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友ず呌ばれた冬第話

     梅島ず話すこずもなく新宿営業所を出たのは時少し前だった。明治通りは盞倉わらず枋滞しおいるが埅ち合わせ時間にはただ時間があった。

     倧野のアパヌトをもう䞀床調べる時間はある。諏蚪通りでタクシヌを拟い、そのたた小滝橋たで出お小滝橋通りから北新宿ぞ向かった。明治通りず違っお枋滞はほずんどなかったが、消防眲から救急車が出動するタむミングに圓たっおしたい少し足止めを食らった。新宿は昌でも倜でもサむレンが途絶えるこずはない街だ。

     朚造の叀びたアパヌトは雚に濡れお䞀局みすがらしく芋えた。呚囲を歩いおみたが監芖をしおいるような䞍審な者は居なかった。集合郵䟿受けには新たに䞍動産屋のチラシが増えおいたが、号宀のポストが開けられた様子はない。

     こんなアパヌトに䜏む䜏人に分譲マンションのチラシを入れたずころで、絶望を加速させるだけだろうにず毒づきながら、千尋から預っおいる合鍵を鍵穎に差し蟌んだ。

     鍵が差し蟌みにくい。鍵穎を調べおみるず無数の傷が぀いおいた。

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     ピッキングは映画のように針金を差し蟌んで、回動かせば鍵が開くなどずいうこずはない。専甚のツヌルを䜿っお指の感芚を頌りに鍵穎の䞭のピンを倖しおいかなければならない。鍵の皮類にもよるが蚓緎を重ねおも解錠には最䜎分ほどかかる。その䜜業をするずツヌルの金属ず鍵穎の金属が擊れお無数の傷が぀く。

     ハンカチを取り出しおドアノブを握り、回しおみるず思った通り鍵はかかっおいなかった。ゆっくりずドアを開けるずタバコの臭いが混ざった湿った空気が流れおきた。

     緊匵に身䜓が匷ばった。勢いよくドアを開けたが宀内には誰も居ない。荒らされおいるわけでもなく以前来た時ず䜕も倉わっおいないように芋えた。床を芋たが土足で入った様子はない。玄関のたたきは也いおいお䟵入者が居たずしおも時間が経過しおいるこずを意味しおいた。

     靎を脱いで郚屋の䞭ぞず入った。本棚も食っおあった写真もそのたただ。本棚に眮いおある小さな匕き出しの䞭に倧野の健康保険蚌ず印鑑を芋぀けお回収した。これがあれば千尋が新宿譊察眲に倱螪届を出すこずができるはずだ。 
     シングルベッドに塞がれる圢の抌し入れの戞がわずかに開いおいた。前も開いおいたか思い出そうずしたが蚘憶になかった。抌し入れを開けおみるず段ボヌル箱が個ず衣装ケヌスが぀入っおいた。特に倉わった様子は芋られない。

     あの倜、俺は鍵を閉め忘れたのだろうかもずもず鍵穎の呚りには無数の傷が぀いおいたんだろうかタバコの臭いは俺が吞ったタバコの残り銙だろうか

     䜕䞀぀確信が持おなかった。

     郚屋を出おもう䞀床鍵穎を確認しようずかがみ蟌むず、むンタヌフォンの底郚が芋えた。むンタヌフォンのカバヌ郚分を止めるネゞが2本ずも無くなっおいおネゞ穎だけが空いおいた。

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     むンタヌフォンが鳎らないこずは千尋ず䌚ったあの倜に気づいおいたが、ふず気になっおカバヌ郚分を匕っ匵っお芋た。わずかな粘着質の抵抗があったが力を入れるず簡単にカバヌが取れた。䞭を芋るず配線が刃物で切られたかのように故意に切断されおいた。これでは呌び鈎を抌しおも鳎るはずがない。

     タクシヌドラむバヌは出庫時間にもよるが長時間の勀務になるため、今日の俺のように昌頃たで寝おいるこずが倚い。そうかずいっお睡眠を劚げられるこずを嫌がっおむンタヌフォンを鳎らないようにするだろうか仮にそうだずしおも、このようなやり方は枩厚な倧野のむメヌゞにはそぐわなかった。

     通報するべきか迷ったが刑事や鑑識が来お家䞻の同僚である俺がこれたでの経緯をあれこれ説明するこずになるのは面倒だった。郚屋が荒らされた様子もない。この郚屋から無くなったものず蚀えば、知る限りでは俺が持ちだしたノヌトパ゜コンず保険蚌、それに印鑑だけだ。

     むンタヌフォンのカバヌをはめ蟌んだ埌、指王を残さないようにドアを閉め合鍵を䜿っお鍵をかけた。芖線を感じタバコの吞い殻が萜ちおいた堎所を芋たが、芖界の䞭で唯䞀動いおいるのは雚だけだった。


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