
窓辺のなす
窓辺でなすを育てている。
いちごがうまく育ったから、なすもうまくいくと思った。
しかし面白いことに、窓辺のなすは一向に実を結ばない。
花は咲く。もう5輪は見たと思う。
咲いて数日経つと、必ず根元から綺麗に落ちてしまうのだ。
窓辺のなすは、なにを思ってそんなことをしているのか。
まず、世間のなすと比較して葉っぱが大きい。
私の手のひらを思いっきりパーした時と同じくらいある。
しかも、窓辺に向かってせっせと葉っぱの角度を調整しているように見える。おそらく光が足りないのだ。
なすなりに考えた結果なのだろう。
今は実をつけるより、自分が生きる方が先だと。
次の代のことなんか考えてる場合じゃねえ、と。
花が落ちるたび、少しだけきゅうっとなる。