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Photo byyamanagiyuto

スマホもパソコンもある便利なこの時代に
朝くつ箱をあけると そこにあった手紙

7時45分頃のまだザワザワした雑踏の中
向こうの方ではサッカー部が朝練をする声が聞こえている

友達に見つからないように
ばっとその手紙をつかんで
さっと勢いよくカバンの奥に押し込んだ

名前のないその手紙にドキドキしながらも
開封できないまま ホームルームが始まる

少しシワシワになった薄いブルーの封筒の手紙が
カバンのスキマから ちらっと顔を出している

誰かからもわからないその手紙を
だれにも見つかってはいけない気がして
もう授業どころではない

一限目の終わりにバッとその手紙をつかんで
人気の少ない3階の階段の踊り場まで駆ける

ハアハアと息も絶え絶えに
おそるおそる封を破る

けして上手くはないけれど 丁寧に書かれたその字の主は
まさかの前からスキだった あの人のモノだった

広い便箋の真ん中に言葉少なに書かれた文字は

「あなたのことが ずっと好きでした。」

それだけだった。

みずいろの便箋に書かれたその文字は 平面のはずなのに
まるであなたが実際に話しているように思えて
すごく立体的にみえた

短い10分の休み時間を告げるチャイムがなって
震える手を握りしめながら
急いで教室に戻る

たった15文字のきみからの言葉が
脳裏に焼き付いて 胸がざわざわする

たった15文字のきみからの言葉が
脳内で繰り返し再生し

なんだか誰かに聞かれているような気がして
思わず両手でみみをふさぐ

板書している先生に
何してるの?って見られるかもしれないというスリルに
より心臓がバクバクする

ブレザーの胸ポケットにしまったその手紙に
わたしのドキドキが聞こえているかもなんて
変な想像が広がり始める

わたしは赤くなった顔を隠すように
うつむいたまま
いつまでも解けない数式をただ見つめていた


作者:flyhigh(ふら)


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