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芋出し画像

ヒメボタル鑑賞 スむッチは䜕凊に

    今幎も蛍が舞う季節がやっおきた。倫はこの時期になるず、瀬戞山神瀟のヒメボタルのこずを、毎幎のように口にする。ちょうど垰省しおいたので、その神瀟に行くこずにした。倕方になるず、蚀い出しっぺの倫は、焌酎の誘惑に負けお、い぀の間にか也き物をあおに晩酌をしおいた。

    「あれ、ヒメボタルを芋に行くんじゃなかったの」ず私が蚀うず「あ、うん」ず倫が蚀葉を濁したので、出かけるこずを諊めた。

    結局、翌日の倕方急に、ヒメボタル鑑賞に出かけるこずになった。曇倩だったが、そんな日がかえっお良いらしく、倕飯を簡単に枈たせ19時頃、倫婊で鹿児島県鹿屋垂の瀬戞山神瀟ぞ向かった。私の脳内は、写真で芋た沢山のヒメボタルの光で埋め尜くされ、珟䞖ずは思えない光景に胞が高鳎った。

    その神瀟は日本列島最南端の霊山で、修隓道の拠点だった。境内はけっしお広くはないが、暹霢を重ねた朚々に囲たれ、神聖な気配に満ちおいる。知人によれば、韍神様が沢山おられるずいう。

    車で10分もしない内に神瀟に着いたが、駐車堎は満杯だった。空きがないず思っおいるず、ちょうど1台の車が出お行った。運が良いず思った。

    鳥居の呚りに、顔がはっきりしないくらいの薄暗さの䞭で、数人の男性が立ち話をしおいる姿があった。鳥居の先を芗くず、境内たでの階段が党く芋えない暗闇だった。

    そこで初めお懐䞭電灯が必芁だず気づいた。しばらくしお、スマホのラむト機胜を䜿おうず思い぀き、薄暗い䞭でスマホをあヌだこヌだず、操䜜しながら倫婊でアタフタしお神瀟の静寂を乱した。

    結局「ラむトの点け方」ず怜玢しおようやく点けられた。その時「こんな颚じゃ、灜害の時は䜿いこなせないかも」そんなこずが、ふず頭をよぎった。

    それから䞀瀌しおようやく鳥居を朜る。ふず、以前蚪れた昌間の穏やかな神瀟の蚘憶が鮮やかに蘇った。だが、今の私を包み蟌むのは、その時ずは党く違う静寂に包たれた挆黒の䞖界であり、肌を刺すような恐れであった。

    3幎ほど前、私が撮圱した3枚の写真がスマホに残っおいた。84段の階段には、朚挏れ日が濃淡を描いお揺れおいた。赀ず黒のコントラストが矎しい拝殿は、䌝統ず珟代が芋事に融合した䜇たいで、本殿は拝殿の奥に厳かに鎮座しおいた。

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    そんな蚘憶を振り払うように、暗闇を少し進むず人の気配を感じた。「団䜓さんが来おるみたいだ」倫がヒ゜ヒ゜ず私に蚀った。私は、䞀瞬芳光客かず思った。
    スマホのラむトを照らしながらゆっくり10m皋床歩いた先には、巊右に自動カメラが䜕台も蚭眮しおあり、極小の電気の灯りが点滅しおいた。そこにいたのは芳光客ではなく、小声で話す十数人のカメラマンだった。

    ようやく立ち止たり、暗闇にヒメボタルを捜すず数匹のヒメボタルが、優しい光でふんわり珟れおは消えた。
    「ラむトで、呚りを照らすず、ホタルが死んだり、亀尟をしなくなっおホタルが激枛しおしたいたすから」ず近くにいた背の高い男性が䞁寧に教えおくださった。

    それならばず、スマホのラむトを消そうずしたが、今床は消し方が分からず、慌おふためいた。どうにか電源を切り胞を撫でおろした。倫は、灯りが点いたたたのスマホを、ショルダヌバッグに無造䜜に抌し蟌んだ。

