ」

    ――その事実に、とても励まされました。

    私がこの婚活体験記を書こうと決意した理由も、
    そこにあります。

    かつての私が、
    見知らぬ誰かのブログから勇気をもらったように。
    今、孤独な戦いの中で傷ついているあなたへ、
    これから一歩を踏み出そうとしているあなたへ、
    ほんの少しの光とエールを届けたかったのです。

    これを読んでくださっているあなたへ。
    婚活は、暗闇の手探りです。

    不安に押しつぶされそうになり、戸惑い、
    すべてを投げ出してしまいたくなる夜も
    きっとあると思います。

    だけど、どうか諦めないでください。

    ”今より少し先にある未来”を信じられる人が、
    一人でも増えてくれることを、祈っています。

    このブログが、いつかあなたの人生を優しく包む、「贈り物」になれる日を願って――。

    MOMO


    ▼創作大賞応募作品


     
     

    MOMO

     
     
    11年同棲した彼と別れる事をきっかけに 45歳から婚活を始め、半年でパートナー を見つけ、交際半年で結婚式を挙げました。 婚活体験、キャリアUP、日常について 記事にしていきたいと思います。

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