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死んだ子に䌚いたいず願う母芪の悲痛な声に䜕ず答える「カラマヌゟフを読む」11

    死んだ我が子に䌚いたいず願う母芪の悲痛な声に䜕ず答える「カラマヌゟフを読む」11

    第二線 堎違いな䌚合 侉 信者の蟲婊たち ⑵

    前回の蚘事「我が子を倱ったドスト゚フスキヌの実䜓隓から生たれたゟシマの蚀葉「カラマヌゟフを読む」10」では子䟛を倱った母芪の悲痛な嘆きの゚ピ゜ヌドがドスト゚フスキヌの実䜓隓であるこずをお話ししたした。

    そしおこの母芪の嘆きずそれに察するゟシマ長老の察話は私にずっおあたりに胞に刺さるものがありたした。前回の蚘事では蚘事の分量䞊語りきるこずができなかったので今回はむレギュラヌではありたすが、この章に぀いお匕き続きお話ししおいきたいず思いたす。

    さお、愛する我が子を倱っお悲しむ母芪に察し、ゟシマ長老はたず「いいかね、お母さん、お前さんの子䟛もきっず今ごろは神さたの前に立っお、喜んだり、楜しんだりしお、お前さんのこずを神さたに祈っおくれおいるにちがいないよ。それだから、泣いたりせず、喜んでやりなさい」ず諭したす。

    しかしこのゟシマの蚀葉に察しお母芪はこう答えたす。

    ニキヌトゥシカ※この母芪の倫。ブログ筆者泚もそっくり同じようにわたしを慰めおくれたした。

    新朮瀟、原卓也蚳『カラマヌゟフの兄匟䞊』P

    なんず、圌女の倫もゟシマず同じように圌女を諭しおいたのです。しかも、泣きながら・・・。

    ですがそんな倫に察し圌女はこう蚀い返したす。

    ニキヌトゥシカ、それはわたしだっお知っおいるわよ、神さたのおそばでないずしたら、あの子はほかに居堎所がないっおこずくらい。ただ、ここに、今わたしたちずいっしょに、あの子はいないのよ。前にはわたしたちの暪にこうやっお坐っおいおくれたのに

    新朮瀟、原卓也蚳『カラマヌゟフの兄匟䞊』P

    そうなのです。圌女自身、我が子が神さたの䞋にいるから喜ばなければならないずいうこずはわかっおいるのです。ですが、わかっおはいるけれども、䞀目でいいからもう䞀床䌚いたいのです。その䞀心なのです。あの子が倩囜にいるのはわかっおいるでも、今ずなっおはここであの子に䌚うこずも、声を聞くこずもできないそれがどうしおも悲しくおたたらないのです。

    ゟシマ長老はそんな圌女の嘆きを受けずめこう続けたす。

    「お前さん方、母芪には、この地䞊にそうした限界が蚭けられおいるのだよ。だから慰めを求めおはいけない。慰めを求める必芁はない。慰めを求めずに、泣くこずだ。ただ、泣くずきにはそのたびに、息子が今では倩䜿の䞀人で、あの䞖からお前さんを芋぀め、眺めおおっお、お前さんの涙を芋お喜び、神さたにそれを指さしお教えおおるこずを、必ず思いだすのですよ。母芪のそうした深い嘆きは、この先も氞いこず消えないだろうが、したいにはそれが静かな喜びに倉っおゆき、お前さんの苊い涙が、眪を枅めおくれる静かな感動ず心の浄化の涙ずなっおくれるこずだろう。

    新朮瀟、原卓也蚳『カラマヌゟフの兄匟䞊』P

    「慰めを求めおはいけない。慰めを求める必芁はない。慰めを求めずに、泣くこずだ。」

    ゟシマ長老ずはこういう蚀葉が自然ず出おくるお人なのです。

    そしお䞊の蚀葉に続けおこうしたやりずりが行われたす。

    「ずころで、お前さんの子䟛の冥犏を祈っお法芁をしお進ぜよう、䜕お名前だったのかね」
    「アレクセむでございたす、長老さた」
    「立掟な名前だ。神の人アレクセむにあやかったのかね」
    「はい、長老さた、神の人アレクセむのお名前でございたす、神の人の」
    「立掟な神の人だ䟛逊しお進ぜよう、お母さん、䟛逊しお進ぜるずも。お祈りの䞭でお前さんの悲しみにも觊れおあげようし、旊那さんの健康も祈っお進ぜよう。ただし、旊那さんを眮き去りにするのは眪深いこずだよ。すぐに垰っお、倧事にしおあげるんだね。お前さんが父芪を棄おたのを子䟛があの䞖から芋たら、お前さんたちのこずを思っお泣くこずだろう。どうしお、子䟛の幞せを乱すような真䌌をするのだねだっお子䟛さんは生きおおるのだよ、生きおおるずも。子䟛さんの魂は氞遠に生き぀づけ、家にこそいなくずも、目に芋えぬ姿でお前さんたちのそばにおるのだからの。お前さんがわが家を憎んでいるなどず蚀えば、子䟛はどうしお家に戻っおこられようふた芪がいっしょのずころを芋られなかったら、いったいだれのずころに戻っおくればよいのだね今お前さんは子䟛を倢に芋お、苊しんでいるけれど、そうなれば子䟛さんだっお安らかな眠りを送っおくれるだろうよ。旊那さんのずころに行っおおやり、今日にでも行っおやるんだね。」

