メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

友ず呌ばれた冬第話

    ネリケシ

    䞭野坂䞊の手前から枋滞が始たった。

    「巊車線に入っおくれ」

     亀差点に巊折の車がいるず盎進車が詰たるのはわかっおいた。盎前で右に戻れず指瀺する客も居る。そうするず䞭野坂䞊の亀番の目の前で進路倉曎犁止の黄色い車線を跚たたがなければならない。タクシヌドラむバヌに取っおは迷惑な指瀺だ。

    「詰たったらそのたたで構わない」

     俺の蚀葉を聞いお運転手は巊車線に入った。埌ろを振り返っお確認したが䞍審な動きをする車は居なかった。

     俺は千尋がどこから尟行されおいたのか考えおいた。孊校の出入りを監芖するのは難しい。たず䜕ヵ所か出入り口がある孊校を匵り蟌むには䞀人では難しい。加えお孊校の回りは䞍審者に察する目が厳しい。
     い぀出おくるか分からない千尋を長時間匵り蟌むのは難しく、玫色のリュックは目印にはなったが同じ制服を着た生埒の䞭から䞀人を芋぀けるのは簡単ではない。同じリュックを持っおいる生埒が居ないずも限らなかった。

    画像

    「今日、䜕か倉わったこずはなかったか」
    「孊校がい぀もより早く終わったので䞀旊家に垰ったんです。祖母に新宿譊察眲にお父さんのこずを話しおくるっお蚀っお出おきたんですけど  」
    「そうだったのか。いた、おばあさんず連絡を取れるか」
    「はい」

     祖母に電話をかけ話しおいるず、千尋の顔぀きが倉わっおいく様子がはっきりずわかった。

    「私が出たあず、祖母のずころに䌚瀟から電話があったそうです。私が出掛けたこずを䌝えるず父のこずで急いで私に䌚っお話をしたいず蚀われお、新宿譊察眲に行っおいるず䌝えたみたいで  」

     祖母ずの電話を終えるず自分が悪いこずをしおしたったかのように蚀った。

    「そうか。家を出たのは䜕時頃だ」
    「4時半に荻窪駅に着くように出たから時20分䜍だったず思う」
    「荻窪からなら少し早すぎないか」
    「新宿駅はあたり䞀人で来たこずがなくお心配だったから」
    「わかった。少し埅っおくれ」

     梅島に電話を入れるず、すぐに繋がった。

    「梅島さん、いた話せたすか」
    「所長はもうあがった。倧䞈倫だ」
    「すいたせん。倧野のこずで䜕か動きはありたしたか」
    「いや、残念だがただ䜕も進展はない。どうしたんだ」
    「倧野の嚘のずころに䌚瀟を名乗る者から電話があったらしいんです。おそらく16時半頃かず思うんですが、倧野のこずで急いで䌚っお話がしたいず蚀っおいたらしいんです」
    「俺の知る限りではそういう話は聞いおない。その時間なら俺も事務所に居たがそんな電話をかけおいる事務員は居なかったぞ」
    「わかりたした。すいたせん、あずで詳しく説明したす」
    「わかった」

     隣で䌚話を聞いおいた千尋の県から涙がこがれそうに芋えた。

    「䌚瀟の者ずいうのはおそらく嘘だ」
    「なんでそんなこず  」

     もし千尋が電話に出おいたら䌚瀟の者だず名乗る盞手に、『倧野のこずで急いで䌚いたい』ず蚀われたら疑わずに䌚いに行っおいただろうかそれずも先に俺に盞談をしただろうか
     電話がただの千尋の所圚確認だずしたらあの男が新宿駅に居るはずがない。腑に萜ちないこずが倚過ぎお俺は混乱しおいた。

     ふずゞャケットのポケットに入っおいる劎働組合のチラシを思いだし千尋に聞いおみた。

    「倧野ず二人で䌚瀟の行事に参加したこずはあるか」
    「行事ですか」
    「あぁ、組合のむベントで毎幎旅行や催しが開かれおいるんだが」
    「あっ、それなら䜕床もありたす。普段忙しくおなかなか遊びに連れお行けないからっお、毎幎私を旅行や家族向けのむベントに連れお行っおくれたんです」

     䞍安が真っ盎ぐに珟実ぞず向かっおいる気がした。祖母から千尋の行き先を聞けば荻窪からJR䞭倮線に乗っお新宿に出おくるこずは予枬できる。
     千尋の顔を知っおいる者であれば  いや、これだけの乗降客が利甚する新宿駅で、たずえ事前に利甚路線が分かっおも顔だけで盞手を探し出すこずは珟圹の探偵でもなかなか難しい。

     䜕かがおかしい。䌚瀟は千尋が祖母の家で暮らしおいるこずを知らなかった。千尋が家を出たあずに電話があったずいうのも偶然にしおはタむミングが良い。祖母が䞍審に思っお千尋の行き先を蚀わないこずも考えられる。

    「もしかしお携垯電話にGPSアプリを入れおいるのか」

    画像


    「はい。お父さんず䞀緒に暮らしおいる時から入れおいたす。お父さんが家を空ける時間が長いから心配だっお蚀っお。離れお暮らすようになった時も、そのたた入れおおくように蚀われたので」
    「そうか。今日は埅ち合わせの前に新宿駅に着いおいたんだな」
    「15分前䜍には着いおいたず思いたす」

     男の顔を殎った傘から垂れ萜ちた氎滎が、小さく震える千尋の足元に忍び寄るかのように拡がっおいた。


    第19話→

    ←第17話


    あなたぞのおすすめ