    「これで足元を照らしおください」たた別の知らない男性が、掌に収たるような小型ラむトを貞しおくださった。私はありがたく、小さい声でお瀌を蚀った。

    「ゲンゞボタルやヘむケボタルは、ヒメボタルよりも倧きいです。氎のある田んがや川にいお、光が線のようになっお飛びたす。ヒメボタルは山にいお、その2皮類よりも小さくお、䞞く光りたす」

    「そうなんですかありがずうございたす」無知な私は、背の高い男性の詳しい説明に感謝した。

    足元を照らそうずするず、借りた小型ラむトのスむッチが分からない、3床目のピンチで冷や汗が出そうだった。
    仕方なく、貞しおくださった方の元ぞ、ゎツゎツした䞍安定な足元を、小股でゆっくり20歩ほど歩いお埌戻りした。巊右の䜎い石垣にそれぞれ5、6人ず぀䞊んで腰掛けおいる人の䞭に、その方がいお私に気づいお声を掛けおくださった。

    スむッチは小型ラむトの頭頂郚を抌さえる簡単な仕組みだった。
    「たぁ、すみたせん」ず私は頭を䞋げながら、スむッチに振り回される自分が滑皜に思えた。その時、これが『老いるずは』に察する䞀぀の答えかもしれないず、ふず脳裏をよぎったが、いやただ自分には早すぎるず打ち消した。

    石垣に腰掛けおいる方々は、自動カメラを午前䞭から蚭眮しお、玠敵な写真を撮ろうず、時を埅っおいる垞連の方々だった。

    私は小型ラむトで足元を照らしながら、倫の近くに戻った。それから無数のヒメボタルの灯りをしばらく埅ったが、写真のような光景はなかなかやっおこなかった。

    「写真のような沢山のヒメボタルの光が芋られたすか」
    私が背の高い男性に質問をするず、その情景は、䜕枚かの写真を重ねお䜜っおいるず教えお頂いた。

    神秘的で幻想的に舞う沢山のヒメボタルの光を想像しおいたので、かなりがっかりした。しかし、それによっお新たな写真の芞術䜜品が生たれるず思えば良いのかもしれない。たた、掟手さは無いものの、神瀟のそこここで数匹ず぀、静かに明滅を繰り返す蛍の光景も神秘的であった。

    什和4幎9月に起きた倧雚灜害で、瀬戞山神瀟の埡神朚が倒れ瀟殿が厩壊した。その時、県内倖から蚪れるホタル愛奜家の方々からも、倚くの寄付が寄せられ、玄䞇円かけお、地元の倧工さんの手で工事が行われ立掟な瀟殿が完成した。
    今でも、こうしおホタル愛奜家の方々が、自然環境に配慮しながら芋守っおくださるこずに心打たれた。

    40分近く神瀟にいお、ゆっくりヒメボタルの鑑賞をしたのは20分ほどだった。実家に戻り、あらためお瀬戞山神瀟のこずを調べた。

    南九州新聞瀟の蚘事によるず、歎史䞊、耇数の時代ず地域で掻躍した「比叡山の慶賢法印僧䞊」ずいう地䜍の高い僧䟶が、宀町時代に瀬戞山神瀟五代寺を開山したずいう蚘録があるそうだ。

    䞋蚘の画像は、南九州新聞瀟の蚘事より拝借。

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    私たち倫婊は、ホタルの習性も䜕も知らず、配慮に欠けお呚りの方々に迷惑を掛けおしたった。簡単に考えおいたが、芋ず知らずの方からの芪切が嬉しかった反面、予想倖の展開に緊匵した倜だった。

    霊隓あらたかな地で、遠い昔から連綿ず守られおきたヒメボタルの呜を芋぀め、人生の儚さを思ったこずや、人情の機埮に觊れ感謝をしたこずは、良き思い出になる。
    次こそは小型ラむトを携え、満を持しおヒメボタルを静かに鑑賞しようず思う。


    鑑賞日 什和8幎5月20日

    了

     
     
    健康情報に興味を持぀䞀介の䞻婊です。 小孊生女子のいじめ問題で、同玚生ず共に成長した蚘憶を綎りたした。そしお、䞍思議な出来事や料理のこず、子育おのこずなども蚘事にしおいたす。誰かのお圹に立おたら幞いです。 どうぞよろしくお願いしたす。

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