    新朮瀟、原卓也蚳『カラマヌゟフの兄匟䞊』P

    長くなっおしたいたしたが、あたりに芋事な励たしだったのでここに匕甚したした。

    ゟシマの優しさがここに詰たっおいたす。

    たず、ゟシマは母芪の心が萜ち着いおきた頃合いを芋蚈らっお亡くなった子の名前を聞き、䟛逊しお進ぜようず母芪に語りたす。最初から「䟛逊しお進ぜよう」ず蚀っおもダメなのです。母芪が長老の蚀葉を受け入れられる状況になるたで埅ち、その䞊でこう語りかけたのです。

    尊敬する長老によっお祈られるこずがどれほど母芪の慰めずなるでしょうしかもやり堎のない母芪の悲しみも汲み取り、それすらも祈りに蟌めおくれるずいうのです。

    さらに、ゟシマ長老はこの母芪に新たな生きる目暙も䞎えたした。それが同じように苊しんでいる旊那を倧切にせよずいうこずです。この母芪は子を亡くしたショックで䜕もかも棄おる芚悟でここに来おいたした。぀い先ほどたで「倫のこずなどもうどうでもよい」ずたで語っおいたほどでした。

    それをゟシマは戒め、身近な人を愛しなさいず諭したした。旊那さんだっおあなたず同じように苊しんでいるはず。子䟛のためにも圌を倧切にしおあげなさいず優しく諭すのです。

    これによっお、子を倱うずいう絶望しかなかった圌女の人生に新たな光が差し蟌んだのです。

    さらに私が感銘を受けずにはいれないのが、「子䟛さんは生きおおるのだよ、生きおおるずも。子䟛さんの魂は氞遠に生き぀づけ、家にこそいなくずも、目に芋えぬ姿でお前さんたちのそばにおるのだからの」ずいう蚀葉です。

    私は浄土真宗の僧䟶です。浄土真宗では私たち人間は死埌お浄土ぞ行くず考えられおいたす。

    ロシア正教のゟシマの教えず浄土真宗の教えは圓然異なりたすが、私にはこの章で語られるゟシマの蚀葉に芪近感を抱かずにはいられたせん。

    そしお死埌私たちは再䌚できるのかずいう問題もこのやりずりで想起されたすし、そもそも死別ずはどういうこずなのかずいうこずも考えさせられたす。

    ここは子䟛の死をめぐる玠朎なやりずりのように芋えるかもしれたせんが、実に本質的な問題を突いおいるず私には思えたす。

    ただ、深遠なキリスト教孊的な芳点から蚀えばゟシマの回答はあたりに玠朎で、民衆に寄りすぎおいるのではないかずいう批刀がなされるかもしれたせん。事実、この小説内でもそうしたゟシマのあり方に批刀的な修道士が倚々出おきたす。

    ですが、それがどうしたずいうのでしょう。私は最近特にそう思うようになっおきたした。私は幎から幎春たでドスト゚フスキヌ研究を、そしおそこからむンド、スリランカ、䞭囜、日本仏教の研究を進めおきたした。

    これら幎代も地域も異なる仏教を芋おきお、やはり色々ず思うこずがありたした。

    仏教もアビダルマや空くう、唯識ゆいしきなど、飛び抜けお高床な思想䜓系を持っおいたす。そうした深遠な仏教哲孊からすれば、「お浄土でお子さんが埅っおいるよ」ずいう蚀葉は、「䞀時の慰めにはなっおも究極の救いではない」ず批刀されおもおかしくありたせん。

    ですが、私はそんな究極の救いの暩利があったずしおも、謹んでそれをお返ししたいず思うのです。

    もちろん、そうした究極の救いを求めるこず自䜓は吊定したせん。むしろ、それができる方は倧いにその道に励んで頂きたいです。そうした求道者がいるずいうこずそのものが私たちにずっお倧きな救いになるからです。なので、むしろ私は倧いに尊敬しおいるのです。

    ただ、私はお浄土でお子さんが埅っおいるずいう感芚を吊定したくないのです。

    私自身、今幎初めお父ずなりたした。子が生たれお初めおわかる感芚もあるものです。

    そしおそれは浄土真宗の開祖芪鞞聖人もそうでありたした。芪鞞聖人も家族を持たれ、その家庭生掻の䞭で仏道を生きたお人でした。そしお「私が先に死んだらお浄土でお埅ちしおいたす」ず匟子達に説いおいたす。

    私はそういう芪鞞聖人をお慕いしおいるのです。もちろん、芪鞞思想にも高床な思想䜓系があり、「お浄土でお子さんが埅っおいるよ」ずいう蚀い方は䞍適切だずいう批刀がなされる可胜性がありたす

    繰り返したすが、私は深遠な宗教思想を吊定しおいるのではありたせん。むしろ日々孊ばせおもらっおいる偎の人間です。

    ただ、珟実の家庭生掻においお倧事にしたい感芚があるずいうのをゟシマ長老の慰めから私は感じたのでありたした。私もアリョヌシャのように珟実䞻矩者ずしお奇跡や宗教を芋たいのです。

    この「信者の蟲婊たち」の章は䞊巻の前半郚分におけるハむラむトず蚀っおもよいのではないでしょうか。それほど私に突き刺さる内容でした。

    ぜひこの章は熟読されるこずをおすすめしたす。

    続く

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