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連載『それゆけ!重さん20』~お金

    お金

    生きていれば、いろんなことがあるもので、
    夫との関係が壊れてしまい、夫が家から出て行った時があった。

    私は、体調を崩して食事もまともにとれなくなっていた。

    ーーーーー

    そんなどん底だったある日、義母から電話があった。

    「さっきまで、来てたよ」と言われ、
    私は思わず、
    「元気でしたか?」と訊いてしまった。

    ただただ、天然でうっかりだっただけなのだが、
    義母は、聞き逃さなかった。

    「一体、どういう意味?」

    一緒に住んでいたら、元気か聞くなんてことはない。

    や、やば・・・やってしまった。

    私は、うまくごまかすことができず、
    正直に、今、夫が家にいないことを打ち明けた。

    ーーーーー

    電話を切って1時間も経たないくらいだったと思う。

    重さんと義母は、
    タクシーで私の元に駆けつけてくれた。

    そして、ガリガリに痩せてやつれた私を見て、
    「どうしたの!! 大丈夫? どうせあいつが悪いんだろう」と、
    とにかく、私のことを心配してくれる。

    そして、
    「これで何か食べなさい」と、お金を置いて帰っていったのだ。

    まさか、重さんまで一緒に来るとは思わなかったけど、
    私のことが心配で心配で、
    考える間もなく家を飛び出してくれたのだと思う。

    何を話したか覚えていない。

    覚えていないけれど、血相を変えて駆けつけてくれた2人に救われた。

    迷うことなくタクシーで駆けつけ、迷うことなくお金を置いていった。
    あの温かさを私は今も忘れることができない。

                                 21に続く

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